mickey3のパラオ便り

わたしの経験した米国研修から12年、第二の人生はJICAシニア海外ボランティア。太平洋の楽園パラオからお便り送ります。

少ない議員数を補うボランティアの委員

2011-12-13 09:34:42 | わたしの経験した米国研修 それから
議会は市の最高の意思決定機関である。すべては議会での議決事項となっている。すべて議会で決めるにはあまりにも時間がない。従って、委員会が設けられている。各委員会で審議され承認されていく仕組みである。そして議会の委員会で承認されたことをそれぞれの委員長が議会で報告し、議員の賛同を得る。議会の議決を得ないで市長の権限で決める場合には専決処分と称している。どういった案件が市長の専決で処分できるのか事細かな決まりごとがある。さらに、その内容によって市長の下位の職責で決められる。これを決裁という。

さて、グランドラピッズGrand Rapids市ではどうなっているか。市議会はシティ・コミションcity commission略してCCと称する。市議会の下位に位置づけられているコミッティcommitteeあるいはボードboardと称している委員会がある。これは原則として各種のボランティアの市民によって構成されており原則無報酬である。数は全部で33ある。この機関が委員会にあたる役割を担っているように思う。
少ない市会議員の下にある各種の委員会は実質的な市の最高の意思決定権を持っている。市会議員はわずか6名、しかも半数改選であることは触れたが、市会議員が委員会に所属しているというものではない。全く別の人間が委員会の構成員となり委員会を運営していくのである。そしてその委員会は33あった。それぞれの委員は当然市民である。また、いくつもの委員会を兼ねているというものではない。詳しくは数えていないがおのおの9名で構成されていたとすると297名もの市民が行政の意思決定機関に参画しているということになる。
誰でも委員になれるのかというとそうでもないらしい。彼らDC(Development Center)の職員も居住地の市や町では各種の委員であるという事例は多かった。
少ない議員では市民の声が届かなくなるのではないかということが懸念される。そんな少ない議員を委員会が補っているのである。もっと異なる言い方をすると300名近い市民が行政をチェックし、市の行政に参画しているということになるのである。少し極端かもしれないが300名もの市会議員がいるともいえるのではないだろうか。
さらに、驚いたのは、高校生や大学生がオブザーバーとして参画しているのである。将来を展望した仕組みが粛々と実行されているのである。若者の選挙への関心が薄い、あるいは、投票率が低いのは若者の政治離れがその一因と嘆く前に対応策を考える必要がある。そんな悩みに米国がヒントをくれそうだ。


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