mickey3のパラオ便り

わたしの経験した米国研修から12年、第二の人生はJICAシニア海外ボランティア。太平洋の楽園パラオからお便り送ります。

パラオの伝統的建築物「バイ」

2013-07-22 13:36:26 | パラオ
 この国には、「バイ」baiと呼ばれる不思議な建物がある。基礎は大きな石を使っている簡易なものである。釘など一切使用せず、主要な構造は木材で屋根にはこの地の植物の葉が使用されている。日本の切妻作りの建物のようだが少し異なっている。こう配屋根ではあるがことのほか急な勾配である。また、張り出した妻側のひさしは上部に行くに従い外に大きく張り出している。平屋建てであるが全体的な高さは思いのほか高くなる。これで思い出すのは白川郷の合掌造りだろうか。どちらも釘など一切使わない。そしてどちらも急勾配の三角屋根の形状である。
 平面の形状は矩形で妻方向に長いもので25m、梁間は5m程ある。出入り口は妻面に各1か所、張間には各々2か所ある。この出入り口はいずれもことのほか狭く日本の茶室を思い出させる。少しかがまないと中に入れないくらいに小さな入口である。
 雪深い山村の集落に適した形状と冬の寒さを和らげる分厚い茅葺屋根の白川の合掌造りの民家、こちらパラオは短時間とはいえ強烈なスコールは急勾配の屋根でないと雨水の浸入を防げない。地産の植物の葉で葺いた屋根材料は暑い直射日光による温度の上昇を緩和してくれる。いずれも創意工夫の知恵の産物だ。大きく異なるのは、妻面などに施された派手な色づかいの装飾であろう。建物の装飾にはその地区地区の特徴がある。

 さて。その使い勝手である。伝統的な集会場である。公民館あるいは自治会館と同じような使われ方をする。ここでは各集落の長老や酋長が集まり重要な会議や裁判のために使われていた。小さなコミュニティの議会と言えばわかり易い。
詳しくはJICAのHP世界HOTアングルを参考にされたい。


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