mickey3のパラオ便り

わたしの経験した米国研修から12年、第二の人生はJICAシニア海外ボランティア。太平洋の楽園パラオからお便り送ります。

委員会での決済

2011-12-12 08:45:58 | わたしの経験した米国研修 それから
委員会は毎週決まって開かれる。午後から始まるが正午に集まるように各人に案内が行っているようだ。。毎回異なったバイキング形式のランチが振舞われるのだ。バイキング方式で好きな量だけとって食事をする。委員9名と法令部局から担当の弁護士、事務局の担当職員、専任の書記を含め12~15人くらいの食事から始まる。正式にはランチ付のプレミーティングと称している。この間、軽妙な会話が行われる。「トム、昨日かわいい女性と一緒の姿を見かけたが、再婚でもしたのかな。」「そうなんだ。」てな具合である。決して仕事の話をしないのが通例である。
仕事らしい仕事というと9名の委員が前回の会議の議事録に署名をすることである。いわゆるこれが決裁に当たるものである。各々の開発計画の案件が否決されたか採決されたか市の考え方を内外に証明する文書である。これは大事なことでこの文書がいわゆる公文書でもあり、裁判等にも使われるのである。

また、ランチもどうやら予算が決められているようである。この権限は事務局のデベロップメントセンターがもっている。

午後1時ちょうどに場所を移して委員会が始まる。条例や法律に適合していない理由とそれの対案で安全や避難等条例や技術基準に照らして問題がないことを申請者側が弁明する。その後反対意見や賛成意見が近隣の住民や近隣自治会の関係者から述べられる。彼らは意見陳述の前に必ず氏名及び住所を明らかにするのだ。いわゆる利害関係者にあたるが、近隣の定義も明文化されているところはいかにもアメリカらしい。境界から約300メートル以内と決められている。日本では地元説明会の地元の定義は結構曖昧だ。

さまざまな案件が毎回上程される。条例では1区画の面積は800㎡以上であるが780㎡しかない区画がある。形は整形されているので建築するのに問題はないので許可して欲しい。ある場合には、道路境界から10メートルの壁面後退ラインが決められている。ポーチ部分が壁面後退線からはみ出てどうしても守れない。隣地のポーチのラインとはあっているのだけれど条例に合致していない。許可をお願いしたい。その都度個別に是非が議論され決まっていく。

日本のようにルールだから守らなければというようにはなっていないようだ。ルールは人間が作るもの、そして時代と共に変わって行く。そんな、習性を勘案したものとなっている。そんな思いがした。

委員は申請者の意見、隣地や地元即ち利害関係者の意見を聞いて最終9人から構成される委員の多数決によって決められる。委員長が議事を進めるのは当然であるが、インターネットの普及もあってメールで委員長宛に賛成や反対の意見が寄せられるようである。「私のほうにも多くの方から反対のメールが来ている。」あるいは、「私のほうにも賛成の方の意見が多い。」などと補足説明している場面に何度も出くわした。条例に合致していないけれど許可する。あるいは不許可が決められる。1件当たり20分で結論が出る。1日に10数件の案件が処理される。

ここでの特徴は、委員は原則無報酬である。また、学生が2名オブザーバーとして参加している。確か高校生もしくは大学生であったように記憶している。採決時の権限はないが、委員席で参加している。さしずめ委員の一員のようでもある。申請する側から考えると、条例等に合致させればそのまま許可される。合致しない場合は、委員会で判定してもらうため、経費を払って少し時間を待って、そして許可をもらえる。そんな仕組みである。


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