中途採用か経験者採用か

職員の採用は日本の場合終身雇用制度がずっと以前より定着している関係でそれ以外で採用されると途中入社とか、中途採用とか言うあまりうれしくない言葉で表現される。そして給与面や昇進昇格ではややハンディを負った形で扱われる傾向にある。尤も、近頃では年功序列制度の崩壊もあって公務員の世界においても、こうした悪しき習慣は減少傾向にある。特に地方での変化が著しい。

千葉県市川市で行われた採用試験の年齢撤廃により、全国から応募が殺到した。多くの応募者の中で４０歳を超えた新規採用職員が採用された。もちろん給与は経験を加味されているので５～６歳年下のモデル賃金と同水準だという。
最近では、東京中野区で民間企業でまちづくりの実務経験を持つ人を対象に課長職の職員を募集するという記事が目に留まった。任期は３年という。民間からの幹部職登用は日本では大変珍しい。一時学校の校長職を民間から登用した事例があった。

組織の活性化と社員のやる気の引き出しに、あるいはノウハウの吸収にどの企業も、また各自治体も躍起となっている。
社内フリーエージェント制度(本人が希望する部署への異動を認める制度)は上司を通さずに直接希望部署に応募する。自分の部署に必要な部下を社内で公募する。自己申告制度の積極的な採用により降格も含め本人の意思を尊重する。いろんな方法でみんな知恵を絞っている、そんな傾向にある。

米国では誰もが自分にあったより良い条件の職種を求めて変わっていく。従って中途採用などという忌まわしい言葉はないのである。
募集に当たっては経験者という表現は、英語ではexperienced、あるいは、well experiencedというが、募集にあたっては経験者優遇といって募集する。
ＧＲＲの職員で私が出会った何人かの人に聞いたことがある。１８年というのが最高であった。一時期、民間にいて通算１８年ＧＲＲに勤務しているという。アメリカでは経験年数でその職を自慢する人は一人もいない。

大学生で高校を卒業して直ぐに大学に入ったものを現役という、また一年遅れて入学したものを浪人と呼ぶ。一旦会社へ入って一念発起して大学へ入る場合の適切な言葉はない。
アメリカでは新規採用はフレッシュマンというが大変珍しいそうである。日本では学校を卒業したばかりのものを新規採用職員といって重宝する。新しいものがいいのである。