キルトの世界

キルトを始めて14年になります。刺繍を含めた、キルトを中心に日々感じたことを、述べていきたいと思います。

静嘉堂文庫

2009-09-30 10:11:19 | Weblog
 今日で、9月も終わりである。月日のたつのも、とても早い!!遅くなってしまったが、先週の金曜日には、「静嘉堂文庫」に行ってきた。わが家からは、バスで2回乗り換えなので、少し不便なのだが、券を頂き、展示物も「源氏物語の世界」と、興味があったので、出かけてみた。
 「静嘉堂文庫」は、三菱系の社長が、収集したコレクシォンを集めて、設立した、美術館である。広大な庭が素晴らしい。都心にある美術館とは異なっていて、緑豊かな素晴らしい場所にある。この建物の隣には「岡本民家園」があり。今度は、こちらを、友人を誘って、散策に来たいと思う。。
 源氏物語の研究は、鎌倉時代から、盛んになった。当日の展示品は、さほどは、多くはなかった。特に、私が興味をひいたのは、江戸時代の嫁入り本と、「源氏箪笥」だった。いつの時代も、親は、愛情を込めて、娘の為にに、教養の本として、持たせたのかと思うと、自然と気持ちが篤くなった。
 他に、私は、浮世絵が好きなので、三代歌川豊国作の、錦絵が素晴らしく思えた。
今日の写真は、以前に横浜に行った時に、撮った横浜中華街の写真である。

日帰りバス旅行  

2009-09-26 21:56:53 | Weblog
 9月もあっという間に、下旬になってしまった。9月のはじめの、時期に、日帰りで、「大内宿と塔のへつり」に、行ってきた。誰も誘わずに、1人で行ってきた。甲州街道を歩いていていることもあり、大内宿という、名称に興味を持ったのである。なにしろ、歩く以外に、運動をしていないので、努めて歩くようにしている。当日は、残念ながら、曇り、時々雨の天候である。
  宿場、大内は、湯上温泉駅付近の、標高650メートルも土の、山村である。江戸時代の初期に、宿場として、整備された。旧道は、日光街道の延長として、今市と合津若松を結んで、「合津西街道」と呼ばれていた。昭和56年に、「重要伝統的建造物郡保存地区」になっている。町並み展示館もあって、会津藩の松平家の殿様も、江戸初期にこの宿場を利用したという。
 ただ、お店の数が多く、「商業主義」に走り過ぎて?いるのかと感じた。ねぎ蕎麦が、有名であるが、食べる時間がなかったのが残念だった。
 次に、国指定天然記念物になっている、「塔のへつり」に行った。凝灰岩質の地層が長い時間により、浸食されて、独特な景観を作ったところである。ここでは、珍しい、ケヤキの木で作った、「急須」が売っていたので、購入してきた。
 会津鉄道は、トロッコ電車も運行していて、季節を変えて訪れると、また魅力的なのかもしれない。
 

続、和の布の魅力8

2009-09-13 10:35:10 | Weblog
 一昨日は、用事があって、横浜港のそばの、山下公園の近くに行ってきた。実に、懐かしい場所である。父親の定年退職により、北海道帯広市から横浜の戸塚区に、引越してきて以来、結婚まで住んだ地なので、横浜は、第2の故郷のような、場所である。その後に、学生時代に友人と来た時や、娘が3歳の時に、1度家族で山下公園に来たことや、高校の同窓会を、中華街で行った事など、懐かしい!思い出がどっと、あふれてきた。

 さて、今回で最後だが、和の布について、触れたい。

①宮古上布
この布の産地は、沖縄県宮古島である。この布は、14世紀ごろから、織られていたという。かつては、この島は、薩摩藩に、属していた為に、「薩摩上布」とも、いわれる。細かい十字と縞柄の文様がある。髪の毛のような、細かい「苧麻」の繊維を撚り合わせて、1本にして糸を作る。糸は、機締め技法の後に、色が黒い「泥藍」で染められる。最近は、フクギ、テーチ、マングローブなどの、島の植物で染める、試みを行っている。
 伝統文様の組み合わせと、軽いロウのような感触が、宮古上布の特徴である。

②読谷山花織
この布の産地は、沖縄県読谷村や首里らである。読谷村の花文様は、銭花(ジンバナ)、風車(カジマヤー)、扇花(オージバナ)の3つの基本文様がある。明治中期ごろから一時衰退に向かったが、昭和39年に、国の重要無形文化財に指定されて、復元された。主に、高機で織られるが、読谷山の隣の知花では、地機によって、復元されている。3つの基本柄の花と、立体的な点の四角柄が、特徴である。

③与那国織
この布の産地は、沖縄県与那国島である。日本最西端の島である。この島は、織物が盛んな所であり、500年前から、織物作りが、始まっていた。糸は、この島の自生する、染料で染められていた。両面と片面に、文様が浮き出る、2種類のパターンがある。「貢納付」として、税金の代わりに、首里王府に納付された。だが、庶民には、着用が許されなかった、布である。。格子柄の中に、織り出す花紋が、特徴である。庶民用には、麻糸や綿で織る、格子柄の織物が、作られた。

 今日の写真は、横浜港の夕暮れの風景である。





和の布の魅力7

2009-09-09 09:57:55 | Weblog
 
9月も10日近くなりと。朝夕は、少し涼しくなり、本当に体が、楽になった。
8月末の衆議院選挙で、政権が変わり、どのような、政治が行われるのか、冷静に見守りたいところである。今回の選挙は、国民の大切な選挙権を、行使することによって、政権が変わるという事を、実感できて、大変意義ある選挙だったと、思う。1票の価値は、300万円ほどに、値するとか、投票しないで、自分の意思を表明しないで、現在の政治に文句は、言えないと強く思う。ただ、選挙制度の問題で、地域によって、厳密には1票の価値は、異なっている。今後、是正されなければ、ならない課題であると思う。
 さて、今回で最後だが、和の布について、触れたい。

�八重山上布
この布の産地は、石垣島の北方の八重山である。この地方独特の、染料の紅露(クール)と、布をさらす太陽光線と、海に布を晒して、自然の恵みをいっぱいに受けて、作られた布である。この布の起源は、1637年には、盛んに織られていたという。今では、琉球藍やフクギ、クチナシ、山桃やザクロ、椎の木、テーチなど、すべて八重山自生の他の染料も使って織られている。海水に晒した優しい色合いの白と、紅露による、焦げ茶の文様が、特徴である。

�琉球絣
この布の産地は、沖縄県南風原(はえばる)である。この布は、14世紀には、沖縄オリジナルの絣柄が、生産されていた。600種類の多彩な文様があり、生活用具や動物、星や雲など自然を題材にしたものが、多い。また、その文様は、沖縄独特の方言でよばれている。
 例  1.水雲型(ミディ・フム)  2.亀甲型(ビックー) 3.風車型(カザ・マーラー)  4.爪の型(チミ・ヌ・カター)

上記の伝統的文様は、「御絵図帳」として、今でも残って図案作成に使われている。この図帳は、琉球時代に、「献納布」の柄指定に用された、図案集である。

最初は、泥藍で木綿布を、染めていたが、現在は、絹を使っている。染料は、琉球藍、フクギ、グール、テーチなど、鮮やかな植物染料を使った。明るく華やかな色あいと、伝統的な絣柄の組み合わせが、特徴である。

�首里織
この織物は、沖縄県首里が、産地である。首里は、15世紀から。琉球の首都として、繁栄していた。身分の高い人々の格調の高い、美しい織物が、織られていた。
代表的な「花倉織」は、王家専用の夏用の衣で、「道屯織」と供に、中国より、伝来した、技術である。一時、廃藩置県後に、下火だったが、戦後また、復興した。高貴で鮮やかな色柄と、多彩な技がもたらす、高級感が、特徴である



今日の写真は、歌舞伎カレンダー。さわやかな、和の水色が、素敵である。

続和の布の魅力6

2009-09-06 06:00:52 | Weblog
昨日は、久しぶりに、新宿に出かけた。用事を済まして、後に2つのデパートで行われている、「北海道物産展」を、覘いてみた。私自身が、15才まで、北海道帯広市で、誕生して、生まれ育ったせいか、なぜか懐かしさも伴って、惹かれてしまう。

  さて今回も、和の布について、紹介したい。
①大島紬
この織物は、鹿児島県奄美大島が、産地である。大島紬は、ソテツやハブの皮や、亀甲、魚の目とか、奄美大島の自然をモチーフにしている。7世紀ごろから、奄美大島では、上質な紡ぎが織られていた。精緻な文様と、泥染の渋い光沢が、特徴である。

②芭蕉布
沖縄県が産地の、布である。13世紀には、織られていた。張りとさらりとした質感と、生成に映える、車輪梅染めが特徴である。身分の高い人が着た、多彩な染織を施した、首里芭蕉布や、庶民用の粗く素朴な今帰仁(なきじん)芭蕉布などが、ある。芭蕉布の布作りは、大変な作業過程である。

③琉球紅型
この布は、沖縄県那覇が、産地である。私事であるが、初めて沖縄に、行った時に、南国的な花柄と色ずかいにが、とても印象的だった。琉球紅型は、多様な染織品が生産されている、沖縄では、唯一の、後染めで、生産される。紅型の起源は、15世紀以前であり、17世紀の宮廷舞踊が完成した時期に、最高期を迎えた。王族の礼服であり、舞踊衣装だった。日本本土との影響も受けて、友禅染や紅型の影響を受けた。ぼかしの立体感と鮮やかな花鳥風月の文様が特徴である。

④久米島紬
沖縄県久米島が、産地である。島が産地である、植物から摂った染料と泥により、5色と、織の技の文様が、魅力である。文様は、80種類ほどで、鳥や重ね雲、花形、亀甲などがある。15世紀ころから、紡ぎ織が始められていた。薩摩藩が、貢納布に、この布が用いられたために、一層品質向上が、行われた。越前の養蚕や真綿の製法や、八丈島の泥染技法が、日本本土より、伝えられた。久留米絣や、結城紬にも、大きな影響を与えた。生地の艶としなやかさ、自生植物と泥による染め色が、特徴である。

 今日の写真は、歌舞伎カレンダーである。3代目歌川豊国作である。画題は、「なぞらえ千支合わせ」である。

続 和の布の魅力5

2009-09-02 08:00:14 | Weblog
8月30日の選挙も、終わりあっという間に、政治体制が、変化した。選挙のよって、国民主権の政治を、行ってほしいと思う。31日は、台風の影響を受けた荒れた天気だったが、池袋の「私の針仕事展」に、行ってきた。私の知っている方の作品も、展示されていた。紙を布に見立てた、彼女の「折り布」のキルトも展示されていた。ほかに、洋と和のアンティークキルトが、展示されていた。

  さて、久しぶりに、和の布の魅力について、述べたい。

①阿波しじら織
徳島県産地の布である。このしじら織の特徴は、しぼ(皺)にある。夏に向く、肌触りの良い、織物が特徴である。また、藍の濃淡の美しい縞柄も、魅力である。糸は、阿波の藍で染められる。現在でも、民芸の織物として、普及している。

②伊予絣
この織物の産地は、愛媛県松山であり、久留米や備後と供に、日本の三大絣である。絣文様として、井桁や十字、麻の葉などがある。今では、藍で染めた古典柄や、多彩な布の絣が、織られている。太いラインや、かすれた文様が、特色である。

③博多織
この織物は、福岡県博多が、産地である。博多織は、帯地として、有名である。鎌倉時代の商人が、宋(中国)で技術を、持ち帰って普及した、織物である。歌舞伎の演目の「助六」で、役者が、博多織を誉めたのが、きっかけとなって、江戸庶民の間で、流行した。男物も女物も、今では、織られている。博多織の文様は、仏具のデザインで使われた図案が、取り入れられている。色は、中国の隋の5色に限定されている。

④鍋島更紗
この織物は、佐賀県佐賀や鹿島などが、産地である。更紗は、木綿生地に、人物や幾何学文様や植物や動物を文様にして、染めたものである。15世紀の明(中国)との貿易や、室町時代の南蛮船により、もたらされた。当時、異国の文様染めが、広まっていた。インド更紗やジャワ更紗などがある。それらを参考にして、日本でも、「和更紗」が、創られた。1778年の、「更紗便覧」に、他国の更紗図案や染法が、記されていて、ベストセラーになった。鍋島更紗は、中国や朝鮮の影響が、色濃く見られる。染め方に、独特な技法を使用しているので、輪郭がはっきりしていて、色あいが、観た目に映える。墨色で出した輪郭線や、中国や朝鮮の色柄が、特徴である。なお、更紗は、インド、タイ、ジャワ、ペルシャ、中国、オランダ、イギリス、ロシア、フランスなど、世界中で、生産されている。

 今日の写真は、大江戸祭りの「はしごのり」の写真である。