LNDさあ、クリスは歌うのか歌わないのか

またも気の毒な状況に追い込まれているクリスティーヌですが。
でも、10年前は何にも知らないネンネちゃんだったのが、10年経てばもうマダムですっかり大人。男連中より精神的には大人でしょ。
男連中はうだうだ妻の心をつかめなくて酒に逃げるとか借金背負うとか、自分から逃げておいてうじうじ想いだけ募らせてるとかだけども、クリスはちゃんと子供産んで妻やって母やって歌手にも復帰してるもんね。
子供だって、自分からファントムに会いに行った結果だから立派だ。
16歳だか17歳だけど決断したねクリス。

昔の人は大人になる度も高かったはず。

でも、オペラ座クライマックスで、ラウルを救うためとは言え、それだけじゃなかったでしょ！の、キスでファントムの心を溶かしたというか、あれはすごいことですわね。自分が犠牲になるから、とか言わず、自分の気持ちを体現しちゃったんだもん、でもってファントムまさかの両想いだったのかー！
しかし、そこでわーい両想いならラウルほっといてふたりで逃げようぜとならないのがファントムさんの奥ゆかしい＆善な部分だと思います。
悪の部分も多いんだけどねぇ。
悪は身に付いちゃったような気がする。まっとうに生まれて育っていたら頭はすごくいいけど悪党にはならずに済んだんじゃないか？　とかね。
ま、まともに生まれていたらもてまくりすぎて女難の相かもだし？
とはいえ、この時もLNDでのラウルとの取引も二択になってない二択だから！ずるい。

昨日お友達と話していたのですが、クリスのファントムへの想いは、愛なんだけど、理屈じゃなくて、常識とか社会的にどうとか関係なく、「ふたりが一緒にいないと息が出来ない」くらいの存在同士だってことで、普通に恋愛して普通に生活できて幸せだからっていうラウルとの愛とは全然異質で、でも一人の体にふたつの愛が同時に存在しちゃってるから苦しい、周囲も磁場が狂う。

オペラ座では、ほぼ一方的にファントムさんがクリスをしつこく追っかけていましたが（おや失礼）、LNDではキャラクターたちも進化したり複雑な思いを抱えたり打算もあったりで、オペラ座での人物を踏襲しながら重たい構成になっているので、ファンタジックさは無いけど、大人の愛が錯綜してます。
仮面とかは重要ファクターだけど、アメリカに来ちゃえばみんな同列みたいな感じだしね。
こういう愛って誰もが体験、経験するものじゃないと思いますが（あったら身が持たないかも）、魂レベルまで行っちゃってるともう邪魔しようがない。

さあ、大人なクリス、だめな旦那の借金のためとはいえ、実は匿名で送られてきた楽譜を読んでファントムが作った曲だと判っていた、それでこの仕事を引き受けた。素晴らしす。
歌うのか、歌わないのか。

はやいとこ解説書かなきゃ。