ギルのヘヴィ-メタル、プログレ系音楽室

ヘヴィ-メタル、プログレ系、ハ-ドロック等、幅広く音楽CDの感想を書きます。

Manticora

2006年09月13日 | Weblog
Manticora / The Black Circus part I - Letters 2006

THE BLACK CIRCUS PART 1 [LETTER]

オフシャルHP

試聴先

デンマ-クの4人組シンフォニック劇的ファンタジ-メロディックパワ-メタルバンドの5th。

ファンタジックで劇的なメロディックパワ-メタルは私の大好物(笑)。前作まではB級の域を脱出できないでいたが、さて新作は?

サウンドは予想通り美味しそうな劇的系メロディックパワ-メタル。しかし明らかに雑でヘタクソなボ-カルにかなり閉口。素人のど自慢に出たらカネ1回鳴らされて終了する勢い。

せっかくの旨そうな肉汁がしたたり落ちてくるステ-キを、強すぎる火力で真っ黒こげにしてしまったかのような無念さ。

ボ-カルが全てをぶち壊した典型的な作品。

評価2/10
期待したのにな~
マンティコラなんて誰も知らないかな?

Iron Maiden

2006年09月12日 | Weblog
Iron Maiden / A Matter of Life and Death 2006

ア・マター・ライフ・アンド・デス~戦記

オフィシャルHP

試聴先

待ちに待った英国のベテラン王道ヘヴィ-メタルバンドの新作。トリプルギタ-の6人組。なんと14作目だそうだ。初期のファンからは前作同様あちらこちらで評判が悪そうな予感がするが、さて内容は?

私は2000年発売のBrave New Worldから彼らを聴いて感銘した新参者。このアルバムは誰がなんと言おうがすばらしい。トリプルギタ-万歳!

後追いで聴いた初期の薄っぺらい音にはあまり良い印象はない。だから私は本当の彼らのファンではないのだろう。前作DANCE OF DEATHもBrave New Worldほど良いとは思えないが、好きなアルバムだった。

DANCE OF DEATHといえば、ダイナミックレンジが狭く音質が最悪だった。とてもメジャ-レ-ベルからリリ-スされた物とは思えない音。新作はこのあたりがかなり改善されているが、他のメジャ-級バンド最新作に比べると少し音が悪い?中~高音がすっきりせず、抜けが悪い。特にボ-カルの歯切れが少し悪い。このあたりは改善しないと損をするぞ。

前置きが長すぎた。さて本題。

1曲目は彼ららしいシングルにもなりそうなメイデン節たっぷりのノリノリ気味な曲で、掴みは良い。しかし私にとっては平凡過ぎる。まあ順当なオ-プニングなのかな?実は掴みの良い曲はこの曲だけ。

ここから先はミドルテンポ&展開入りのDANCE OF DEATHの流れを汲むダ-クで長い曲が続く。曲の合間にドキっとさせる演奏や展開を聴かせてくれたりもするが、歌メロはネタ切れなのかマンネリで先が読めてしまう。もちろん彼らの最低限と思われる品質は十分保っていると思うが、聴いてワクワクドキドキするような楽曲ではなく、掴みはかなり悪い。

これは聴き込まないと良さが理解できないだろうと聴き込んでみた。
サビ歌メロがマンネリだが、インスト部分が嬉しい②、前半が最悪だが、中盤から盛り上がる③、おっとここで流れるようなコ-ラスが気持ち良い④等、1曲中全てがすばらしいと思う曲はあまりないが、所々に聴き所はある。ダラダラした最悪な⑦の後は9分台のドラマティックな大作。でも肝心なサビ歌メロがやはりマンネリ。ラストはアコ-スティック風の前半から重いギタ-、重いメロディ-で展開、後半部分に盛り上がるこれまたドラマティックな9分台の大作。後半の大作群は好印象。

全体を通して聴くと悪くはない。繰り返し聴きたくなるような力もある。
でもあまり変わり映えしないメイデン節群には、我々はこれ以上変化できませんからよろしく!と言うメッセ-ジが伝わる。保守的でハズレのないアルバムかな?

今後はもっと思い切った変化がないと飽きられるのでは?

評価 7/10


BLIND GUARDIAN

2006年09月08日 | Weblog
BLIND GUARDIAN / A TWIST IN THE MYTH 2006

ア・トゥイスト・イン・ザ・ミス(初回限定盤)

オフィシャルHP

ビクタ-試聴先

ドイツの4人組ベテラン民謡調メロディックパワ-メタルバンド8th。
ドラマ-、Thomen Stauchが抜けてから出来た4年半ぶりの新作。

ジャケットはすばらしい!勇敢でファンタジックなイメ-ジのスト-リ-が勝手に頭の中で湧いてでてくる。

その新作をさらっと聴く。1曲目からブラインドガ-ディアン特有の厚いコ-ラス入り民謡調節回し系骨太メロディアスジャ-マンメタルを聴かせてくれる。これは!

ベテランの彼らは演奏、ボ-カル共に安定していて安心感は抜群、特有のクサいメロディ-も健在だ。しかし、殆どの曲がキレ、スピ-ドがなく、メタル度が落ちてしまっている。

先行シングルのFLYをラジオで聴いた時はかなり微妙だな~と思わせたが、アルバムを何度も聴いているうちに今回の音に馴れてきた。新作は楽曲の良し悪しで勝負しようとしているのだな。確かに捨て曲らしい曲は少なく、どれも平均点レベルらしく聴こえる。

でも、以前からのファンはこのような音を求めていたのか?バンドとファンの間に溝が出来てしまうような気もする。

個人的にはアコ-スティック曲のSkalds And Shadows がすばらしいと思った。この曲は泣ける。彼らはメタル以外でも勝負できる楽曲能力があるのだな。

感想は一言 
熟しきったようなくどい程のコクはあるが、キレがない ←ビ-ルかい!

評価 7.5/10
B誌は90点近くの平均点でベタ褒め?そこまで褒めるか?

本家BLIND GUARDIAN新作 VS 分家Thomen Stauch率いるSAVAGE CIRCUSは、SAVAGE CIRCUSの圧勝。


Persefone

2006年09月06日 | Weblog
Persefone / Core 2006  サウンドホリック

コア

レコ-ド会社バンド紹介&試聴先
宣伝文句
アンドラ公国の若者が創り上げた、超シンフォニック・スケール壮大絵巻完成!バンド名の元となったギリシャ神話の女神、「ペルセフォネ」をコンセプトに、3曲70分の優雅且つドラマティックな叙事詩があなたを迎える。シンフォニックに劇的にその卓越したセンスで物語を彩る究極の深遠なる世界!

アンドラってどこやねん?
答え スペインとフランスに挟まれピレネー山脈に覆われた小国の6人組シンフォニックプログレデスメタルバンド2nd。

3曲で70分というコンセプトアルバム。この宣伝文句を見てハァハァしたのは私だけではないはずだ!怪しく美しいジャケットの1stはもちろん聴いた。B級だが、何か光るものがあるバンドで、彼らの成長具合がとても楽しみな新作。

ワクワクしながらCDを聴く。あれ~、ギタ-の音が宅録みたいで非常にもったいないな~。

音楽性は簡単にいうと、ドリ-ム・シアタ-が何を思ったのか、間違ってシンフォニックデス/ブラックメタルを演奏してしまい、少しOpethのような叙情性も出てしまいました系のサウンド。

ここで大きくドラマティックに展開するぞ~!と思わせつつ、以外や地味に展開してしまったり、ここはもう少しクサイメロディ-が入ったほうがいいのにな~と思わせたり、意味のなさそうな平坦パ-トがあったりで、俺がここをこう指導してやれば素晴らしいアルバムになるぞ~!とついつい口を出したくなるような不完全燃焼系の音が以外に面白い(笑)。

男性デス声は聴きやすいものではないが、時折入るクリア-女性ボ-カルで癒される。

アルバムを数回聴いただけではいまいちしっくりこない部分は、何度も繰り返し聴いていくうちに彼らの演じたい部分が見えてくる。確かに今の世代の人達に1曲23分は長い。飽きずにフルで聴けというのがムリな話かもしれない。

でも、こんなに面白い事をしてくれる彼らに賛辞を送りたい。こんなアルバム構成では売れるはずがないのにチャレンジしてくれている。次もぜひ頼むぜ!

国内盤はボ-ナストラックにメガデスのカヴァ-。こんなカヴァ-曲はいらない。芸術性が損なわれるだけです。なぜメガデス?

こんなにマニアックなのに国内盤をリリ-スしてくれたサウンドホリックは立派(笑)。
皆で褒め称えてしまいましょう!

でも、一般人の方々にはあまりお勧めしません。

評価7.5/10
ギタ-の悪い音質が本当にもったいない。

The Mars Volta

2006年09月05日 | Weblog
The Mars Volta / Amputechture 2006

アンピュテクチャー

オフシャルHP

試聴先

1stアルバムが奇跡のジャンルごった煮新世代劇的メロディアスプログレッシブスピ-ドハ-ドロック/メタル/エモコアで、我々プログレメタル系好きと今時のハ-ドロック/エモコア好きなリスナ-を魅了した。当時のインパクトは絶大。彼らこそがプログレッシブメタル界の救世主になってくれると大きな期待をした。

2ndアルバムも1stアルバムの流れを汲んでいたが、よりラテン色が強くなったように思え、麻薬中毒患者が作ったようなまったりした曲等があまり好きになれなかった。麻薬中毒患者のような面はもちろん1stアルバムから見かけられたのだが。

待望の新作。いきなり出てくる音がム-ドミュ-ジック?最初から絶望感を味わう。これが本当に彼らの音なのかと耳を疑う。

2ndのラテン色をより強くし、ミドルテンポでダラダラグニャグニャと進行するアルバムには一切魅力を感じない。多用される怪しいサックスが更に倦怠感を醸し出す。彼らはどうしてしまったのか?スリリングな部分等が殆どない。唯一2曲だけプログレッシブロックのような展開のまともに聴ける曲もあるが、聴き所はこの2曲だけ。あまりにも退屈で長いアルバム。

つまらない。彼らは終わってしまったのか?これが本来の姿なのか?
このアルバムは歌い方も気持ち悪い。

1stアルバムはやはり奇跡だった。

評価4/10


ILLNATH

2006年08月24日 | Weblog
ILLNATH/Second Skin Of Harlequin  2006

オフィシャルHP

試聴先(Afspilをクリックすると、リモコン操作画面が出てきます)
新作から2曲試聴可。She the plagueが面白い音です。

2003年リリ-ス前作1st Cast Into Fields Of Evil Pleasureがクサクサなキラキラ疾走メロディックデスメタルで、輸入盤市場を大騒ぎさせたデンマ-ク出身5人組の新作2nd。

1曲目の序盤からいきなりダラダラシンフォニックゴシックな出だし。これは曲順失敗だろう!1曲目を試聴した人が2ndはだめじゃん!と棚に戻されるのが想像できる。

気を取り直して聴く。1st同様クサクサキラキラシンフォニックメロディックデスメタルに若干プログレッシブ風味を加えた音楽性に変化はないが、なんだか1stより若干クサクサ加減が減ってしまい、スピ-ドも落ちたような気がする。もちろん一般的なメロデスよりはクサいと思われるのだが、どうしてもインパクトの強かった1stと比較してしまう。いや、今思うと1stアルバムはもの凄くすばらしいアルバムだった訳ではなかった。ただ、いきなり新人でこいつらやるな!と思わせた印象がかなり残っているだけかも?

時々妙なメロディ-もあり、微妙だな~と思わせつつ、ドキっとさせるような場面も多々ある。完全に自分の趣向から外れてしまったかと言われると、そうでもなく、以外に気に入っていたりする。今時流行りのUSAメタルコア風路線をまったく無視している所も好きな部分。

彼らに過度な期待をしていた分、少しがっかりしたのだが、無事に2ndをリリ-スしてくれた喜びで少し満足な
評価7.5/10
試聴して気になったら輸入盤店に!

The Red Jumpsuit Apparatus

2006年08月12日 | Weblog
The Red Jumpsuit Apparatus / Don't You Fake It  2006

Don't You Fake It

オフィシャルHP(いきなり音が出ます。ビデオ有り)

試聴先

フロリダ出身の新人5人組。ジャンルはPop Punk / Screamo / Rock

今ではありきたりとも思えるパンク、スクリ-モ、ハ-ドロックミックスサウンドを演奏する彼ら。またこの音かと思って聴いていたのだが、彼らはその辺に転がっている出来の悪いバンドではなかった。

パンチの効いたサウンドに、なぜだか懐かしく思えるポップでキャッチ-なメロディ-の出来の良い楽曲群に驚いた。もちろん目新しさはあまりないが、この手のバンドでは上手いと思えるボ-カルと、ツインギタ-が心地よい。過去のメロディアスなロック、ポップスをうまくまとめ、刺激を追加している。車の中でラジオを聴きながら運転している時に、彼らの曲がながれたら、これは誰だ?と気になってしまうだろう。

アルバムはロック、ポップス好きなら全編違和感なく聴け、とても親しみやすい。出来の良いバラ-ドもある。たまには気楽に音楽(ロック)を楽しもう!

さらさらの髪に甘いマスクのボ-カルは若い女性に人気が出そうな予感。
俺は男に興味はありませんが(笑)

評価8/10 
普通に良いアルバム。捨て曲はありません。
彼らに先行投資しませんか?


I Am GHOST すばらしい新人

2006年08月04日 | Weblog
I Am GHOST / We Are Always Searching 2006 ソニ-

ウィ・アー・オールウェイズ・サーチング

オフィシャルHP(ビデオ有り)

試聴先(4曲)

レコ社宣伝文句
ロスト・プロフェッツ+マイ・ケミカル・ロマンス!? 期待の新人デビュー!
スティーヴ(vo)と紅一点ヴァイオリニスト、ケリスを筆頭に、ダークさを前面に打ち出した全メンバーのビジュアルと、まるで演劇のような凝ったステージ・パフォーマンス、そしてピアノとヴァイオリンをフィーチャーしたダークかつメロディックなロック・サウンドが、ここ日本でも耳の早いキッズ間で既に盛り上がってます!ロスト・プロフェッツ、マイ・ケミカル・ロマンスなどが好きな人は要チェック!


ジャンルはPost Hardcore / Punk / Gothicとなっているが、俗に言う激情ロック、エモコア/パンク/メタルではないかと思う。女性ボ-カルがヴァイオリンを兼任するカリフォルニア出身の6人組みデビュ-アルバム。輸入盤では去年発売済み。

男性ボ-カルと女性ボ-カルのツインボ-カル体制。基本的に男性ボ-カルが主導しているが、女性ボ-カルもハ-モニ-、ヴァイオリン含む大活躍。時々嫌味がない程度に叫び声。

小気味良い疾走感&躍動感に溢れ、親しみやすい硬派系メロディ-と厚いハ-モニ-が魅力。更にヴァイオリンが目立ちすぎない程度に入るので、音に隙間は無い。

宣伝文句にもあるように、2nd時代のロスト・プロフェッツサウンドにマイ・ケミカル・ロマンスの甘いエモ/パンク加減をプラスして、張りのある女性ボ-カルとヴァイオリンが更なる色を付けてくれる。これってすばらしいではないですか?

若干ボ-カルに若々しい荒さが見られるのだが、聴きこんでいくとどんどん快感に。捨て曲なしの完成度抜群な楽曲群。アルバムラストまで気持ちよく聴ける。

軟弱になってしまったロスト・プロフェッツ新作にがっかりした私を彼らが替わりに救ってくれたすばらしい新人。この手のバンドでは間違いなく買いです。彼らのライブが観たい!

評価9/10

ネタ元はSEVENさんでした。騙されたと思って試聴してください。

FROST 親しみやすく美しい音楽

2006年08月01日 | Weblog
FROST / Milliontown 2006

Milliontown

オフィシャルHP

試聴先

メンバ-
Jem Godfrey, John Mitchell, John Jowitt, Andy Edwards, John Boyes
英国ポンプロック(プログレッシブロック)ミュ-ジシャンが集結した新バンドの1st。

Note: Ronan Keating や Atomic Kitten などとの仕事で有名なポップスプロデューサー Jem Godfrey が、 Kino のギタリスト John Mitchell 、さらに IQ のリズム隊 John Jowitt と Andy Edwards を誘って立ち上げたプロジェクト、フロストのデビュー作。
(ア-クライトオンラインより)

英国ポンプロックのミュ-ジシャンが集結したバンドの音とは、プログレッシブロックをポップ&メロディアスにして大衆に聞き易くしたような音ではないかと想像できる。

ところが1曲目から緊張感溢れるインスト。ピアノ、ギタ-が泣きまくり、変拍子リズム隊が畳み掛ける劇的系サウンド。これは凄い。ちょっと軟派なポンプロックの音を想像していたので嬉しい誤算。

2曲目はKinoを感じさせるようなハ-ドロック調。もちろんアレンジは凝っているが、新鮮味は薄い。

3曲目はほっとさせるようなバラ-ド。

4曲目はメロディアスなインダストリアル系?で微妙.........俺の好みではないだけかも?

5曲目はキラキラしたポップソングから泣きのギタ-(これが良い)が挿入され、ゆったりと美しく歌い上げた後にダンサンブルなサウンドに展開する10分の曲。

極めつけはラスト6曲目の物語性大で展開する26分の大作。
最近のNeal Morseを思わせるようなポップな歌メロディ-と美しいハ-モニ-パ-トに、緊張感溢れるメロディックスピ-ド変拍子パ-トのメリハリがすばらしい!ゾクゾクする~!歴史に残る名曲になりそうな予感。

正直2,3,4曲目はあまり音に引き込まれなかったのだが、1曲目とラストの大作だけでも大満足なアルバム。洗練された美しいギタ-とキ-ボ-ドの音に、嫌味がなく変幻自在な変拍子リズム隊は相性抜群。久しぶりに親しみやすいプログレッシブロックを聴いたような気がする。

評価8.5/10