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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

2009年 映画総括

2010-01-02 09:19:46 | 不定期コラム
あけましておめでとうごさいます。
また年が明けてしまいましたね。
今年も去年一年間の映画館での鑑賞について、総括を書いておきたいと思います。

さて、一昨年は24本鑑賞できたわけだが、今年は27本までのばすことができた。
そのうち1本は二度見にいったので、実質は26本である。
一つは一人で見にいくことが多くなったので、本数が若干増えてきた。
もう一つは土曜の午後に見て、そのあと飲みに行くというパターンが確立しつつあるので、必然的に見る本数が多くなった。
その弊害は、見やすい映画ばかり行く結果になってしまい、一昨年よりも全体の質は落ちたように思う。
先ほどすべての映画作品を書き出してみたが、駄作ばかり見にいってしまった印象だ。

昨年末も、髪の毛を切りに行ったところ、M4(ムービー4(四人の映画フリークが集う美容院とその客の会))で、年末会議が行われたが、やはり僕の見にいっている映画はどれもミーハーで甘っちょろい作品ばかりだった。
今年はもう少し骨のある作品を見なければならない。

では、早速年間トップ10の発表である。

1位:「サマーウォーズ
まよった挙げ句、単純に楽しめたアニメ映画が1位となってしまった。
文句なしに楽しめる映画であることは間違いない。
けれども、もっと食い込んでくる作品を見たかったなぁ。

2位:「アバター
まさかのラスト鑑賞が2位という快挙。
もちろん僕が選んでいるのだけれども。
世界観の想像と、その表現技法とのマッチングがすばらしかった。
3Dでできればもう一度見にいこうと思う。

3位:「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
これを二回見にいった。
1位から3位までは僅差と思っていただいて良い。
自律性が低い作品なので、3位とした。
けれども、原作アニメのファンなら必ず楽しめる作品だろう。
僕の周りには5回も見にいったというイタイ人もいた。
それは単なるヲタクだろうけれども、3回目の映画館に行きそうになったことは確かだ。
早くDVDにならないかな~。

4位:「スラムドッグ・ミリオネア
2008年のオスカー作品。
完成度は高いが、どうも巧くまとまりすぎていて、この位置に甘んじた。
それでも文句なく楽しめる作品だ。
家で見るなら、最大級の音量で冒頭から見よう。

5位:「グラン・トリノ
僕がアメリカ在住だったなら、この映画が1位かもしれない。
残念ながら文化圏の違いから、この位置にいる。
またイーストウッド監督作品が映画公開となる。
まだまだよい映画を撮り続けてほしいと切に願う。

余談だけれども、昨年は映画人を何人か亡くしてしまった。
特に僕にとってはマイクル・クライトンが急逝したのは、ショックだった。
周りに言っても誰も共感してくれなかったのが、またショックなのだけれども、彼の作品は安易に映画化しようとする傾向にあるが、もっとまともな映画化を望む。

6位:「チェ 39歳別れの手紙
これは前作とセットでこの順位と思っていただいてよい。
二つともそれほど長い上映時間ではないので、もし見ていない人は是非見てほしい。
少し資本主義への懐疑的なまなざしは弱くなりつつあるが、僕たちがどのように生きるべきなのか、一つの視座を与えてくれるだろう。
この作品を鑑賞した後、本も読んだ。
やはり偉大な人物であることは間違いないだろう。

7位:「ベンジャミン・バトン 数奇な人生
こちらは他の人ならもっと上位になるかもしれない。
僕はこの位置。
非常に完成度の高い作品だが、やはり現在の娘からの語り、という意味合いをもっと持たせてほしかった。
愛する人と思いを遂げるということがどれほど難しいか、教えてくれる作品だ。

8位:「96時間
この映画がこの位置に入っている時点で、今年の僕の映画鑑賞がいかに乏しいかを示している。
この映画も十分おもしろい作品だが、年間トップ10に入るほどではないかも。
「24」が好きな人は、絶対にはまれる作品だ。

9位:「2012
ここからは完全にある意味おもしろかったというランキング。
意外に完成度が高かったという意味に於いて、楽しめた。
まだ公開しているかもしれない。
見にいくなら絶対劇場だ。
DVDでいいや、なんて言っていたら、たぶん全然おもしろくない映画。

10位:「スペル
これが言いたいからこの記事を書いているようなものだ。
去年一年間を通して、一番衝撃が大きかったのが「スペル」である。
サム・ライミ監督にやられた、という思いはいつまでも薄れない。
正真正銘のA級の、B級映画である。
日本も、どうせ駄作を撮るくらいなら、これくらいしょうもない映画を真剣に撮ってほしい。

…という結果になった。
最後は落ちみないなものなので、無視してもらって結構だが、7位くらいまでは十分おもしろい作品がそろっている。
もう公開が終わってしまった作品が多いが、DVDででも楽しんでほしい。

さて、最後に、ワーストも発表しておこう。
これはもうダントツに「ドラゴンボール エボリューション」である。
これを抜ける作品はなかなかない。
時間があるときに、友達と夜中に集まって、夜通し笑い倒すためにある作品だと言っても良い。

次点は「アマルフィ」か、「ウルヴァリン」だろうか。
ともに、日本、アメリカ本土では話題になりヒットした作品だが、ともに安易な商業主義に走ってしまった2009年にはふさわしい作品である。
商業主義が著しい映画業界にあって、「チェ」などが公開されるのはうれしい限りである。
僕の昨年は「超訳資本論」を読んだりと、妙にマルクスよりの一年だった。
別に革命を狙っているわけではないけれど、経済状況などを合わせてみると、やはり「搾取」されている自分を見つめ直さざるを得ない。

今年も一年間、平穏無事で過ごせるようにと願いつつ、またよい映画との出会いがあるようにと祈りながら、新年の挨拶としたいと思う。

今年もよろしくお願いします。

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4 コメント

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感想マニア (みかん)
2010-01-20 14:09:55
2009年もたくさん映画を観たんですね。さすがです。管理人さんお勧めのドラゴンボール、是非見たいと思います。

ところで、

それは単なるヲタクだろうけれども、3回目に行きそうになったことは確かだ。

の「3回目に行きそう」は「三回見に行きそう」ではありませんか?
返信する
初めまして。 (menfith)
2010-01-22 22:27:30
管理人のmenfithです。
書き込みありがとうございます。

まだまだ数は見られていません。
もっと見ないと、と思いつつ、無理しないのを信条としていますので、いつも中途半端な数で止まっています。
今年はもっと見られるかな?

指摘いただいた箇所は訂正しました。
返信遅くなって申し訳ありません。

今後もよろしくお願いします。
返信する
はじめまして (しん)
2010-02-09 19:52:49
はじめまして
「スタジオゆんふぁ」という自主映画制作団体の代表で映画評ブログ「自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ」の管理人をつとめております「しん」と申します。
濃い目の映画評をとても楽しく読ませていただきました。

また時々、うかがいますね。

ところで、当ブログでは「映画ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」という企画を立ち上げてみました。その記事へのリンクをこのコメントに付けております。
現在27のブログがエントリーしており、盛り上がってきています。
是非ともお越しいただき、この10年間のベスト映画をコメント欄に投稿していってください。
〆切は2/14としております。(急な話ですみません・・・)
もちろんご興味があればで結構でございます。
投稿しても何の得にもなりはしませんが、映画好きたちと10年間を振り返ってみてください。
それでは、今後ともよろしくお願いいたします。
返信する
書き込みありがとうございます。 (menfith)
2010-02-13 21:11:26
今週は妙に忙しかったmenfithです。
まあ、前から判っていたことで、妙ではないのですが。

書き込みありがとうございます。
ブログの方も確認しました。
明日までの受付と言うことで、間に合うように鋭意リストアップ中です。

同じフォーマットで、同じ内容で、こちらのブログにもアップしようと思います。
返信する

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