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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

天使のくれた時間

2008-08-28 08:06:23 | 映画(た)
評価点:78点/2000年/アメリカ

監督:ブレット・ラトナー

ニコラス・ケイジ主演のハートフル・ラブ・ストーリー。

主人公は超やり手のエリート・サラリーマン。
しかし、彼にはクリスマスを共にする家族も恋人も居なかった。
彼には昔、将来を誓い合った恋人がいたが、彼女ではなく、仕事を選択したのである。
そして、クリスマスの晩、彼はコンビニで騒ぎを起しそうな黒人の男を助ける。
黒人は言う。「あんたにチャンスを与えてやるよ」
次の日彼が目覚めると、分かれたはずの恋人と暮らす日常の中だった。
とまどう彼は、必死に前の暮らしを探そうとするが……。

▼以下はネタバレあり▼

このタイトルには少し不満が残る。
天使という存在はこの映画に出てこない。
それらしき人物はいるけど「天使」ではない。
このタイトルによって少しわかりにくい映画になっている可能性もある。
日本タイトルと英語タイトルとの兼ね合いは難しい。

さてこの映画は
僕の大好きなニコラス・ケイジの主演ということもあり、非常に良かった。
「シティ・オブ・エンジェル」もかなり好きだけど、こっちのほうがより好きだ。

話としてはありがちな「仕事」と「家庭(恋人)」と選択を迫られた時、どうするのか、ということだけど、これはほんとうに考えさせられた。
アメリカ映画ならすぐに「恋人」と選択させるだろう。
でもこの映画はそうではなく「もう一つの人生」でも「仕事」を求めようとする。
この葛藤はとてもうまく描いていた。

もっと可能性があるのに。
もっと大きな仕事を任される才能を持ち合わせているのに。
そう思うのが現実的だろう。
ただの恋愛映画ではなく、多くの人に共感させる部分の多い映画だと思う。
決して「天使のくれた時間」でなく、別世界の「もう一人の自分(family man)」なのだ。

まわりの人々の変貌振りにもうまさを感じる。
それによって現実との差異がよく理解できる。

最後のニック台詞がちょっとものなりない感じではあるけど、「このまま年老いていくのが私の夢だったの」というティア・レオーニの言葉がとても僕の心に残る。
彼女も結構好きな女優の一人。

(2002/05/06執筆)

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