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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

ザ・メキシカン(V)

2008-08-24 16:28:39 | 映画(さ)
評価点:55点/2001年/アメリカ映画

監督:ゴア・ヴァービンスキー

▼以下はネタバレあり▼

メキシコに伝わる伝説の銃を巡っての攻防。
ジュリア・ロバーツとブラッド・ピットとの夢の初共演作品。

この二人にはことごとく(2本だけだけど)やられている感じ。
話の設定はうまいのに、見せ方と展開が悪い。
物語の構成がうまくかみ合っていない印象を受けた。

この物語は銃を巡る主人公二人の恋模様を描いているはずだ。
そして何度も出てくる伝説の銃の話も恋物語。
普通の人ならこの二つの話に関連性を求めるだろう。
しかし関連はまったくない。
伝説の話は喜劇と感動劇がただ単に挿入されているにすぎない。
このことによって意味もなく何度も現実と伝説が、ぶちぶちに展開される。
見ていて楽しみがない。
むしろ伝説の話は観なくてもいいかもしれないくらい不必要だ。

そして途中で出てくるリロイに扮したホモ男。
恋人に感情移入している観客たちは、彼がブラッド・ピットに殺されるという彼の結末に、絶対に納得できない。
あれだけ引っ張っておきながらあっさりと殺される。
殺すのなら、もっとキャラをさらりと描くべきだし、そうでないなら納得できるドラマを仕立てるべきだ。
そうでないと必然性がない。
ピットがとても悪い人間に見えてしまう。

話の展開が唐突なところが多かったのが最大の印象。
前触れなく人が死に、前触れなく解決する。
主人公たちがよりを戻したのも「銃」のおかげではなく、あの殺されたホモ男の言葉によってだ。
足を撃ったチンピラとはいつの間にか、友好的な関係を築いている。
結局主人公はハッピーエンドだったが、それにいたるまでに犠牲にしすぎた。
そして都合が良すぎた。

雰囲気や設定、伝説の回想部分は良かった。
唯一うまいとおもったのは信号機だ。
しつこいくらいに描くことによって、一種のメタファーを見出すことができた。

同時期のブラピの作品なら、「スナッチ」のほうが俄然いいだろう。

(2002/05/07執筆)

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