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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

スターウォーズ・エピソード1 ファントム・メナス

2008-08-16 09:15:27 | 映画(さ)
評価点:74点/1999年/アメリカ

監督:ジョージ・ルーカス

特に「スターウォーズ」シリーズに思い入れがあるわけではないので、冷静に観れたと自分では思っている。

若い女王アミダラ(ナタリー・ポートマン)が治めるナブー。
そこへ通商連合軍が課税をめぐり、武力行使をし始めた。
圧倒的な兵力のため共和国元老院へ訴えることにしたアミダラと、特使として派遣されていたジェダイの騎士たちの危急の旅が始まった。

物語世界で言うと、先に公開されていた三部作の前の部分にあたる。
アナキン・スカイウォーカーがジェダイの騎士たちに見つけられ、その才能を見出されるところまでが、この作品では語られる。
よって物語は三部作プラス、エピソード2、3を前提にして進むことになる。

▼以下はネタバレあり▼

率直な意見として「おもしろい」。
そして同時に「物足りない」。
映画としては所謂「続き物」にしては、見せ場と設定の説明がうまくいっていると言えるだろう。
けれど、単純に秀逸か、独創性に優れているかと聞かれると、うまさが足りないと言うと思う。

ファンが涙して喜ぶのは理解できる。
世界観の深さもSFの域を越える面もある。
しかしストーリー構成と人間関係のプロットが弱い。
映画内で効果的に発揮される伏線も「アミダラ」とその侍女が、入れ代わっていることくらいじゃないだろうか。
人間関係でいえばアナキンと母親の件や、パルパティーン代議士の画策など、ありきたりで設定がすこし幼稚臭い。
ステレ・オタイプの人間模様という印象がぬぐえない。
何か浅いものしか感じられないのだ。

平たく言えば、ファンじゃないと楽しめない、ということだ。
いやもっと正確に言えば、ファンじゃないと「本当には」楽しめない。
ある程度は見せ場も作ってあるので楽しめるが、ストーリーの肝心要の部分は、三部作とのつながりと、エピソード2,3へのつながりになってくる。
そこの面白さが理解できなければ、起伏なく進む。

エピソード1と銘打っているが結局は四作目なのだ。
設定にはものすごい細かい部分まであるのだろう。
それを知っているものは、ニヤリとするかもしれない。
けれど、それが大きくストーリーに反映してこない。
本筋の部分はものすごいありふれた人間模様なのだ。
結局、そうした細かな設定は物語から遠い部分であり、マニアにしか通用しない、楽しめないものになっている。

ストーリーの展開として全然「新しく」ないのだ。
ルーカスがいくら世界を構築するのに長けていても、肝心のストーリーの見せ方が良くないので生きてこない。

映像や音楽はすばらしいし目を見張る。
けれどそれで勝負できるほど新しくはない。「エピソード2」に期待したい。

(2002/06/29執筆)

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