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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

アメリ

2008-08-24 16:17:43 | 映画(あ)
評価点:80点/2001年/フランス映画

監督:ジャン=ピエール・ジュネ

この映画を観て、幸せになれるかどうかは、紙一重か。

幼い頃から一人で空想することの多かったアメリ(オドレイ・トトゥ)は、ある日住んでいるアパートに隠されていた宝箱を発見する。
宝箱を届けたことをきっかけにして、アメリは人々を幸せにしようと決心する。

この映画は今年観に行った中(2002年)ではいちばん良かった。
飛びぬけて良かった。DVDも買う勢いだ(買わんかったがね)。
これを読む前に観ることをお勧めする。
そして恋人と観ることを強く勧める。

▼以下はネタバレあり▼

まず第一にアメリが可愛い。
いや容姿としてだけでなく、いたずらで幸せにしていこうとするその手口だ。
ラズベリーを十本の指に突っ込んで食べていく、その仕草でまずその人柄に惹かれる。
そして考える発想全てが、非常に子どもらしく可愛い。

だがこの映画はあくまで大人向けである。
シモネタ満載で、大人のギャグが多い。
そうした中でもアメリの子どもっぽさに観客は懐古させられるのだ。

そしてカメラワークとナレーションにより、キャラクターの説明部がとてもスリムで理解しやすい。
逆スタイリッシュとでもいうべき、この遅さと速さの融合は非常にうまい。
画面の色のコントロールも効いている。
ナレーションがそれに加わり言葉は早いが、映像がそれほど早くないのでどんどん世界に入り込めることになる。
短いシーンでも印象的に頭に残るのは彼のナレーションによるものだ。

登場人物の絞っていき方もうまいと思う。
盛り上るにつれて焦点をどんどん絞っていくために、展開が速いと感じる。

ただ残念なのが登場人物が多すぎて観客側に負担が大きくなってしまうことだ。
伏線を全て理解した上で見ることはちょっと厳しい。

またこれは日本語字幕の宿命だが、冒頭部のナレーションが早く量も多いことから、情報過多が起こって映像に目が行き届かない。
「画面の関係ないところをみるのが好きだ」と、アメリが言っているのだから、そういう余裕はほしいと思った。
ただこれは仕方がない部分もあるだろうけど。

最後の結ばれるシーンでカーテン越しに写して、具体的に見せなかったのがセンスを感じた。
そのあとそれをビデオカメラに写していたという落ちも最高にうまい。

この作品がなんとあの「エイリアン4」の監督が撮っていたことが、最大のびっくりであることも付け加えておく。

(2002/05/21執筆)

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