外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

豪傑ハトおばさん、スズメや放射能などについて大いに語る

2015-09-26 20:28:07 | ハトやスズメなど


先日ハトおばさんに遭遇した。
ハトおじさんなら何度か見かけたことがあるが、おばさんは初めてだ。

いつものハトスポット(スーパー前の広場の片隅)に、普段より早めの午後5時頃に行った時のことだ。
ハトの集団を眺めながら、ベンチに座って缶チューハイを開け、持参したパン屑を少しだけ撒いた時、その人は現れた。

背が低くてがっしりした体つきで、ショートヘアの60代と思しき女性。
広場の入口付近に自転車を止めて、つかつかとハトに近づくと、カバンからパン屑の入ったナイロン袋をおもむろに取り出して、盛大にばら撒いた。

おお~
ハトおばさんだ。ハトおばさんだ~
仲間だわ~~

私は感激しながらその様子を見守った。

おばさんは手早くエサやりを終えると、私の方にやってきて、ハトたちの方を眺めながら淡々と語り始めた。
「ここのハトの数、最近減ってるんだよね。前は40羽くらいいたのに、今はせいぜい15羽しかいない。
 カラスの数も減ってるから、もしかしたらカラスと一緒に駆除されたのかもしれない」

不吉な話だが、そういうこともあるかもしれない。
「この辺にはスズメもいますよね」と振ってみると、おばさんは顔をしかめてこう言った。

「スズメも減ってるんだよね。放射能のせいじゃないかな。この辺はもう放射能だらけだから・・・
茨木の山奥には、「狸やキノコをとらないでください」という看板があるらしいよ。
放射能が蓄積されてて危険だからだよ。ここだってきっと汚染されてるはず」

おお~
関東在住で、放射能汚染について積極的に語る人って初めて見た~
狸とキノコっていう、ピンポイントな注意書きもステキだ~~
私はさらに感激した。





「ハトにエサをやってると、文句言う人いますよね」
と私が仲間意識を丸出しにして愚痴を言うと、おばさんは
「いるけど、私はそういう相手を睨みつけて、思いっきり言い返す。
 そうすると、そのうち相手が黙ってしまうよ」と笑った。
「鳩を蹴散らそうとする子供を見かけたときなんか、とっ捕まえてこんこんとお説教する。
 2、3歳の小さい子ならしょうがないけど、小学校高学年は許さないよ」

ま、まあ、なんてカッコイイのかしら~
びくびくしながらこっそりエサやりしている私とは格が違う。
まあそんな私も、猫を餌付けしているときに誰かが通りかかったら、
「邪魔立てすると容赦せぬぞ」というオーラを発しながら、怖い顔して背中を向けるたりするけど。
やはり、猫の方がハトより大事ですからね・・・

やがておばさんは、
「そろそろ帰るかな。じゃっ、また会いましょう!」
と爽やかに別れを告げ、自転車にひらりと跨って去っていった。

その後ろ姿を見送ってから、私は残りのパン屑を巻き、
缶チューハイを飲みつつ、すっかり暮れた空を眺めた。









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