外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

ロシアのシリア空爆をめぐるヌスラ戦線指導者の声明

2015-10-18 22:47:20 | 中東ニュース

今回は、シリア反体制派連合「ファタハ軍」に参加するアルカーイダ系「ヌスラ戦線」指導者、アブ・ムハンマド・ジューラーニが12日に発した声明の要旨を載せます。ちょっと時間経っちゃったけど。っていうか、手料理、猫、ハト、家庭栽培ときてヌスラ戦線って、なんなんだお前はってかんじですけど~

この声明は、ロシアによるシリア空爆に言及したもので、「ロシアの介入・・・最後の矢」という題名でヌスラ戦線公式サイト「マナーラ・バイダー」(「白い灯台」の意)で発表された。

YOUTUBEにアップされた録音音声
https://www.youtube.com/watch?v=duh1csQ_U6Q

レバノンのサフィール紙の関連記事(アラビア語)
http://assafir.com/Article/450204

ジューラーニ指導者に関するこのブログの以前の記事は以下の通り:
http://blog.goo.ne.jp/mendokusainoyo/e/30da85f51f18f08d19d3519d30eb1630

http://blog.goo.ne.jp/mendokusainoyo/e/f2c2c2fbd6304d18f89574b3b3978a69

ちなみに、私は別にヌスラ戦線の回し者じゃないんで、そこんとこよろしく!(当たり前や)


<声明の要旨>
シリア政府軍はジハード戦士たちに数々の敗北を喫して、その防衛能力は地に堕ち、攻撃はすべからく失敗に終わった。
イランやヒズボラの助太刀も虚しく、その運命は風前の灯であった。
それゆえ、アサド政権は大望を捨て、せめてダマスカス南部からラタキア北部にかけての小国を保守せんと企てた。
しかるに、さらなる攻撃を喰らって、それすら危うい事態と相成った。
残された領地を救わんと、使者が次々とイランに走った。

この状況はロシアにとっておあつらえ向きだった。
ウクライナでの揉め事のため制裁を受けるロシアが、欧米に圧力をかけて自らに有利な展開に持っていくため、シリア以上に好都合な切り札はなかったといえよう。
またロシアには、30年以上前に失われた国際社会での覇権を取り戻すという野望もあった。

ロシアの侵略の名目は、「アサド政権救済とISとの闘い」であったが、ISがアサド政権を脅かす存在ではないと、ロシアは重々承知していた。
IS支配地は、政権の主要な支配地と境を接していないからだ。
それゆえ、ロシアがISではなく反体制派「ファタハ軍」や政権支配地に迫る反体制派を攻撃したのは、驚くに当たらない。
ロシアはまた、平和だった村々までも空爆し、女性や子供たちを殺害した。
犯罪者アサドの政権がこれまでやってきたのと同じように。

ロシアは多少の空爆や砲撃でアサド政権を救えると、真剣に信じているのか?
政権の温存に足りぬものは、本当にそれだけなのか?

ロシアの侵略の理由が数多いことに、疑念の余地はない。
未だ詳らかにはされていないが、いずれ白日の下に晒されるだろう。

ロシアの侵略はアサド政権が持つ矢筒の最後の矢となるだろう。
その攻撃は無秩序にして不正確、敗北の兆しは初めから見えている。

国連特使による政治的解決策は、スンニー派の人々を欺き弱体化させるものだ。
欧米の利益を保証し、イスラエルの安全を確保する内容だ。
ジハード戦士たちには、戦って勝利を得る以外の道はない。

シリアの戦闘はすでに、最終段階に入った。
ムスリムの血が無駄に流れぬよう、皆が用意せねばならない。
全てのジハード戦士が、あらゆる戦線で総動員態勢に入らねばならない。
特に、ラタキアのアラウィー派の村々への攻撃を強化し、毎日ミサイル数百発を打ち込む必要がある。
スンニー派の村々に奴らが行っているのと同じように。
但し、奴らがスンニー派地域への攻撃をやめたら、我々も攻撃を止めるだろう。

ある国は「アサドを残そう」と言い、別の国は「いや排除すべきだ」と主張し、さらに別の国は「一定期間残した後に排除する」とした。
しかし、アサドは殺されるべきなのだ。
毒は蛇の頭にあるというではないか。

アサドを殺した者には300万ユーロ、ヒズボラ書記長ナスラッラーを殺した者には200万ユーロの褒賞金を与える。
仮に奴らの一味であったしても、身の安全を保証して望みの地に送り届ける。

コーカサスの国々のジハード戦士たちよ、
ロシアがシリアの一般市民を殺したならがロシアの一般市民を、戦闘員を殺したならば兵士を殺せ。
目には目を、歯に歯を。


(終わり)
後半はジハードへの呼びかけ等だったので、省略した。
全体に武士っぽい名文調で訳したかったのだが、実力不足のため中途半端で終わったのが痛恨だ。

この記事を書くために、録音音声を何度も繰り返し聴いたのだが、聴けば聴くほどその発音と文章の美しさのトリコになってしまった。ああ、うっとり~・・・はっ、これはもしや洗脳効果?



<おまけのネコ写真>
以前載せた写真を再掲~

私が勝手に選んだアブ・ムハンマド・ジューラーニのイメージキャット
アンマンで住んでいたアパートの庭によく出没していた「ストみけ」(=ストーカーっぽい三毛猫)










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