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外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(24)~フィレンツェ2日目後半・夕食編~

2020-08-29 17:41:27 | イタリア

 

 

フィレンツェ滞在2日目の後半。友人宅に戻って昼寝した後、夕方また出かけて別の日本人の友人と夕食をとった。

 

 

黄昏時のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。この広場は、私にとっては鳩スポット。

 

 

友人とは、お店で直接会うことになっていた。中央駅の近くのリストランテで、彼女の友人が厨房で働いているとのことだった。オーナーはモロッコ人だという。店主がモロッコ人で料理人が日本人のイタリア料理店・・・謎だらけだ。

 

この「リストランテ・ベルコーレ」(Ristorante Belcore)という店だ。

https://www.ristorantebelcore.it/

 

(トリップアドバイザーはこちら

 

 

少し早めに着いたのだが、とてもシックで高級そうなお店だったので、普段サイゼリヤ、日高屋クラスの低価格の店にしか行かない私は少し腰が引けて、周辺のハラル食材店(やはりモロッコ人経営)を冷かしたりして心を落ち着けてから、ようやく入店した。友人も間もなく到着した。

 

こんな立派なお店、久しぶりに入った・・・(下の2枚はトリップアドバイザーから拝借した写真)

 

 

モロッコ人の店主は、話しやすくて物腰の柔らかい上品な紳士で、私がアラビア語で話しかけたら驚いていた。お酒が好きだそうで、ワインも食前酒・食後酒も色々取り揃えてあった。私はあまり空腹ではなかったので、前菜のトスカーナ産のサラミ・生ハム・ペコリーノチーズの盛り合わせのみを頼み、ワインを2杯、食後酒を2種類飲んだ。友人はプリモとドルチェを食べた。

 

日本語メニュー。照明が控えめで、カメラも技術も問題ありなので、ぼやけた写真しか撮れず。

 

 

私が食べた前菜盛り合わせ。

 

 

サラミもハムもチーズも、どれも美味しかった。久しぶりに食べたフィノッキオーナ(フェンネルシード入りのトスカーナ特産のサラミ)が美味しく感じられたような気がするが、時間が経った上、この猛暑で脳細胞がいっぱい死滅したからもうよく覚えていない。

 

 

友人が食べたプリモ(1皿目)。トスカーナの郷土料理、トマト味のパン粥「パッパ・アル・ポモドーロ」かな?(いや、リゾットかも)

 

 

ちなみに、パッパ・アル・ポモドーロのレシピはこちら。作ったことないけど、この料理は結構好きだ。

 

 

ラヴィオリ

 

 

ドルチェ(デザート)。多分クレーム・ブリュレのフルーツ添え

 

 

他で見かけたことのない食後酒があったので、頼んでみた。

 

 

「アンティーコ・アマーロ・ディ・フィレンツェ」という、フィレンツェのメーカーの製品。ちなみに「アマーロ(amaro)」は「苦い」という意味なので、当然味は苦めで、薬草の風味がついている。養命酒が好きな人は好きだと思う(おるんか)。

 

 

お勘定は太っ腹な友人が払ってくれた。この御恩は当分忘れませんぜ。

 

 

店を出た後、レプッブリカ広場近くのパラッツォ・ストロッツィ辺りのバールでさらに1~2杯飲み、帰宅してからも友人とお喋りしながらさらにプロセッコ(ヴェネト州産の発泡ワイン、美味しい)を開けて飲んでしまい、酔っ払ってシャワーも浴びずに寝てしまった。酒はほどほどにしなくては・・・

 

パラッツォ・ストロッツィは左の歴史的建物。よく展覧会をやっている。

 

 

(続く)

 

 

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2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(23)~フィレンツェ2日目前半・チェントロ散策編~

2020-08-16 17:03:46 | イタリア

 

日本は8月に入ってから毎日危険な暑さだが、皆様いかがお過ごしだろうか。私はへにゃへにゃで、ぼわぼわで、ごろりごろりな状態だ(頭が働かないからまともに説明できない)。7月はあんなに寒い日が続いていたのに、どうして8月に入ったとたんに灼熱地獄になったのか。よくわからないが、きっと何もかもコロニャが悪いんだ・・・

 

猛暑日が続くと、大昔に見た宇宙戦艦ヤマトのワンシーンを思い出す。「太陽の核融合が異常増進して、地球の気温が上昇し続け、普通の暮らしが出来なくなって人類が危機に陥る」というような話だ。

当時、この話の映像をテレビで見て心底怯えたものだが、今けっこうそんな感じかも。

 

 

といいつつ、去年の旅行記を早く終わらせたいので、気力をギュギュっと振り絞って続きを書く。私って、なんてエライんだ・・・(普通や)

 

 

前置きが長くなったが、今回はフィレンツェ滞在2日目の話。この日はチェントロ(中心部の歴史的地区)を散策して過ごし、夜は友人と会って夕食を共にした。

 

 

まず、朝10時半頃に友人宅を出て、携帯のSIMカード(WINDで25ユーロだった。高い…)や市バスのチケットを買ったりしながら、シニョリーア広場、レプッブリカ(共和国)広場、そしてサン・ロレンツォに向かい、中央市場(メルカート・チェントラーレ)をうろうろ歩き回ってから、付近の店で昼食を取った。

 

 

イタリアのハトさんたち、おはようございます。ハトはどこの国でも、見かけも行動も同じで安心感がある。

 

 

バスのチケットを買った店。お菓子や蜂蜜、コーヒーなど様々なものが売られている。その辺にある普通の商店なのに、品物のディスプレイの美的レベルが高い。さすが芸術の国。

 

 

「JOHN BORNO」という名のバール。挨拶の「BUONGIORNO」をもじったのだろう。

 

 

パラッツォ・ヴェッキオ(=ヴェッキオ宮殿、フィレンツェ市役所)の塔が見える。

 

 

私が住んでいた当時(10年以上前)からずっと、怪しいフォントの日本語の看板が出ている両替屋さん。その時々によって数字だけ変わる。

 

 

シニョリーア広場。木のオブジェが出来ていた。

 

 

パラッツォ・ヴェッキオの入口の正面右側にある「ヘラクレスとカークス」像。左側にあるダビデ像の方がずっと有名だが、写真を撮り忘れた。

ヘラクレスが怪物のカークスを押さえつけてるところらしいが、一番下の四天王に踏まれてる邪鬼みたいな動物たちがきのどく。

 

 

近づきすぎて上手く撮れなかったパラッツォ・ヴェッキオ。こんな市役所、なかなかないよね。

 

 

ロッジア・ディ・ランツィ(ランツィの柱廊)、いつも観光客でいっぱい。でも今はコロニャのせいで空いてそう。

 

 

ネプチューン像

 

 

シニョリーア広場からすぐ近くのレプッブリカ広場に向かう途中、オルサンミケーレ教会の外側の「やっとこの聖人」像に挨拶する。

 

私「お久しぶりです。相変わらずドヤ顔でいらっしゃいますね」 聖人「・・・(なんやこいつ)」

 

背景にやっとこが描かれているので私は「やっとこの聖人」と呼んでいるのだが、本当の名前は「聖エリージョ」(Sant'Eligio )で、蹄鉄工と貴金属細工師の守護聖人らしい。

 

 

メルカート・ヌオーヴォ(新市場)のイノシシ像、通称「Porcellino (ポルチェッリーノ )=こぶた」の前には行列が出来ていた。

 

長年ナデナデされ続けてお鼻がツルピカだが、あまり嬉しくなさそうな顔。なでると縁起がいいらしい。トレヴィの泉的に口の中にコインを入れたりもするようだが、私はやったことがない。(参考

 

 

イノシシ君の背後にあるのは、フィレンツェ名物トリッパ・ランプレドットの屋台

 

 

トリッパもランプレドットも牛の胃袋(第2胃と第4胃)の細切りを煮たものだが(参考)、私はより脂っこいトリッパ派で(ランプレドット派の友人もいる)、この屋台では使い捨て容器に煮汁のトマトソースごとトリッパを入れてパンを添えたものを買い、プラスチックのコップに入った安物の赤ワインを飲みながら食べるのが常だった。そして、パンとトリッパをハトにおすそ分けしながら食べるのが好きだった。フィレンツェのハトはトリッパも食べるのだ。

 

 

レプッブリカ(共和国)広場。あのメリーゴーランドにいつか乗ってみたいと思いつつ、気恥ずかしくてなかなか乗れない。

 

 

広場に面した柱廊では、毎週(何曜日だったか忘れた)植木市をやっている。

 

かつてエディソン書店(以前のブログ記事)があったところに、フェルトリネッリの書店が入っている。

 

 

駅の構内の店舗といい、レプッブリカ広場のここといい、フェルトリネッリはフィレンツェの(イタリアの?)書店界を制したのだろうか。

 

 

書店の中には、広いカフェスペースがあり、食品の販売コーナーもある。本を売るだけではやっていけないのだろう。

 

 

広場に面した老舗のバール、パスコフスキー。1903年にポーランド人の家族がビアホールとして始めた店らしい。(ウィキペディアの情報

 

 

格調高いインテリアの中で、この星座のくっついた壁時計が微妙に浮いている気がするのは私だけだろうか。

 

こういうおじさま方が飲み物を用意してくれる。

 

カプチーノ 珍しく酒以外のものを飲む私。 

 

 

レプッブリカ広場から歩いてすぐのところに八角形のサン・ジョヴァンニ洗礼堂、そしてフィレンツェのシンボルのドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)がある。

 

ドゥオーモ様、いつもお美しいですね。

 

 

わざわざ観光スポットを回っていたわけではないのだが、フィレンツェの観光名所は狭い範囲にギュギュっと集まっているので、チェントロを歩いてるだけで観光地巡りのようになってしまうのだ。

 

 

ドゥオーモを通り過ぎて、サン・ロレンツォのメルカート・チェントラーレ(中央市場)に行くことにした。

 

 

途中にある紙類のお店「イル・パピロ」 とってもステキなものが高値で売られている。

 

 

中央市場を取り巻く革製品の屋台。コロニャのせいで、今は市場の中の店も周辺の屋台も大半が閉まっているようだ。

 

 

中央市場の中に入って、お店を見物する。

 

 

チーズや生ハムのお店

 

お肉屋さん。サルシッチャ(生ソーセージ)や串焼き用の肉なども売られている。

 

ドライのキノコやトマト

 

野菜がでかい

 

ズッキーニの花は、モッツァレッラチーズとアンチョビを詰めて揚げることが多い

 

魚屋さんが並ぶ一角もあり、鰻が売られているのを見たこともある。

 

 

あ~、買いたいものがいっぱい・・・(なぜ買わない)

 

 

大して歩いていないわりにお腹が減ったので、市場の外にある切り売りピザとフォカッチャサンドの店「BONDI」で昼食を取った。安くて美味しいので、かつて時々食べに行っていた店だ。

 

 

ランチタイムを外れていたせいか、いつになく空いていた。

 

 

この店はピザやフォカッチャの具のバリエーションが豊富なのだが、私は毎回サルシッチャのピザを食べ、生ビールを飲んでいる。合わせて4.5ユーロ。ピザはふかふかのパン生地のもの。切り売りのピザによくあるタイプだ。

 

 

食後は中央駅に向かった。中央市場から歩いてすぐだ。

 

 

通りかかった駅のそばのバールのウインドウ。サンドイッチが4ユーロ(約500円)もする。フィレンツェは物価が高いなあ・・・

 

 

駅の地下の商店街は、改装されて小綺麗になっていた。

 

 

改装前からあって、駅に用事がある時によく寄っていたバールで赤ワインを一杯飲む。1.5ユーロで、立ち飲みでも座って飲んでも同じ値段。座ると席料がかかって値段が倍になったりする店は多いが、こういうカジュアルな店はその限りではない。

 

 

この後、駅構内のフェルトリネッリで本を買ってから、バスで友人宅に戻って昼寝した。

 

 

(続く)

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2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(22)~トルコからイタリアに移動~

2020-08-10 09:32:25 | イタリア

 

今回は旅行記の続き。トルコのイスタンブールからイタリアのフィレンツェに移動した日の話だ。

 

イタリアではまずフィレンツェに5泊して、友人に会ったり散歩したりしてのんびり過ごし、それから南に移動して今まで行ったことがなかったバジリカータ州を3泊で旅し、最終的にローマから帰国する予定だった。

 

重い荷物を抱えて国から国へと飛行機で移動するのは、体力も気力も足りない私にとって大変な重労働だ。もう年ですしね。貧乏性(っていうか、貧乏)なので、つい1回の旅行でまとめて3か国回ったりしてしまうが、今後はせいぜい2か国までにしようと心の中で誓う。ほとぼり冷めたら、またやってしまいそうだが。

 

この日は、3時間睡眠で朝8時になんとか起床し、荷造りしてホテルをチェックアウトした。トラムとフェリーを乗り継いでアジア側のカドゥキョイに出て、サビハ・ギョクチェン空港行きのバスに乗る。

 

イスタンブル・カルトゥ(交通系カード)を多めにチャージしたので、ちょっと贅沢して空港バス「HAVABUS」(ハワブス)に乗ろうと思ったが(といっても14TL=約200円)、乗ろうとしたバスのカード読み取り機が壊れていて、現金じゃないと乗れないと言われ、手持ちのトルコリラが足りなかったので断念。代わりに路線バスに乗ることにした。

 

カドゥキョイから出ている空港行きの路線バスは複数あるが、私が乗ったのはE-10。7TLなので、空港バスの半額だ(でも差額はあくまで100円)。幸い座れて、1時間半足らずで空港に着いた。路線バスとはいえ、空港の建物入口まで行ってくれるので便利だ。

 

E10の市バス。E11もサビハ・ギョクチェン空港に行く。スーツケースは車内に持ち込む。よっこいしょ~

 

 

今回利用したのはトルコのICC、ペガサス航空のボローニャ行きだ。私はトルコとイタリアの間を移動する時、いつもペガサス航空を利用していたのだが、今年2月に同社の旅客機がサビハ・ギョクチェン空港に着陸する際に事故を起こし、乗員乗客183人中3人が死亡して179人が負傷する事件があり(参考)、その安全性に疑問を抱くようになった。この事故の約1週間後には、ウィーン・イスタンブール線の機長が飛行中に意識を無くし、副操縦士が着陸の操作を代行して事なきを得るという事件もあった。また、2018年1月には同社の機体がトラブゾン空港で着陸に失敗し、あやうく黒海に落下するところだった(死傷者はなし)。いくら安くても、ペガサスには今後はもう乗らないと思う。

 

今年2月5日の事故の写真。機体が3つに折れていた。同じ日に南東部ワン県で雪崩があり、前日の雪崩の死者と合わせて計38人が亡くなった。

 

 

閑話休題。話を2019年9月の私の旅に戻そう。

 

ペガサスはICCなので、機内食やドリンクは有料でやや割高だ。このため、搭乗前に空港の売店でエフェスビールを買ったのだが(ドルで)、500ml入りの缶が45TL(約650円)もした。通常価格の3倍以上だ。うう、買ってこればよかった。でも荷物が増える・・・

 

予定より少し遅れて出発した機内で、有料の機内食を盛大に食べるトルコ人のビジネスマンとキットカットを齧るバカンス帰りらしいイタリア人のお父さんの間に挟まれて、持参したサンドイッチを食べ、エフェスを飲む。サンドイッチはトラムに乗る前に売店で買ったもので、トマト、レタス、牛肉のハラールソーセージが挟まっていた。やはりトルコのパンは美味しい。ソーセージはハラーム(豚)のやつの方が好きだが、イタリアでいくらでも食べられるから、まあいいさ。

 

食後は二度寝タイム。熟睡しているうちに、2時間半ほどで着いた。出発は遅れたが、到着はほぼ時間通りだった。トルコとの時差は1時間。時計を1時間分戻すことになる。

 

ボローニャ空港に入り、他の非EU圏からの外国人たちと共に混雑した入国手続きの列に並んでいると、係員の男性に「日本人はこっち。こっちの方が早く済むから」と言われ、行列が出来ていない方のレーンに連行された。パスポートにICチップが搭載されている国の人用のレーンだ。こんなシステムになっていたとは・・・おかげで、並ばずにスムーズに入国できた。

 

 

空港のバールでカッフェ・マッキアート(スチームミルクを少し垂らしたエスプレッソ)を飲んだ。流れたミルクの形で占いが出来そう。

 

 

空港内のATMでお金をおろし、無料のWi-Fiを利用して泊めてもらう予定のフィレンツェの友人に連絡してから、ボローニャ中央駅行きのバス(AEROBUS)に乗った。バスのチケットは6ユーロ(約750円、1ユーロは現在約125円)で、空港で買える。駅までは20~30分だ。バスのチケット代を払いながら、チュニジアよりもトルコよりもずっと物価の高い国に来たことを実感する。

 

駅に着いたら、自販機でフィレンツェ行きのインターシティーのチケットを買い(14ユーロ)、Wi-Fiのあるバールでまたカフェを飲み、再度友人に連絡してからホームに向かう。

 

ボローニャ中央駅

 

 

ここにチケットを差し込んで、日付を刻印する必要がある。ネットで購入したEチケットは既に乗車日時が入っているので刻印不要。

 

 

ユーロスターより割安のインターシティーではあるが、けっこう快適だ。

 

 

1時間ほどでフィレンツェ・リフレディ駅に着いた。フィレンツェ・サンタマリア・ノヴェッラ駅(中央駅)に行くには、別のホームのローカル線に乗り換えねばならない。スーツケースを抱えて階段を下りていたら、後ろから登場した屈強な中年男性に「運んであげますよ」と言われて奪われそうになったが、後で代金を請求される気配を感じたので、断って自分で運んだ。イタリアはトルコやチュニジアではないので、相手を見て親切な人か下心のある人かを判断する必要がある。ちなみに、これがナポリだったら、相手が誰であろうが即座に断っていたところだ。君子危うきに近寄らずだ。別に君子じゃないが。

 

州をまたぐ特急と各停のローカル列車が連絡しているのか、乗り換えはスムーズに行き、間もなくフィレンツェ中央駅に着いた。

 

車窓からドゥオーモが見えると、「ああ、帰ってきた」と思う。

 

 

フィレンツェ中央駅

 

なんと敷地内にデーツがあって、実がなっていた。考えてみれば、地中海沿岸の国だから当たり前か。

 

電車のホームの出入り口にセキュリティー・ゲートが設置されていた。物乞いやスリ対策らしい。

 


駅構内にフェルトリネッリ(Feltrinelli)の書店が出来て、繁盛していた。かなり広いスペースを占めていて、バールもある。

 

 

友人宅には、駅のそばの停留所からATAFが運営する市バスに乗っていく。ATAF(アタフ)とは、「Azienda Trasporti dell'Area Fiorentina」(フィレンツェエリア運輸会社)の略。フィレンツェで暮らしていた当時、毎日お世話になったものだ。ショーペロ(スト)が多くて閉口したが、ストは労働者の権利だからしょうがない。

 

バスのチケットは、以前とは違って駅構内のタバッキ(煙草を置いている売店)では買えなかったので、外に出て自販機で購入。1枚1.5ユーロになっていた(90分有効)。

 

駅の外側にあったバスの券売機。意外なことに、ちゃんと機能していた。しかも日本語もある。

 

 

駅前にトラムの路線が通ったせいか、バス停の場所も少し変わっていたので、観光案内所などに尋ねてたどり着く。ほんの2,3年ご無沙汰していただけなのに、色々変わっていて戸惑う。

 

トラム

 

 

友人は家で待ってくれていた。お土産を渡して、再会を喜び合う。彼女は私の「フィレンツェ特派員」である。

 

夕食前に近所のスーパー「コナド」で少し買物をする。さすがイタリアのスーパー、ハラームな豚のハムやソーセージがいっぱいある。ワインも安い。うっとり・・・

 

2~3ユーロでまともなイタリアワインが買える。

 

 

夕食も、夕食用のワインも、友人が用意してくれていた。心のこもった手料理で、旅の疲れが軽くなる気がした。トルコではテイクアウトで済ませてばかりで、あまりしっかりと食事をとっていなかったから、なおさらだ。イタリアで知り合った日本人の友人はグルメで料理上手な人が多いが、彼女もその1人。

 

プリモ(1皿目)は鴨肉のラグーのペンネ。本格的で肉が柔らかく、塩加減もちょうどいい。ペンネは当然アルデンテだ。



 

セコンド(2皿目)は牛肉のバター・レモンソテー。カラフルなサラダ付き。写真は失敗・・・

薄い牛肉に小麦粉をはたいて、バターを溶かしたフライパンでソテーし、塩胡椒、レモン汁で味付けしたもの。

 

お土産のシミット(トルコのごまパン)も食卓へ

 

 

料理もワインも全て美味しかった。プリモとセコンドが出る食事は久しぶりだ。近況を色々報告し合いながらゆっくり食事する。友人は「疲れてるでしょう」と言って、後片付けも全部やってくれた。お言葉に甘えて、シャワーを浴びて早めに休むことにした。長い一日だった・・・

 

 

(続く)

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規制緩和中のイタリア~フィレンツェ特派員からの写真(2)~

2020-06-22 20:01:05 | イタリア

 

 

今回はフィレンツェの友人(=特派員)から最近届いた写真をご紹介する。(前回の記事はこちら) 

 

5月4日にロックダウンの規制緩和を段階的に開始したイタリア。6月3日にはEU諸国やその他のシェンゲン協定加盟国、英国等からの入国制限が撤廃されて14日間の自己隔離の義務がなくなり、国内での州間移動の制限も解除された。(参考

 

まだ感染状況が完全に収まってはいないのに、大丈夫なのかと心配になるが、夏のバカンスシーズンを前に観光客を少しでも呼び戻そうと必死なのだろう。観光産業の立て直しはイタリア経済にとって死活問題だもんね。

 

最近はフィレンツェのチェントロ(歴史的な中心地区)で、夜に地元の若者たちがあちこちのパブのオープンテラスに集まって、和やかにおしゃべりに興じている様子が見られるとのことだ。観光客がいないから街は歩きやすいし、お店も混まず、地元住民にとっては前より暮らしやすい面もあるのだろう。観光客不在のため閉まっているお店も多く、先行きが不安な面の方が大きいだろうが。

 

 

レプッブリカ(共和国)広場。それなりに賑わっている様子。

 

 

チェントロの劇場「テアトロ・ヴェルディ」は、19~20日に久々にコンサートを開いたらしい。

 

 

このコンサートでトスカーナ管弦楽団を指揮したのは、俳優みたいな外見の若手のダニエーレ・ルスティオーニ氏。ベートーベンの交響曲第3番(op.55)をやるって書いてあるけど、これって「英雄」ってやつかな?クラシック音楽には暗くて、よくわからないが・・・通し券を持っている人と、キャンセルになったコンサートのチケット代金の返金を受けずに寄付した人を招待して開かれたという。

 

 

 

 

 

ポスターには、「#stiamotornando(私たちは戻りつつあります)」というハッシュタグを添えて、「こんなに何か月も練習した後だから、どんなすごいコンサートになることか!」等と書かれている。期待させるね~

 

 

ダニー君(勝手にあだ名付けた)、来日してたんですね。オペラ界のプリンスと呼ばれてるんだ~

 

 

友人が見つけてくれた彼のインタビュー記事(日本語)

https://www.tmso.or.jp/j/archives/special_contents/2018/20180604/?fbclid=IwAR2yhPfUA7UzmxiSWWuv7-DkzoTv74nblH55aGCc8dURVpsuRgTZ6TSSYl8

 

 

(おまけ)

トスカーナの夏の郷土料理「パンツァネッラ」(panzanella)のレシピ動画

 

 

固くなったトスカーナパンを水に浸してから絞って、適当な大きさに切ったキュウリ・紫玉ねぎ・トマト・バジリコと混ぜて、白ワインビネガー(赤でもいいと思う)、塩胡椒、オリーブオイルで味付けしたサラダ。トスカーナパンがなければ(日本で見たことない)カンパーニュやバゲット等でもいいと思が、食パンはお勧めできない。「濡れたパンなんか食えるか!」って方は、パンではなくて茹でた米を入れるといいかも。「インサラータ・ディ・リーゾ」(insalata di riso=ライスサラダ)という別の料理になってしまうが。パンツァネッラは材料が決まっているが、インサラータ・ディ・リーゾの方は、具は何でもいいようなので、冷蔵庫の余り物をフリーダムに投入しても、イタリア人に激怒されることはないだろう。

 

(終わり)

 

 

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規制緩和中のイタリア~フィレンツェ特派員からの写真~

2020-05-28 08:17:32 | イタリア

 

今回は旅行記を1回休みにして、最近フィレンツェから届いた写真をお届けする。

 

イタリアでは、2月下旬にコロニャ(新型コロナウイルス)感染拡大の中心地である北部の封鎖が始まり、3月9日の夜にコンテ首相が発表した政令で封鎖措置が全土に拡大された。長いロックダウンを経て、5月4日にようやく規制緩和が開始し、段階的に外出や出勤、商店・飲食店等の営業が許されるようになってきている。しかし、死者や新規感染者数の減り方は緩やかで、政府も規制緩和に慎重な態度を崩していないため、コロニャ登場以前の日常生活に近い状態に戻るには、まだまだ時間がかかりそう。

 

ともあれ、ソーシャルディスタンスの確保・マスク着用等の厳格な規則、そして感染への不安はあるにしても、食料品・医薬品等の必需品の買い物以外はずっと家に籠っていなければならなかった時に比べれば、今は州内であれば自己申告書なしで外出できるし、18日からはリストランテやバールなども開き始め、人々が感じる閉塞感はずいぶん和らいでいることだろう。経済的問題は別として・・・

 

フィレンツェでは最近、自転車に乗っている人が増えたと聞く。車が入れないチェントロ・ストーリコ(歴史的中心地区、旧市街)などに少し離れた地域から出向く時、以前はバスやトラムを使う人が多かったが、今は公共交通機関はなるべく避けたいと考える人が多いのだろう。運動にもなって一石二鳥だし。フィレンツェはこじんまりした街なので、自転車があれば一通り回れるのだ。

 

以前、封鎖が始まった当初のフィレンツェのチェントロの様子を教えてくれた友人(=私のフィレンツェ特派員)が、最近散歩した時に撮った写真を送ってくれたので、ご紹介しよう。(前回送ってもらった写真はこちら

 

規制緩和を受けて営業を再開した百貨店「Rinascente(リナッシェンテ)」(ホームページ) 

"La Normalita' e' la Nuova Bellezza"

「普通の生活は新たな感動だ」と書いてある(意訳)。

そもそも店名の「Rinascente」が「再生する、生まれ変わる」という意味であることを思うと、余計に感慨深い。まあ、私にとっては、ここはフィレンツェのトイレスポットなんだが。最上階のキレイなトイレが無料で使えるので・・・この案内記事にもトイレスポットだと書いてあるので、日本人の間では有名なのだろう。私も日本人の友達に教えてもらったのだ。

 

これは、H&Mのファッションブランド「COS」の店舗。日本にもあるらしいが、お洒落に無縁のあっしには関りのねえことでござんす…

"Siamo Aperti

Ci Siete Mancati"

「開店しています。

あなたたちに会いたかったよ」

 

 

 

"Siamo Cosi' Felici di Vederti"

"Grazie Per l'Attesa"

「あなたに会えて本当に嬉しいです」

「待っていてくれてありがとう」

 

 

"Ben Tornati!"

「お帰りなさい!」

 

 

どれも簡潔で短いメッセージでありながら、開店できる日を待ち焦がれていたお店の人たちの気持ちが真っすぐに伝わって来て、心を動かされる。さすがイタリア人、表現力が豊かだ。

 

 

ここはテイクアウトをやっている小さなパブ

 

店の前で並んで待つお客さん用の印が5つ付いていて、3番目の印には

" 3  Sei Sul Podio"

「3  表彰台に乗ったよ」

と書かれているらしい(薄くて読みにくいが)。

オリンピックなどで1~3位の選手がメダルをもらうために立つあの台だ。3位ってことだな、ふっ。

 

 

シニョリーア広場

 

パラッツォ・ヴェッキオ(ヴェッキオ宮殿、市役所)に面し、ドゥオーモやウッフィツィ美術館、ポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)等が至近距離にあるため、年中観光客で賑わっているこの広場も、今は閑散としているようだ。リストランテやバール等も、地元の住民が通うところはぼちぼち開店しているらしいが、こういった観光スポットの店は開けても客が見込めないため、閉めたままのところが多いそうだ。シニョリーア広場に面した店で営業を再開したのはホットチョコレートで有名な老舗のバール「リヴォワール」だけだという。(お店のホームページはこちら

 

ネットから拝借した写真。リヴォワール、入った記憶がない。覚えてないだけかもしれないが。記憶力がヤバいからな・・・

 

 

次にフィレンツェに行った時は、リヴォワールに入ってみようっと。いつ行けるようになるだろうか・・・スペインは7月から外国人観光客を受け入れ、入国者の2週間の検疫義務を解除するそうだから(こちらを参照)、イタリアも今年中には行けるようになるかな?

 

”Speriamo!"

「そうなればいいな!」

 

 

リヴォワールを扱った記事。1番目に載っている「Gilli(ジッリ)」はまだ閉店中の模様。

https://tabicoffret.com/article/73933/index.html

 

ジッリのホームページ

https://caffegilli.com/en/

 

 

ジッリでアペリティーヴォ(食前酒)飲みたいな・・・行きたい店のリストが長くなりそう。

 

 

(終わり)

 

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