The Exiled Realm of Arborea (TERA) 自分メモ

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[TIG]10月12日 文化的ローカライズでTERAの楽しさを伝える

2010年10月17日 | Game Portal Site
ニュースセンター                           

                                                                                                                                      2010/10/12 13:51:04


"文化的ローカライズでテラの楽しさを伝える"

ブルーホールスタジオ TERAローカルチーム4人組のインタビュー

                                                                                                                                      チョン・ウチョル記者

国産オンラインゲームの売上が海外で占める割合は非常に高い。
しかし海外サービスをするということは、サーバーとクライアントをパートナーに渡すだけでは終わらない。
その国のユーザー達がゲームに違和感を感じずにゲームができるように誘導する、ローカリゼーションプロセス(ローカライズするための作業プロセス)が残っているからだ。

ローカライズは通常、その国のパブリッシャーが100%担当するのが一般的である。
しかし国内にもローカライズ作業を引き受けて処理するチームがある。
現在、北米・ヨーロッパ・日本への輸出が確定したブルーホールの<TERA>のローカライズチームである。
これらはハングルで書かれたテキストを、現地の言語に翻訳する仕事を担当する。

ゲームを楽しむのに国境が崩れたのは、もうずいぶん前の話だ。
そして多くの国産オンラインゲームが海外進出を準備している。
そんな中、グローバルプロデュースのためにブルーホールで組織されたローカルチームは、国内メーカーでは見るのが難しいチーム。
グローバルな商品化を担当する方達、4人組にお会いした。 /THIS IS GAME チョン・ウチョル記者
                                                                             


左からイ・ヒス チーム長、キム・ヨングァン(北米)、ジャン・ソンジュ(ドイツ)、チェ・ヒヨン(日本)マネージャー。


■ハングル化ではない海外ローカライズ業務

TIG : 一般的にローカライズチームなら外国語をハングルに翻訳すると理解しています。
一方、、ブルーホールローカライズチームはその逆の仕事を担当しているとお聞きしました。
どのようなチームなのか紹介をお願いします。


イ・ヒス チーム長(上記写真) : ローカライゼーションという用語自体が相対的な概念です。
外国ゲームを国内に持ってきた時はハングル化されています。

しかし、その逆の立場で理解すれば簡単です。
一応 "国内ローカライズチーム" という表現よりも、 "海外ローカライズチーム"という表現が正しいと思います。

チームには英語2人、そしてドイツ語と日本語担当者が各1人ずついます。
現在、私たち4人が各国のローカライズを担当しています。

TIG : 通常、ローカライズのために該当する国の言語はもちろん、文化を完全に理解する現地の人が引き受ける場合が多いです。
国内でローカライズ作業をするのに問題はありませんか?

イ・ヒス : 良い事例として北米バージョンを挙げることができます。
一旦、私たちが1次的に草案を作成し北米支社に渡せば、現地でこれを基にローカライズ作業を実施します。
北米支社エン メッセ(EN MASSE)では草案を修正する別のチームを運営中です。

現地チームで私たちの1次作業物を再修正します。
ヨーロッパと日本の場合、地元パブリッシャーがその作業を引き受けます。
この過程で2次結果が出来てきて、これを検討/編集作業を経ます。


TERAの英語バージョンは現地でD&D(ダンジョン&ドラゴンズ)作家出身のチームが再構成をサポートしている。



キム・ヨングァン代理(北米担当) : 付け加えるなら英語バージョンはストーリーをとても重要視します。
西洋のユーザーはゲームストーリーをひとつのコンテンツとして受け入れています。
そのため、ストーリーの理解を深めてもらうために詳細な作業を進めています。

例えば単純なテキストだけではなく、バックストーリーやキャラクターなどの周辺情報まで一緒に提供する方式です。
この他には難しいとか不便な内容は今のところありません。

ローカライズ作業では常時発生している文化的な衝突に対する指摘と、これを報告することが作業の大部分です。

TIG : 現地の方で無い人がローカライズ監修を担当している場合、果たして文化的な側面もきちんと考慮したのだろうかという懸念があります。
実際、ドイツGAMES.COMで披露されたTERAは、単純な翻訳レベルという意見がありました。

イ・ヒス : 今年、GAMES.COMで披露されたドイツ語バージョンは、パブリッシング契約や展示会参加決定まで、非常に差し迫ったスケジュールで進行されました。
そのような事で文化的にローカライズを経ていない翻訳レベルだったのも事実です。
ドイツ語は文法が複雑なので更に多くの神経を遣っています。

私たちが監修していますが、最終決定はブルーホールと現地パブリッシャー双方に満足してもらわなければならない。
どちらか一方でも不満があれば、クライアントには適用されません。
ヨーロッパパブリッシャーのフロッグスター(FrogSter)は、短い時間の中でドイツ語バージョンを披露したことは驚くべきことだ、という反応を見せました。


ドイツ語バージョンの場合は文法の複雑さから作業量が更に多いという。


■単純な翻訳ではなく、文化を理解したローカライズ

TIG : 各地域のローカライズ作業で注意事項があったとすれば何ですか?

チェ・ヒヨン(日本担当) : ゲームに「人食い人種の巣窟」という地域が存在します。
日本ではこれを修正してくださいと要請しました。
全く思いもしなかった部分でしたが、日本では「人食い」という言葉が文化的タブーでした。

この様に文化的に合わない翻訳やコンテンツを修正するために、様々な事例を調査し慎重に準備しています。

ジャン・ソンジュ(ドイツ担当) : ドイツは第二次大戦以後、「民族」や「種族」という単語に敏感です。
ですが、オンラインゲームで種族は日常的に使われる単語です。
なのでドイツ語バージョンでは、「種族」および「民族」という単語を何に置き換えるのか調査中です。

イ・ヒス:北米バージョンでも同様の事例があります。
テキストではなく紋様でした。
ゲーム内にはダビデの星の紋様が含まれています。
しかし、この紋様はユダヤ系には反感を超えて敵意を表出させるコンテンツだ、との指摘がありました。
そのため北米バージョンではダビデの星を他の紋様に変えて作成した事があります。




TIG : 今までの話を聞いていると単純な作業ではなく、文化の違いを理解し、修正するのにかなり多くの神経を遣わなければならない様に見えますが。

イ・ヒス : その通りです。実際に文化的なローカライズに多くの神経を遣っています。
実際、テキストを翻訳する「ローカライズ」と文化を考慮した「文化化(enculturation)」を区別するのは、より曖昧だと言えます。

<TERA>のローカライズに単純翻訳は、可能な限り排除しています。
ゲーマー達が簡単に理解できるようなニュアンスを生かして変化させながら、その言語を使用しているユーザー達が文化的に簡単に接することができるようにコンテンツを整備しています。




TIG : アウトソーシング(外注作業)を介して草案を作成し、これを検収するものと理解すればよいのですか?

イ・ヒス : 北米ではアウトソーシングを行っています。
今まで登場したコンテンツだけ確かめてみると、約20万テキストに達しています。
<TERA>が完成した段階で見れば、約200万のテキストが出てくるものと予想されます。
ひとりで作業することは不可能です。
アウトソーシングによる結果を検収する事も重要な仕事です。


TIG : 検収過程でエピソードがあったら紹介してください。

ジャン・ソンジュ : 一般的に起きることではないのですが、ドイツバージョンでは何度かありました。
GAMES.COMの時にですが、ゲームをプレイしていると自然の美しい音が聞こえてくるというナレーションがあります。
この部分がドイツ語に翻訳された草案では、「自然の騒音」と翻訳されました。

国内では鳥のさえずり、水音などの美しい表現だったのが、現地ではこれを単純な自然でする音と理解したのです。
結果的に修正された部分ですが、このような表現の違いが多いです。
私たちは美しく表現したいことが、現地では硬い表現として捉えられてしまう。




チェ・ヒヨン : 日本の場合は漢字文化圏であるため、私たちと発音が似てる場合が多いんです。
代表的に「闘神の丘」と呼ばれる地域があり、国内では「戦いの神」という意味ですが、日本ではこれを「情熱を傾ける」という意味(投身)の名詞で翻訳しました。

私たちの意図は、勇猛さを表現する肯定的な印象の地域でしたが、日本では否定的な印象の地域に雰囲気が変わりました。
結局、元通りに修正したことがあります。
国内バージョンは感じを使用しますが、これを表記しないため誤解する場合もあります。




■東洋と西洋の文化の違いもローカライズ考慮対象

TIG : 最終的に単語選定などで言語の多様性だけに悩みが大きいということですか?

イ・ヒス : 韓国で使用されている用語は、現地で別の意味を持つ場合が多いです。
なので、この様な違いを探し出して、調整するという作業が重要です。
端的な例が「黎明の庭園」と呼ばれる地域です。
国内バージョンでは庭園の雰囲気を持った地域だったので名前を決めました。

しかし北米とヨーロッパでは島というイメージが強くて、結局「黎明の島(Island of Dawn)」という名前に差し替えました。
一方、日本では韓国と同じように「黎明の庭園」という名前を使用します。


日本語の場合は漢字を使用するので、発音と意味の表現に注意しなければならない。


TIG : これは東洋と西洋の文化の違いが大きいと思われます。

イ・ヒス : その通りです。北米とヨーロッパ バージョンでも、この様な部分をずっと探してみれば、(かなりの数の)NPCの名前が変わる場合もあります。
例えば、ポール(Paul)やボブ(Bob)のようなNPCは、我が国で当て嵌めればチョルスとヨンヒくらいの感じです。
結局、名前を変更する場合もあります(笑)

※チョルスとヨンヒは韓国のよくある名前です。


キム・ヨングァン : モンスターの名前も変更すれば良い、というフィードバックを沢山いただいております。
例えば序盤の地域に「フーカ(Hooka)」というモンスターがいます。
私たちが作り出した名前なので直訳して送った事があります。

しかし北米でフーカが売春婦という意味の隠語として使われていて、修正したことがあります。
このように現地文化に逆らわない名付けも必要です。



※画像内のモンスター名は바바후카:ババ フーカ(Baba Hooka)、후카 대장:フーカ隊長(Hooka Chieftain)、몽둥이 후카:棒(パドル) フーカ(Paddle Hooka?)という名前です。
 韓国語で몽둥이は棒の事で、詳しく書くと主に人や家畜を打つのに使う少し太く長い棒の事です。
 他の2体はFGTのスクリーンショットで名前を確認しましたが、棒フーカに関してはスクリーンショット撮っていなかったので、英語名称は不明です。


TIG : 名付けの他にストーリーもローカライズに合わせて修正されるのか知りたいのですが。

イ・ヒス : <TERA>はグローバルな商品として製作しています。
多くの言語圏で適用するためには、韓国に特化したコンテンツを直接適用することを避ける代わりに、これを再生する次元で使用しています。

反対に海外で、こんなストーリーが面白いというような提案が入ってくる場合もあります。
このような場合、現地では人気コンテンツであるにもかかわらず、韓国ではどんな内容なのか理解できない場合も多いです。

キム・ヨングァン : 具体的にはラブストーリーを挙げることができます。
愛というコンテンツが国境を超越しそうなのですが、それなりのテーマが存在します。
結局、欧米圏のラブストーリーは東洋圏の文化では、共感しにくい部分が多いのです。
このような違いをまず認識して作業しなければなりません。




TIG : ローカライズ作業のうち、どの言語が最も難しいと思いますか?

ジャン・ソンジュ : すべて大変ですがドイツ語の場合は文法上、単語の性別が区別されて単数と複数の問題など複雑な方です。
キャラクターの性別によってNPCの使う単語が違わなければならないし、NPCの性別によってキャラクターに話す単語も同様です。

ここではアイテムの名称にも性別を区別が入るのでパターン数が多くなります。
結果的にひとつのセリフをローカライズするために、最低4つのバージョンが出てくるわけです。

例えば、男性NPCが女性キャラクターに返す言葉にも注意しなければなりません。(男性がお姉さん(ヌナ)をお姉さん(オンニ)と呼ぶ時)
反面、ドイツ語の場合、硬い言葉で理解する人が多いのですが、韓国語くらい様々な表現が多いので語感を充分に生かすことができます。

※ヌナは弟が姉を呼ぶ時、オンニは妹が姉を呼ぶときに使う言葉です。


■ 1人1言語担当で最適効率


TIG : ローカライズチームが1人1言語体制で構成されているようですが、特定の人に負担が掛かる場合もあり得ますよね。

イ・ヒス : 英語の場合、チームの規模が大きくなってきたので2人が担当していますが、1人が担当するのと大きな違いはありません。
<TERA>プロジェクトの場合、初期からプロセスを作りながら体系的に作業が進められています。
もちろんテキスト翻訳だけで突き詰めれば2人ではなく、小規模なチームで運営しても足りません。

しかし、現在与えられたプロセスでは1人1言語体制が最適な条件だと思っています。
このようなプロセスが無い、他のゲームのプロジェクトだったら不足していたかもしれません。
また、2~3人以上が検収作業を行う場合、用語や形式、スタイルの一貫性が違ってきて、ぎこちなくなる場合が多いです。




TIG : 作業量が相当、ある様に見受けられます。
また、様々な言語のローカライズをするために、4人という人数は不足している様にみえますが。

イ・ヒス : 私たちが作業するのは、システムメッセージと開発会社が理解できるコンテンツが大部分です。
会話やクエストなどの基本的な作業は現地で処理しています。
このように作成された草案を持って現地パブリッシャーと議論して、適切な用語を尋ねています。


TIG : 最後に各自、担当している言語バージョンが現地でどのような評価を受けたいのか、目標を言うならば?

キム・ヨングァン : 北米バージョンの場合、韓国ゲームだけど米国で作成されたゲームのように違和感の無いローカライズに仕上がったという評価を受けたいですね。

ジャン・ソンジュ : 多分、みんな同じ気持ちだと思いますよ。
もちろん、テキストのローカライズだけでは現地で開発されたゲームだと感じることは難しいでしょう。
キャラクターの姿や雰囲気などが東洋のゲームという印象が強いためです。
個人的に望むことは、<TERA>のローカライズが東洋の<WoW(World of Warcraft)>という評価を受けたいですね。

(編集者 註 : ブルーホール ローカライズチームは各国でサービスされているゲームをベンチマーク(bench marking)した結果、<WoW>はドイツなどでも完全にローカライズされたゲームとして評価を得ました)

※ここでいうベンチマーク(bench marking)とは、競合他社の経営方式を綿密に分析し、競合他社を追い抜く経営戦略のことで、要は他社ゲームをリサーチしたという事ですね。


チェ・ヒヨン : 私もそう思っています。ただ私たちが作成したテキストを読むだけでも、楽しさを感じられるように作ろうと思っています。


実際、ゲームシステムに関与する部分が最も少ないのが言語です。
国内ユーザーは文章を読まない方ですが、現地では文章を読むだけで楽しさを感じられるようにして欲しいと思う。
完璧なローカライズにより、ゲームの楽しさを大いに広げて欲しいですね。




URL : http://www.thisisgame.com/board/view.php?id=510017&category=12501



かなりの長文でしたが翻訳完了です^^
しかし日本は人食いが文化的タブー・・・地名なら別に問題ないと思いますけどね。でも文化的にタブーじゃないんでしょうか、韓国は?
でも日本にもきちんと専属の翻訳家さんがいて安心しました。
早く日本にも公式でアナウンスがあるといいですね^^

英語訳に関してはLocienさんが製作中とのことで、近日中にTeraFansに載る予定です。
英文の方が判る人はもう少々お待ちを!

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