今回の都議選から今後の日本の政治の変化の兆しを読み解いていこう。
◉自民党の退潮は明白。従来自動的に自民党に入れていた層が大量に棄権したのではないか?
今回の投票率は42,39%と前回よりも8,89%の減少であった。
通常投票率が下がれば組織力の強い政党に有利だ(自民、公明、共産)
公明、共産は着実に議席を確保した。ところが自民党は政党支持率ほどに議席を伸ばしていない。
(公明党は議席を確保したとはいえ低投票率に助けられた。得票数は前回より10万票近く減らしている)
このところのコロナ対応や五輪強行突破策などにさすがの自民支持者も堪忍袋が切れたのだろう。
しかし他の政党に入れるわけにもいかず棄権に回ったと予想できる。
◉都民ファーストは小池百合子効果もあるが個々の議員の地道な活動が実った面もある。
いくら小池知事が酸素ボンベを持って現れようともそれだけで議席が増えるほど選挙は甘くない。
都民ファーストの議員の質は悪くない。昭和のおじさん的な自民党の議員よりもましだ。
また自民・公明との対立軸として「五輪無観客」を打ち出した点も良かった。
◉立憲と共産との選挙協力が実ったと言える。次期衆院選にはさらにレベルアップして戦うべきだろう。
自民党と公明党は基本的なスタンスが違っても同じ与党として政権を担っている。
立憲民主党と共産党も大きな方向性に違いはない。(ともに新自由主義的政策からの脱皮を目指す)
何処からも後ろ指をさされる筋合いはないだろう。
共産嫌いの連合は、今回国民民主党を応援した。
しかし当選者はゼロだ。小姑のように立憲に口を出すが足は動かないようだ。
◉小池都知事が国政に出るとすれば自民党が割れる時だ。
自民党が菅首相で選挙をする限りにおいて小池都知事が国政に出ることはないだろう。
しかし二階包囲網の結果自民党が割れれば小池百合子の出番は十分あり得る。
しかしその時の日本の政治は見るも無残なありさまだからあまり予想したくないシナリオだ。