農林中金が外国債券運用で巨額損失を出した。
(農林中金は農林水産業の協同組合の金融事業を束ねる)
総資産102兆円のうち有価証券で44兆円運用しているが、USドル建てが53%にのぼる。
日本は低金利が続くので、金利の高い米国債などに投資を増やした。
しかし昨年3月から米国は急激に利上げした。この利上げで債券相場が暴落。
普通はここで外債から撤退するのだがなぜか農中は逆方向に走ったという。
これはまったくの人災。理事長は辞任すべきだが、
「想定外の金利上昇で2兆2千億の含み損を出した。7千億円の劣後ローンをJAなどに引き受けてもらう」
他人事のようによどみなく述べたという。
傘下のJAも運用には苦しんでいるので中金に預けておけばそれなりに配当が出る。
このようなもたれあいが「ゆるゆるの資金運用」になったのだろう。
各JAは農業部門の赤字を信用事業や共済事業(保険)で埋めている。
農中の不始末での農中からの配当は来なくなり、職員には「穴埋め分を稼げ」とばかりに発破がかかっているという。
共済営業(保険)の押し込み販売だ。
農林中金の歴史的な使命は終わっている。
閉鎖された業界の中のでたらい回しはやめるべきだ、国益を損なう。