マグリットの空と雲

旅,空,猫,馬,Champagne&美酒,美食,art,色,海&船…時にsurrealな、好きなもの写真雑記帳。

ホントはあの絵を見たくて...XII ~“色彩の魔術師” クレー

2005-10-27 | Art/芸術・絵画
パウル・クレー/Paul Klee

“この世では私は理解されない”と遺しこの世を去った画家クレー

“色彩の魔術師”と呼ばれた彼の世界

彼の描く色はのびのびとのどかで どこかあどけなく 
彼の操る線ははらはらとあやうく どこかはかない

素朴で無垢な優しい水彩と
ドキッとするほどビビットで大胆な油彩
不安になるほど繊細な線描やエッチング

微妙に歪んだあやうい線とほんわり暖かな色彩の面
いびつで不均等な抽象図形が
くり返されてリズムになり
全体としてハーモニーになる

音楽家の両親のもとに生まれ 自身小さな頃からヴァイオリンの才能を発揮したクレー
さすが!そのバランス感覚は天性の音楽家なのだろう

第1次大戦からナチス政権の激動の時代を母国スイスと祖国ドイツの間を流浪したクレー
晩年は難病に苦しみながらも、魂を削るように絵画に没頭し、60年の生涯を閉じた

MoMAで観た〔魚の周りで/Around the Fish〕
“魚”はクレーの作品で象徴的とも言えるモチーフだ

ふと絵の教室に通っていた子供の頃を思い出した
最初に好きな色のクレヨンで一面塗りたくった画用紙に
黒のクレヨンを重ねて鉄筆で引っ掻いて描いた夢の場面
何もない真っ黒の画面から明るい色が飛び出して形になるのが面白かった

“芸術は見えないものを見えるようにする”
もちろんその頃、クレーの芸術論なんて知らなかった
絵の先生もそんなこと言わなかった
けれどまさに“見えないものを見えるように”表現した絵だった

もうひとつ〔猫と鳥/Cat and Bird〕はダイナミックな構図 一面のほほん猫の顔
その小さな額の上に鳥の乗ったなんとも平和なカワイイ作品だ♪


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