柄にもなく、たった1週間のメールと電話のやりとりで、気持ちをくすぐられてしまったみう。たとえ一時の錯覚とわかっていても、すっかり恋するモードのスイッチが入ってしまったら、それは新鮮で楽しいものだ。
彼にしてみても同じだろう。慣れない環境での戸惑いや不安を紛らわすのに、彼女が必要だったのだ。
いったい彼は、はじめの1週間で電話代にどれだけ費やしたのだろうか。
ほとんど毎日、ある時は朝晩で掛けてき . . . Read more
彼の告白。「今踏ん張って頑張って……」やっぱりそうなんだ。
9月から始まるQ1から行ったのだし、お正月にも帰って来ないだろうことは予想がついていた。本当のところ、いつまで居るつもりなのかは、はぐらかされてしまったけれど……。
ちょっと彼の決意が見えたような気がした。
本当は行く前に行ってほしかった“大事な”決意だけど、今は責めても仕方ない。
顔を見たら言えなかったのかもしれないし、いまは、顔を . . . Read more
Re: to Mju
そっちはおはようなのかな!?
そっか東京も雨やねんな、ニューヨークも雨だよ。
俺はめっちゃみうちゃんをもとめてるよ
後ろ向きとかじゃにないけど、ただ俺は自分がいい男になりたいからちゃんとしたスキルを身につけたくてニューヨークに来たんだよ
目先の幸せに走るのは簡単なことなのかもだけど、今踏ん張って頑張ってもっとでかい幸せを掴みたいから、苦しくても頑張ろうと思ってる。
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Re:NYCからのアンサー to NYC:
東京は朝からだよ。
よくもわるくも、これがわたしたちの出会うタイミングだったんだといまは思ってるよ。あとはお互いに求め合う気持ちさえあればね…
ホントに会いに行っても迷惑じゃないのかな…。そしたら、わたしは会いに行きたいよ!
ひと月先なら休暇取れそうなんだけど…、落ち着いたらって、いつ頃がベストなのかな?
ホントのこと言ってね。メールが時々 . . . Read more
Re:わたしからラブメールto Mju:
そやねん、仕方ないこと言ってごめんね。
何度もいうけど、どうしてもみうちゃんに会いたかったから
みうちゃんと日本にいる時たくさん会っていたらほんと楽しかったんやろうなって思うよ
タイミングがいいのかあかんのかって感じやな。
でも、みうちゃんと出会えたことはすごく嬉しく思ってるよ
またすごく会いたいと思っているから
少し落ち着いたらニューヨーク . . . Read more
突然の電話の後…思うところがあって、いまの気持ちをメールにしてみた。
to NYC:
電話の声聞けてうれしかったよ
でも、いつ帰って来るかわからないなんて…切なすぎるよー
たしかに、ホントのこと聞いていたら、こんなふうになっていなかったね、わたしたち。
出会えたこと、肌をくっつけて抱き合ったのは必然だと思ってる。だから、その嘘は、もしかしたら出会うためには必要な嘘で、やっぱり仕方なかったのか . . . Read more
電話を切る。
しばらく落ち着かずキッチンに立ったままのわたし。
まだ耳に残る電話の声。
途端に、なんだか切なくなってきた。
会話を何度も反芻する。
そして、思わず発していた「会いに行く!」の意味をよく考えてみる。
いつのまにか気持ちは、完全に東京―NYCの遠恋モードになっている。
しかし、冷静に考えてみたら、わたしたちはまだ付き合っているわけじゃない。
「好き」って言われた?ううん、愛だ恋だ . . . Read more
会いたくても、すぐに会えないとこからそんなこというなんて!
ズルいなぁ。なんだかやりきれないよ。
そうか!
だから「もっと会っておけば良かった」とか、「もし東京にいたら、毎晩会ってたよね」とか言ってたのか。ウソつきー。
「ほんとに毎日そう思うんよ。もっと早くに会っていたら、もっといっぱい会っておけばよかったなぁて」
そんなこというなら、じゃ、わたしが会いに行こうかな。
ニューヨークへ会いに . . . Read more
彼がNYCに渡ってまだ4日。東京で最後に会ってからだって、まだ一週間も経っていないのに、回想メールばかり受けているうちにわたしも、もうずっと会っていないような錯覚に陥る。
そろそろ起きる頃かな?気がつけば、時計を見るとNY時間で考えていて、気持ちはNYへ行っている。
リリリリリーン、リリリリリーン
いつものように残業してからの帰宅。ちょっと早めに帰れたその晩、ひさしぶりにお菓子をつくろうとキ . . . Read more
そして翌日のメール。
to Mju:
「今思えば、みうちゃんち近かったからいっぱい会えたんだよね」
ん?またもや過去形のメール。
上がり矢印が若干場違いな印象だが……
それは行間を読むと、つまりこういうこと?
家が近かったのだから、会おうと思えばもっと会えたはずなのに、でも会えなかった。……会っていれば良かったのになぁ。
なんかもうしばらく帰って来ないような気配。
まったく~、短歌の恋 . . . Read more
翌日、NYCに無事に着いたというメールが届いた。
暢気にセントラルパークを散歩しながら、わたしのことを思っているとかいないとか。
ふ~ん。
東京、23時半。to Mju:
「みうちゃんに、会いたくて仕方ないよ」
そんなメールが来て、お酒に酔っているのかと思えば、NYCは朝の10時半。
携帯でメールしていると地球の反対側にいる気がまったくしないが、昼と夜が真反対のNYCにいて、朝からなに . . . Read more
そして、やっと会えた時には、お互いの気持ちは知っていた。
ただ会って確かめ合いたかった、はずなのに。
交わす言葉はただ照れくさくて、電話のように会話が続かない。
彼に背を向け、窓の向こうの綺麗な夜景をただ眺めているふり。
彼が近づいて来る気配。
「東京タワーとヒルズがこの角度で見えるんだね!うちからだと右の方から見る感じなんだよね。」いやだ、わたし、どうでもいいこと言ってる。
「贅沢な夜景やろ . . . Read more
歳はひとつ下。家は自転車でも行ける距離。
気は合いそうだし、タイミングが合えば、仲良くなれるかもしれない。
はじめからそんな気はしていたけれど、まぁ、なっても「友だち以上恋人未満」かな。彼はそんな感じのひとだった。
「会いたいなぁ。」
そうだね~、じゃ、いつがいい?
「いま、これから」
はは、それはちょっと。もう夜中だし。
「だめ?来週は大阪帰ったり、ちょっと忙しいんだよな。」
◇ ◇ ◇ . . . Read more
今年の夏はなにかが変だ。
各地で地震が相次いで起こるし、なんだかそわそわ、気持ちの落ち着かない、そんな日々が続いていた。
◇ ◇ ◇
バッグの中の携帯が振動しているのに気づいた。
急いで取り出して目を疑った。サブディスプレイには見覚えのあるナンバーが表示されていた。
メモリーからは消しても、忘れることのないナンバー。
…どうしよう、切れちゃうかな……。
「はい」
努めて冷静な声 . . . Read more