紫外線対策の為につばの広い帽子を被りたいのに風で飛びそうになるのがイヤネという人、多いですね。ところが今は忘れ去られてしまったけれどハットピンという便利な物があるのです。
帽子と同じ色の丸いもの。これがピンになっています。帽子を被ってからピンで髪をすくい帽子に突き刺して固定させます。このハットピンはプラスティック製の既成のピンに帽子のてっぺんの部分をカットして包んで作りました。
ハットピン色々。中央にあるのはハットピンホルダーと呼ばれるものです。ハットピンのコレクターには16cmから30cmを越える長い物が人気のようです。あまり長いのは人に危害を加えたり、また武器になるという理由から20世紀になってからはピンの先にカバーを付ける様になったり長さも規制されるようになったということでした。
短めのハットピンは帽子を頭に固定させるという目的よりは帽子のアクセントということにこだわっている。このコレクションは1930年代のアールデコの影響が見られます。この時代の帽子は小さめなのでハットピンは帽子のデザインの一部とみてよいでしょう。
ハットピンの最盛期は1880年代から1920年代といわれています。1880年以前はこの絵のようにボンネットを被るのが一般的だったのでハットピンは必需品ではなかったのね。あごの下でリボンを結わくのでボンネットが頭にしっかりと固定されているのでハットピンはいらないのです。
ファッションの変化とともに帽子は頭の上にちょこんと乗っただけという物になってきたのでハットピンが必要になってきました。
19世紀末から20世紀にかけて流行したポンパドールという大きなヘアスタイル。
大きな頭には大きな帽子が必要になる。これだけ大きな帽子だと50cmくらいのハットピンが2-3本は必要!1920年代になってココシャネル達の活躍によって服がシンプルになってくるとヘアスタイルはショートカットが似合う様になってきます。帽子は頭の形に沿った小さな物。そうしてハットピンの出番はなくなってきました。
大きな帽子が風に飛ばされるのを防ぐ方法としてゴムひもとか小さなクシを帽子に取り付けるなどがあります。それと名前は知らないけど帽子と服をクリップみたいので留めるという方法も。ハットピンはものすごいショートカットの人にはおすすめできないけれど帽子のデザインの一部としてみても面白いのではないてしょうか?ただ問題はどこで手に入れるかなのですが。。。
ハットピンはガラス、陶器、宝石、シルバーなどいろいろな素材が使われています。アメリカのハットピンソサイエティーのホームページで色々見る事ができます。興味のある方はこちらから。アメリカンハットピンソサイエティー
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6月21日追加
手芸材料店やアクセサリーのパーツを扱っているお店でハットピンが販売されていました。飾りの部分は自分で作るもので長さは8cmくらいでした。
台風4号の影響で強風の時に8cmのハットピンを帽子の前(おでこの上のあた)に付けてみたところ一度も帽子が飛びそうになることはなかった!
OMAKE