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横浜本牧の小さな小さなアメリカン・アンティーク雑貨屋ののんきな日々・・

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帽子の話 (ちょっと 歴史) Vol.24 シルクハット物語

2011-01-25 15:56:17 | ● 帽子の話


「シルクハットとはどんな帽子」?と言う方も「手品師がウサギを出す帽子です。」というとすぐにわかって下さるでしょう。最近だとアリスの映画にでてきたマッドハッターがかぶっていたのがシルクハットですね。クラウンのテッペンが平らでエントツの様に背が高いのが特徴です。



呼び方は様々でトップハット、ハイハット、オペラハット、クラウンが筒のようなのはそのものずばりでストーブパイプハットなど。アメリカのリンカーン大統領はこのストーブパイプハットに重要な手紙をしまっていたというのは有名な話。
シルクハットというと上流階級のシンボルという印象が強いけれど、そのスタートはあくまでもファッションと捉えられていたらしい。1850年ごろにプリンス・アルバートが好んで被ったことから貴族、上流階級にも広まって行ったけれども第一次世界大戦が終わるころまでには上流階級の間でも日常生活に使われることはなくなっていって以後は礼服にあわせるだけになっていったのだ。一方、存在感のあるデザインから舞台、映画での小物としておもしろい扱いをされる事が多く女優のマレーネ・デートリッヒのシルクハット姿はとても有名です。




一番上の写真は1873年のルノワールの絵画ですが女性が乗馬の時にはシルクハットをかぶっていたのがわかります。頭から帽子が落ちないようにネットなどを使っていたようですね。下の濃い茶色のシルクハットは1900年代の女性用の物です。
初期にはビーバーの毛皮が使われていたけれど(当然シルクハットとは呼ばれていなかったのでしょう)後にシルクの繊細な「ケバ」からビーバーの様なつやのある素材が作られるようになり、またビーバーの捕獲が難しくなった事もありシルクの物が多く出回るようになったそうです。右下の写真は帽子の内側ですが使われている素材が良く判ります。チーズクロスのような目の荒い物にケバがついているのがわかります。(焦げ茶色の切り込みのある部分)





シルクハットはそのデザインのユニークさから日用品にもモチーフとして使われています。左は帽子を逆さにした形の花瓶。右はMr.ピーナッツ。



カラフルなシルクハットをかぶったミュージシャンがいたり、ミニチュアのシルクハットをちょこんと被ったモデルさんがいたりと形は少しかわってもまだまだ生きているシルクハットですね。


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