俊英リオネル・ブランエを迎えた今シーズン最初の川崎定期である。スターターは指揮者としも名を成すエサ=ベッカ・サロネンの「ヘリックス」。9分の小曲だが、ある程度のメロディがあるなかなか聞き応えのあ作品だった。続いて独奏にリーズ・ドウ・ラ・サールを迎えてラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。雰囲気で弾き飛ばすのでなく、変な言い方だけれども、内容がぎっしり詰まった、しかし決して重くなるのではない風通しの良いラベルだった。正直言ってこんなにこの曲が楽しかったことはなかった。東響の管楽器、打楽器のアンサンブルが秀逸でこれは大いに楽しめた。ラ。サールって素晴らしいピアニストだなと感動していたら、アンコールはショパンの夜想曲。これが静謐で、最初の一音から涙腺が緩んだ。そして休憩後はラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」。ブランギエは、まるでパリ管のような華のある音を東響から引き出した。そして最後を飾ったのはストラビンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1919年版)。決して汚い音にならずに、しかし迫力は十分。東響の機能性を十全に生かしたスタイリッシュな捌きの秀演だった。
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