松本健史の「生活リハビリの達人」になろう!

超高齢社会の切り札「生活リハビリの達人」になる!講師・原稿依頼は matumomo@helen.ocn.ne.jp まで

ハーフマラソン 完走!!!

2009年10月20日 | Weblog
あみのハーフマラソンに出走しました。応援団の同僚奥仲さん、平井さんと参加。天候は良好(風強し)、まずは完走が第一目標であり、キロ6分ぐらいで走れればと思いながらもたくさんの人と走ると自然足が良く出て、キロ5分ちょいで折り返しぐらいまではいけました。
でも自分にとって未知の距離(10キロ以上)になると足がズシーンと重くなり、ゆうことをきかなくなった。給水ごとにストレッチしてぼちぼち走る。なんでこんなことしてるんや・・・と呟く。でも多くの選手ががんばってるので諦めようとは一度も思わずゴールまでいけました。2時間0分57秒 予想以上の結果。2時間半ぐらいかと思ってた。でもこうなると2時間切りたかったと欲が・・・。
サーファーが波乗りする海を眺めながらのいいコース、日本のホノルルマラソンといっていいでしょう。網野マラソン、実行委員の皆さん(GIジョージ含む)お世話になりました。来年は2時間切りを目標にします!!!

ブリコラージュ『ガチンコ現場主義』最終回!

2009年10月17日 | Weblog
ガチンコ現場主義 其ノ十六(最終回)
旭山動物園デ、ワシモ考エタ ~求められるリーダー象、いや、像~
 「ガチンコ現場主義」最終回は、介護現場に求められるリーダー像についてです。リーダーはいかにしてチームを組織し、やりたいケアを実践していくか?結論は案外シンプルだと思うんです。

リーダーってなんだろう?
僕の古いノートには昔、何かのビジネス書で読み、感銘を受けた「リーダーの三条件」が書き込まれています。
《良いリーダーの三条件》
①いつも顧客のほうを向いていること
②無私であること
③未来のビジョンを持っていること
さて、あなたの職場の施設長はこの条件に当てはまっていますか?「イヤ、あまりにも頼りない・・・」という声が聞こえてきそうです。社会福祉法人のトップは企業からの天下りが多く、必ずしも介護のエキスパートではないので、あまり複雑でウェットな事例の山積する介護の問題に適切な対応を期待できません。この方々は現場にほとんど顔を出さず、背広でパソコンの前にいるか、わけのわからん(ようにみえる)会合に出かけて行ってしまいます。自分の在籍中に施設で不祥事が起きなければ、マイナス評価は避けられる。どうやら、お年寄りの方ではなく、お上の方を向いてしまっている人が多いんじゃないでしょうか?

絶滅寸前、固有名詞を語るリーダー
施設長は置いといて、介護現場に目を移しましょう。僕は近隣の施設にリハビリアドバイスに行き、介護リーダーと意見交換をすることがよくあります。このやりとりで感じることは燃えるような「思い」を持ったリーダーが少ないな~ということ。どちらかというと冷めていたり、半ば諦めモードの人がいます。「思い」を持った職員なら、「ダーッ」とダムが壊れたみたいに溜め込んでいた、「やりたいケア」への情熱が溢れてきます。「あん時、アイスクリームをシゲジイに食べさせたかった!」など固有名詞つき。アナタの施設にこういうリーダーがいるなら、絶滅危惧種です。手厚い保護をお願いします。そしてアナタタチも、一緒に燃え上がるのです。


私案「いいチームのつくり方」
介護現場はチームプレーが基本です。職員のファインプレーを見逃さないこともリーダーの大切な仕事だと思います。経験の浅い職員はいつもこれでいいのか、と不安を感じながら仕事をしています。リーダーはいい取り組みに対して「それでいいんだよ」「頑張ってるじゃん」と背中を押す存在でなければいけません。背中を押す手段もいろいろあります。
《リーダー七変化!職員の背中の押し方》
①会議で今日のホームランやファインプレーケアをほめる(ニュースキャスターの役割)
②やりたいことの実現に向けて、道筋を照らす(松明の役割) 
③足りない部分にさりげないフォローを入れる(黒子の役割) 
④いいケアを記録に残し、皆の記憶に刻み込む(記者の役割) 
⑤焼肉食べ放題に連れて行く(パトロンの役割)
※④は施設の新聞も利用できます。新聞の発行はお年寄りに主人公になってもらうことが主目的ではありますが、施設の方針をしっかり打ち出す「宣言書」でもあり、職員に向けての「ラブレター」でもあります。デイサービス「生活リハビリ道場」も新聞を発行していますが、僕はすごいなと思った職員にラブレターを書く気持ちで、いつも編集しています。

旭山動物園から学んだこと
リーダーは迷うものです。僕も同じく悩める者の一人ですが、昨夏、旭山動物園に行ってきて、一筋の光を見出しました。旭山動物園、空前のブームの秘密は動物の生態を飼育員が大切にし、環境設定することから生まれた「行動展示」という手法にあります。ペンギンやアザラシ、シロクマたちのイキイキとした姿を楽しむことができました。たくさん写真を撮りましたが、一番印象に残ったのをあげるとすれば上の一枚です (写真)。何コレ?と思われるでしょう。実は、動物園の隅っこでみつけた、さびれて、「立ち入り禁止」の札の張られたゲームコーナーなのです。他の動物園なら子供たちが群がって遊んでいるでしょう。けれども、旭山動物園では動物の生態・行動にお客さんが釘付けなので、遊具やゲームといったオマケがいらなくなったようです。
介護現場もここからヒントを得られないでしょうか?旭山流に基本に立ち返るとしたらどんな施設がいいでしょう。「お年寄りが主体性・個性を発揮している。歩んできた人生を周りから大切にされ、その人らしい生活習慣が守られている。職員もここで働けることに誇りと喜びを持っている」僕はこうありたいと思います。
ケアを充実するために、認知症には「ナンタラケア」2日間コース5万円だ?ちょっと待ってください。基本に立ち返りましょうよ。そのナンタラケアはあなたの施設に必要ですか?ゲームコーナーが増えるだけじゃないですか?「思い悩むことなかれ、大切なことを見つめなさい。その他のことはオマケだよ」と旭山動物園が教えてくれているような気がします。


連載を終えて
理学療法士が介護現場で「あーでもない、こーでもない」とのた打ち回っている様子を2年半も書かせていただきました。読んでいただいた方、応援してくれた方、お出会いできた皆様、ありがとうございました。まぁ~読み返すと、自分がどんなことに怒ったり、はたまた有頂天になったりしているかわかり、いまさらながら、こっぱずかしい気持ちになります。でもこれが現時点での「自己ベスト」と考え、さらにガチンコな日々を送っていきたいと思います。
三井健史理事長はじめ丹後福祉応援団の同僚のみんな!試行錯誤の日々、制度と業務のジレンマで一緒にあげた悲鳴、これらがなければ、こんな愛しい(と僕は勝手に思っている)エピソードは書けませんでした。感謝します。生活リハビリ道場も満5歳、これからもいっぱいエピソードをつくりましょう!ならびに僕がお邪魔している各老人ホームの職員さん、自分が載った記事を恥ずかしがりながらも、施設の掲示板に貼ってくれましたね。嬉しかったです。そしてなにより、いつも僕たちのつたない関わりに、文句の一つも言いながら(?)、いろんなことを教えてくださる人生の大先輩のジイバアのみなさんに最大の御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました!