プロレスラーの木村花さんの自死をきかっけにSNS上における「匿名の誹謗中傷」を規制する法整備を求める声が広がっています。意見書案に盛り込まれた法整備は必要なことです。一方で被害者救済の法整備と表現の自由への規制への懸念をどのようにバランスをとっていくか、という問題も孕みます。ツイッター470万の「検察法改正に抗議します」の世論が法改正を中止に追い込みました。皆さんのご意見を求めたいと思います。6月9日ZOOM「ネット人権法研究会」オンライン集会の毎日新聞記事を紹介します。
https://mainichi.jp/articles/20200619/ddm/013/040/016000c
※インターネット上の人権を保護するための法整備を求める意見書(案)
今世紀に入り、私たちの生活の利便性が急速に向上した背景には、インターネットの普及やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が身近なコミュニケーション手段として広い世代に浸透したことが大きく影響しており、今やこうしたソーシャルメディアは、日常生活に欠かせないものとなった。
SNSは、誰もが自分の意見を自由に表明でき、多くの人々とのコミュニケーションを図ることができる場である一方、その特性として容易に匿名による情報発信が可能であることから、特定の個人を対象とした誹謗中傷や、個人情報を掲載するといったプライバシーの侵害等が発生している。これらインターネット上に流通する人権侵害情報は伝播性が高く、一度公開されると世界中に情報が瞬時に拡散し、完全に削除させるといった権利回復は極めて困難となっていることから、被害者は精神的に追い詰められ、毎年多くの痛ましい被害を引き起こしている。
インターネット上の人権侵害に対しては、現在、「プロバイダ責任制限法」によって被害者がサービスの運営者等に対して、インターネットの掲示板上の書き込み記事の削除や書き込みをした者(発信者)の情報開示を求めることができる。しかしながら、サーバーが海外にあることや時間が経過したりすることで投稿者が特定できなかったり、発信者特定に至る経緯で弁護士に依頼し裁判手続きが必要であるケースもあることから多額の費用が必要となり被害者が泣き寝入りする事例が増えている。
このような状況の中、SNSによる人権侵害が社会全体の大きな関心事となっており、国内でSNSを展開する事業者により構成されている「一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構」は、名誉毀損、侮辱等を意図したコンテンツの投稿を禁止事項とするべく、5月末に緊急声明を発表した。
国ではサービスの運営者等が被害者側に開⽰する情報に、書き込んだ⼈物の電話番号を加えることでインターネット上の発信者の特定を容易にするための法改正の方向性が示されたところである。
現在、SNSの利用状況は増加傾向にあり、今後、青少年だけでなく大人も含め加害者になることを防ぐための啓蒙活動、人権侵害の書き込みに対してのネットパトロールの強化が必要である。
国においては、被害者感情に寄り添い、官民連携の下SNSによる人権侵害事件を無くすべく取り組むなど、インターネット上における人権を保護する実効性のある法整備を速やかに行うことを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
あて先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、法務大臣、
文部科学大臣、国家公安委員会委員長
https://mainichi.jp/articles/20200619/ddm/013/040/016000c
※インターネット上の人権を保護するための法整備を求める意見書(案)
今世紀に入り、私たちの生活の利便性が急速に向上した背景には、インターネットの普及やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が身近なコミュニケーション手段として広い世代に浸透したことが大きく影響しており、今やこうしたソーシャルメディアは、日常生活に欠かせないものとなった。
SNSは、誰もが自分の意見を自由に表明でき、多くの人々とのコミュニケーションを図ることができる場である一方、その特性として容易に匿名による情報発信が可能であることから、特定の個人を対象とした誹謗中傷や、個人情報を掲載するといったプライバシーの侵害等が発生している。これらインターネット上に流通する人権侵害情報は伝播性が高く、一度公開されると世界中に情報が瞬時に拡散し、完全に削除させるといった権利回復は極めて困難となっていることから、被害者は精神的に追い詰められ、毎年多くの痛ましい被害を引き起こしている。
インターネット上の人権侵害に対しては、現在、「プロバイダ責任制限法」によって被害者がサービスの運営者等に対して、インターネットの掲示板上の書き込み記事の削除や書き込みをした者(発信者)の情報開示を求めることができる。しかしながら、サーバーが海外にあることや時間が経過したりすることで投稿者が特定できなかったり、発信者特定に至る経緯で弁護士に依頼し裁判手続きが必要であるケースもあることから多額の費用が必要となり被害者が泣き寝入りする事例が増えている。
このような状況の中、SNSによる人権侵害が社会全体の大きな関心事となっており、国内でSNSを展開する事業者により構成されている「一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構」は、名誉毀損、侮辱等を意図したコンテンツの投稿を禁止事項とするべく、5月末に緊急声明を発表した。
国ではサービスの運営者等が被害者側に開⽰する情報に、書き込んだ⼈物の電話番号を加えることでインターネット上の発信者の特定を容易にするための法改正の方向性が示されたところである。
現在、SNSの利用状況は増加傾向にあり、今後、青少年だけでなく大人も含め加害者になることを防ぐための啓蒙活動、人権侵害の書き込みに対してのネットパトロールの強化が必要である。
国においては、被害者感情に寄り添い、官民連携の下SNSによる人権侵害事件を無くすべく取り組むなど、インターネット上における人権を保護する実効性のある法整備を速やかに行うことを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
あて先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、法務大臣、
文部科学大臣、国家公安委員会委員長