昔、20代の初めにバイクで日本半周をしたことがあって、その時通り過ぎた海岸沿いの漁村の景色をよく思い出します。景勝地とかではなくてその土地の生活が伺えるような風景です。最近バイクで出掛けるにも、どうにも目的地が決まりません。心が疲れてるのか、腰が重いです・・・。
というわけで、久しぶりに日本海を見に行こうという理由をつけて出掛ける事にしました。なんなら昔通った懐かしいルートを辿ってみるのも良いかも知れません。新潟方面にするか富山にするか迷いますが、帰りに群馬県の毛無山に寄るのもいいですね。
朝8時です。早くもなく、遅くもない時間に出発します。国道20号を北西へ。韮崎でたまらなく眠たくなって、暖かい日差しの中、川沿いの公園で仮眠しました。起きたら頭がぼーっとして、ここで引き返すのもありかなあと、ちょっと本気で思いました。
20号線を諏訪から松本へ向かいます。燃費がやけにいいので、こりゃ新記録だと思って、リッター30kmを目標にガンバってたら、ガソリンコックがリザーブになってました。危ない危ない、ガス欠するところでした。
糸魚川を下ります。北へ向かうのに川を下るって感覚は太平洋側に住んでいる身からしたら不思議な感覚があります。日暮れが思ってたより早く訪れて、木崎湖を過ぎたあたりで暗くなってしまいました。
道はそこから長い洞門となり、これが飽きるほど続きます。ちなみに、DR-Zはライトが弱いから夜のカーブが結構辛いんです。冬の夕方6時は暗闇だから、景色なんてなんにも見えません。速いインプレッサに煽られて、気持ち頑張ってみたものの結局抜かれて、てっきり走り屋かと思ってたら普通の営業車でした。orz
まあ自分の腕はこの程度ってことで。
やっと日本海へ着きましたが、真っ暗です。ここは市振の関。下道で来ると移動だけで精一杯だということが良くわかりました。糸魚川市に入て、スーパーで今夜の食料を買い込んで、キャンプ場へ向かいます。
黒部の海沿いの、園家山キャンプ場に着きました。先客はハーレー乗りの方が一人のみ。夕食は適当に買った総菜で済ませたから楽でした。キャンプで頑張りすぎると疲れるんですよね。もう雰囲気にこだわらなくてもいいかなと思ってます。
翌朝起きたら快晴でした。ハーレーの人とお話します。一週間かけて山口まで行って、今日群馬に帰るそうです。うらやましいなあ。今の自分にはちょっと難しいです。いろんな意味で。海沿いを、風車を見ながら走ります。
十数年ぶりに訪れた親不知。懐かしい場所を見に行くっていう動機があって来たのに、不思議と感慨は全くありませんでした。それよりあの波打ち際が昔、北陸道だった事のほうが感慨深いです。
その後上越の海岸に寄ってみました。砂浜に電柱が一本立っていて、すっごく趣があります。この先に20代前半に訪れた雰囲気のある漁村があるかもしれないと思って1時間ほど探してみましたが、結局見当たらず諦めて帰る事にしました。明日は仕事があるし、その他の予定もあります。・・・最近時間ばかり気にしてます。
長野から群馬に寄ってから帰りますが、今日中に横浜の家に辿り着けるでしょうか?
長野から万座温泉方面へ峠を駆けあがります。気づいたら、後ろを黄色のDR-Zが付いてきてます。キミは仲間だな、後について来い来いと思いましたが、分岐で万座方面へ行ってしまいました。僕は毛無峠へ向かいます。お気をつけて。サヨウナラ。
崖っぷちの県道を進むと、荒涼とした景色が広がっていました。ここが毛無峠です。インターネットで見たのと同じ風景、でもそれ以上の青空と感動があります…。
峠から小串鉱山の廃坑跡を見下ろします。こんな標高の高い土地ですが、硫黄の鉱山で栄えて、昔は街まであったとのことです。
この索道。ラピュタの世界みたいです。索道は鉱山から峠を越えて、長野県側へ続いていたそうです。
さて、経済的に下道で帰りましょう。時間的に今日中の到着は厳しいかも?と考えながら走っていると、上田で空母の様な山を発見しました。好奇心からちょっと寄り道します。
予定は未定ということですね。時間気にしていたはずなのに。言ってることとやってることがなんだか。
正面にまわってみると鼻の穴みたいなのがありました。現地では謎でしたが、帰宅後ネットで調べると「半過岩鼻」という景勝地。やっぱりみんな鼻だと思ってるんですね。鼻の直下、崖下のロックシェッドが廃道になっていたので、てっきり鼻は最近の崖崩れで出来たのかと思っていたら、かなり歴史がある場所のようです。
寄り道していたらもう夜の6時です。さすがに明日仕事だし、6時に佐久にいるのははまずいよなあ。
こんなことならもっと早く長野道に乗っておけばよかった。もう中央道なんか遠く離れちゃってるんで、高速乗るなら関越ですね。都内に一度出るのは辛いです...。それでも高速は順調で楽でした。走行距離、2日で926Km。よく走りました。
でも、できればもう少し休みをとって、やっぱり次は行った事のない場所へ行きたいですね。最近色々と考えてしまって、なんだかすっきりしませんが、それでもバイクだけは楽しいです。さあ、明日からまた頑張りましょう。
旅に行って、仕事して、仕事して旅に行って・・・。
風と旅とオートバイ―ツーリング・シーン12章 (広済堂文庫) | |
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