イギリスゆめだより

日本の外に出ることは自分自身を見つめ直すこと

外国語学習法って!?

2007-07-18 23:37:15 | 外国語
今日出張帰りに本屋に寄った。最近はAMAZONで買うことが多いので、本屋などに行ってもいまいち・・・てな感じだが、久々に○善書店に行くと、普段見かけないような本もあり、紀伊○屋とは一風変わって面白い。その中で見つけたのが、黒田龍之助著「ポケットいっぱいの外国語」という新刊である。元東京工業大学の先生である黒田氏の著作は「外国語の水曜日」というユーモラスなエッセイ集(本人曰く「言語学の入門書」)をきっかけに何冊か読んだが、スラブ語系といういわゆるマイナー言語を専門とする先生のウィットあふれる文体に惹かれた。また、現代の英語中心主義の考え方にも反対しておられ、意見が合う。それから外国語の学習法についても意見が合う。簡単にいえば、「やるしかない!」のだ。仕事柄よく、外国語(特に英語だが)の学習法(上達法?)について訊かれたりするが、何とも答えようがない。興味持ってとことん、単語や文法を覚え、英文をどんどん、辞書使って読む!これしかない。いや少なくとも自分はこうやって、いくつかの言語を勉強してきたので、他にやり方を知らないし、これが確実だと思っている。つまり「楽をして上達する方法などない」ということである。なので、僕ら教える側の役割は、いかにして興味を持たせるかであるが、これまた難しい。なぜなら外国語の勉強はスポーツに似ているからだ。興味もないのにいくらあるスポーツを嫌々ながらやらされても苦痛なだけだ。そのスポーツをする喜びを見いだすことができなければならない。いや少なくともスポーツは自分が楽しいなと思えるものを選んでするはず。ここが外国語とは違う。英語は半ば強制的にしなければならないからだ。自由に選べるのならば、状況は少しは違うかもしれないのに・・・日本ほど「英語好き(本当!?)」の国民はいないであろう。そして、黒田氏が嘆く、他の外国語を勉強する機会も、勉強してあろうという気迫も今の日本人にはないのかもしれない。残念なことに学問をする場所である「大学」でさえ、英語至上主義がまかり通っているようで、残念でならない。もっといろいろな外国語に興味を持ち、幅広い視野で世界を見て、自分を分析することができるようになる人が増えることを期待するし、自分ももっといろんな言語を知りたいと思っている。黒田氏のおかげで、少しスラブ語系の言語に関心がでてきた。しばらくは黒田氏のエッセイの中で楽しみたいと思う。