滞在しているホテルのある夫妻から聞いたインドネシアの心霊治療風景をメモします。バリの心霊治療ではなくインドネシアのと書いたのは、治療者がバリ人ではなくジャワ島出身者だからです。
治療が始まり、眉毛や脇毛、それに下の毛を少しずつ切られた。それからマントラ風の呪文を唱えながら生卵で身体をさすっていく。そうするとこの生卵のなかに邪気が移っていくという。又、花びらの浮かんだ聖水を振りかけられたという。その卵での撫でさすりや聖水ふりかけはは日本流に言うとお祓いに相当するのか、
撫でさすりが終わった生卵を被治療者が手で割るという行為を行う。ここで不思議な事があったという。その被治療者は男性だが通常割れると思われる力を両方の掌に加えても一向に割れなかったという。全身の力を込めたところやっとのことで割れたという。その後ひな鳥の丸焼きを全部平らげる儀式を行ったという。
一方女性にたいしてはダチョウの卵を腹部にあてられた。しばらくすると腹部にあてた卵の内部が蠢く感じがしたという。そのうち体の下半身に暖かいものが流れていく感じを受けた。しかし両脚に流れたのではなく片方だけであったそうだ。そのあとやはりダチョウの卵を割ってみたら白身が異様に透明であったとの印象を受けたという。もっともダチョウの卵に始めて接するのでそれが普通なのかあるいは心霊治療によって邪気を吸い込んで透明になったのかは定かではないという。ホテルに帰ってから通常の3倍もの異様に臭う便がでたという。
どんな心霊治療でも病気が治るとは考えていないが、心霊治療のすべてが気休めだとも考えていない。バリにも数多くの近代病院があり、多くのバリ人が治療に通っていることからもそのこと(たいていのバリアンは病気を治す効力を持たない)は推測がつく。しかし不思議な現象も、暗示の効果も含めて、ありうる事かなとも受け入れるている。なかには極めて少数ながら強力な治癒力をもつバリアンも存在するのだろうと思う。その数は極めて少数だろうし、とても病院の代わりになるレベルではなかろう。
心霊治療を行なうバリアンのパワーは気休め程度(ある種の催眠効果)の力をもつものか、稀にだが強力な治療力をもつものが存在するのか、その稀にいる存在にいまだ接していないので何とも定かではない。