宮沢賢治の童話や、詩の作品は、心象スケッチと呼ばれます。いいぇ、詩人自らがそう書いているのですね。
心象スケッチ、いいことばですね。
ぼくが、何年前か実弟の宮沢清六さんにお聞きした説明、解説では、絵で言うところの
デッサンにあたるものということでした。なるほど、納得いたしました。
最近、心象風景ということがよく言われる、様な気がするのです。
写真についても「心象風景としての」風景写真を、と この30年間 心のどこかに気をおきながら撮ってまいりました。
心象とは何か?-意識に浮かんだ姿や像。心像。-広辞苑より。
心に何かが引っ掛かり、感じたままにとらえた私写真、という風に理解しております。ますますわかんないか。まあ、私小説というものがこの世にあるように、その写真版、とお考えいただいたらよいのではないでしょうか。
さて、今回の心象風景写真、さっそくアップいたしましょう。
何のことはない、秋の夕暮れでしょうか、植物がブレて写っている、それだけの写真ですよね。嗚呼、身も蓋もない。風を感じませんか?ざわざわとした何かを感じませんでしょうか?わざとスローシャッターでブラして、撮ってあります。現実の色とは変えて、フィルターを付けて撮っております。なぜ?・・・・・・そうすることがいちばん自分の気持ちにピッタリとあっていたからでしょうね。
写真・文 石郷岡まさを