gooブログはじめました!散歩写真の達人 石ちゃんのフォトエッセイ ーーー30年の私写真散歩 少しずつお見せしましょう。

「東京原色図鑑」散歩とスナップ写真1万点。
80年代の東京も。大好きな写真家に、濱谷浩、石元泰博、森山大道氏等。

カメ漫だらだら石ちゃん散歩 美しい風景って、・・・

2019年09月20日 | 散歩 健康 団塊世代 趣味 デジカメ

昔、ある高名な写真家の、ある一点の写真を見て泣いたことがある。

大変な方で、なんでも60年安保闘争の時に、なのかなあ、とにかく超売れっ子にしてまた実に素晴らしい写真をたくさん撮られた方だったのだが、あることから日本の写真界から干されて、ときいたが、でもその前に、当時の雑誌やなにから、大活躍された方でして、超売れっ子ですから、ぼくも後になってみることがあったんだと思う。作家などのポートレイトも素晴らしい写真がいくつも残っていて、・・・で、ぼくが写真を志す頃に、東京の郊外の小さな公民館のようなところでその写真家の見事なプリントを見たとき、涙が出てきましたね。

この写真家の写真は、銀座のど真ん中でやるような素晴らしい写真がたくさんある方なのにと思ったのでした。

 

なんと日本の写真界はケツの穴が小さいんだろうと思ったことです。

後にこの写真家は、世界を廻って、空撮で世界中の風景を撮っていたのですね、それが受賞に至ったのだと思いますが、世界で最も権威のあるハッセルブラッド賞を見事にとられたのでした。それがとてもうれしかった、ぼくには。

もうお分かりの方もいらっしゃるかも、濱谷浩 という写真家のことを書こうと思っているのです。「雪国」や、「裏日本」等の写真集が有名でしょうか。でもぼくは世界の各地を空撮で撮られた作品が大好きでした。

 

冒頭に恥ずかしながら、泣いた、という写真は、実は60年安保を撮ったものだったのですね。

いま、いやぁな感じを持ってこの数年間、見守っている事象に、「世界の絶景」とかいう類書がありますね、数年前にこれを見たときに嫌な感じだなあと思いました、

いったい誰が決めるんでしょうねえ、定番風景ばかり集めてそんなに面白いんでしょうか。しかも観光旅行の企画まで組んで行って、本当にそんな風景を見て楽しいんですか。

地球のほぼ裏側になる、ある風景を見たいがためにはるばる長い長い旅をして、でも広告の撮影隊などのチームを組んで行くのなら何日もかけて待っているのなら、素晴らしい絶景ももしかしたら見られるのでしょう、でも仮に見られたとしても、ぼくはそんな旅、一切魅力を感じませんね。

ぼくが好きな撮影旅行は、ふらりと何の予備知識がなくって、とにかく出かけて行って、現地の人とことばを交わしたり、町をぶらついたりして美しい風景を見つけたらさっと撮って、そんな撮影行が楽しいしぼくにあっているんだと思います。

こんな絶景見られますからねというだけで、興味は沸きません。

白紙の状態から自分で見つける、そんな旅なら大好きです。

 

最後に、濱谷浩氏の撮影行で、なるほどこれはいいだろうなと思ったアイデアを御紹介致しましょう。お弟子さんを連れての撮影旅行なんでしょうか、まずその街一番のタクシー会社をじっと見ていて、これはと思う運転手さんを探し、その方に頼むんですって。それで、撮影現場では、お弟子さんにはとにかく高い位置を探し出すために頑張ってもらうんだそうです。なるほどなあ、お忙しい撮影旅行でしょうから、もう撮影のノウハウは決まっているのでしょうね、それと、現地の人をとにかく撮るその速さ、凄いんですって。お弟子さんの書かれた記事でうろ覚えですが。

まあ、「絶景」などというはやり言葉に騙されているようでは オリジナルな光をとらえることなど無理も無理ということなんでしょうね。

フォト・文 石郷岡まさを