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映画&音楽のレビュー&日々起こる時事に絡めて商品をピックアップしながら論ずるブログです。Twitterとも連動中です。

映画『バッテリー』を鑑賞。

2007-03-10 15:27:39 | Weblog
中学入学を目前に控えた春休み、父の転勤で岡山の県境の街に引っ越してきた巧。ピッチャーとしての自分の才能を信じ、トレーニングに励む巧の前に同級生の豪が現れ、バッテリーを組むが…。

 映画の感想
 監督が滝田洋二郎と言う事で期待をして見たのだが、正直ガッカリである。
 監督の演出にケレンミが無く淡々と物語が進む。私は原作を読んでいないのと、野球は好きではない、だからなのかも知れないが登場人物に感情移入が出来ない。
 特に主人公の巧の気持ちが読み取れない、物語の設定上のキャラで野球一筋で他人に心を開かない人物なのだが、映画の中では他の人たちが何故かそんな巧に引き込まれる。巧は自己中心的で他人に対して横柄な態度で目上だろうが初対面だろうが俺様的態度で相手に接する、私の一番嫌いなタイプの人物だ。巧を演じた林遺都はそんな巧を旨く演じていた、いい目をしているので期待出来る新人。
 巧のバッテリーになる永倉豪を演じた山田健太も良かった。とにかく笑顔がいいのと声がいい、ムードメーカー的な存在で彼も期待出来る新人。

 映画は岡山に引越し転校した中学の野球部の話がメインなのだが、この野球部の顧問の戸村を演じた萩原聖人の気持ちも読み取れない。最初は横柄な態度で生徒に接していたのに巧の投げたボールを打った後から態度がガラリと変わってしまい、まるで別人に変貌してしまう。そして高校の恩師であった巧の祖父と過去の確執を語るシーンがあるのだが、セリフで語って絵で見せないのが難点。

 とにかく出てくる登場人物が皆偽善的である。いつから滝田監督はこんな作品を撮るようになったのだろうか?それでも本作で唯一人間らしいのは風紀委員をしている野球部の3年生のメガネの彼。彼の気持ちはよく判る。突然現れた巧に翻弄してヤッカミ嫉妬する気持ちが伝わる。巧を闇討ちのリンチをする本作で特筆するキャラだが、物語の中盤でフェードアウトしてしまうのが残念に思った。
 巧と母の関係も納得出来ない。巧と母には見えない壁があるのだけれど、ラスト直前に母が巧を受け入れてしまう過程がアッサリとしていて母の気持ちが読み取れない。 

 野球をテーマにした作品は海外や日本でも数多く作られている。人気のあるスポーツである事は判るが、本作の巧のようなワンマンプレーをする選手がいるチームというのは成り立つのだろうか?野球というスポーツはチームプレイでするスポーツと認識していたが、本作を見るとバッテリーだけが良ければ全てOK的に描かれていたのに疑問に思う。そして本作の主人公巧の気持ちを最後まで読み取る事は出来なかった。滝田監督は人物の気持ちを掘り下げて描く必要がある。

 最後に一言、主題歌熊木杏里の『春の風』のサビの一部分が、森高千里の(最近、松浦亜弥もカバーした。)『渡良瀬橋』のサビに似ているのが気になった。

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