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門あさ美「月下美人」 バージョン違いの謎

2021-06-05 16:00:28 | 音楽
門あさ美の楽曲はいくつかのバージョン違いがある。
 
最初に発売されたシングル盤、LP盤、ベスト盤などミックスが違ったり、尺が違ったり、アルバムを聴く度に発見がある。
 
今回、私が発見したのは「月下美人」だ。
 
一番代表的な物はLP「セミヌードに収録されたバージョンだろう。
尺が一番長く、エンディングに(おそらく)村上ポンタ秀一が叩くドラムソロが長い。
 
次がベスト盤「Ms.に収録された、エンディングのドラムソロがLP盤より短縮されたバージョンで、以降発売されたベスト盤はこのバージョンが使われることが多い。
 
そして、今更ながら発見したのがシングル盤バージョンだ。
に収録されているが、まずミックスが違う。
アルバム版と違いメリハリ感の強い音だ。
次にイントロのホーンセクションの入りが小さい。
更にコーラスの音が若干大きく、サビの門あさ美本人のハーモニーボーカルの音が大きい。
間奏のサックスソロには深めのディレイがかけられている。
次に2番のサビ前にスネアドラムロールが聞こえる。
エンディングは「Ms.」と同じ尺だと思う。
 
といった感じで、門あさ美というアーティストは謎が多くリスナーとして探求する事が楽しい。
一番顕著なバージョンは初ベスト盤となった「Ms.」には初期曲のミックス違いが多く必聴だ。

Superman - The Movie: Original Motion Picture Soundtrack

2021-05-29 18:17:28 | 音楽

 

最近、羽田新ルートの騒音対策としてNCイヤホンで音楽を聴いている。

今日は「スーパーマン」(78)サントラを聞いた。シンプルでストレートで力強いテーマ曲はジョン・ウィリアムズの真骨頂だ。

他にも往年のハリウッド映画を彷彿させる美しいメロディの「愛のテーマ」の他にも、「愛のテーマ」をBGMにロイス役マーゴット・ギターのナレーションが入ったボーナストラックなど、全曲聴きごたえ満点のサントラだ。


ラムゼイ・ルイス「ライヴ・イン・トーキョー」レビュー

2020-10-02 18:48:15 | 音楽

このアルバムは1969年日本のサンケイホールで録音されたラムゼイ・ルイス・トリオのライブ盤だ。

まず注目は前々から聞いて知っていた、アース・ウィンド&ファイヤー(以下EW&F)の創設者でリーダーのモーリス・ホワイトがドラムをたたいている。ベースはクリーヴランド・イートンだ。

ラムゼイ・ルイスとモーリス・ホワイトの関係はEW&F誕生以降も続き、

74年にはルイスの「太陽の女神」なんて大ヒットアルバムでモーリスが2曲プロデュースしている。

                                                                                   

タイトル曲の「Sun Goddess」はモーリス自身も気に入っているのであろう。

EW&Fが75年発売したライブ盤「灼熱の狂宴の中でも演奏している。

 

 話は戻り「ライブ・イン・トーキョー」を聴くと当時のジャズファンの熱気が伝わってくる。曲によっては客が手拍子までたたいている。

更にモーリス・ホワイトがEW&Fのアルバムで良く演奏に使う、自身のレーベルの名称にも使っている民族楽器“カリンバ”まで5曲目「ソング・オブ・マイ・ファーザー」で披露している。

まぁ、個人的にはルイスの真骨頂は70年代のフュージョンアルバムが好きなので、まだ純粋なジャズピアニスト時代のルイスのファンキーなピアノ演奏が逆に新鮮に聞こえてしまうアルバムだ。


追悼トミー・リピューマ

2017-03-15 19:42:00 | 音楽
   


 3月13日に米音楽プロデューサーのトミー・リピューマが亡くなった。

 リピューマと言えばワーナーブラザースで70年代に手掛けた、フュージョン系アルハ゛ムだ。変わった所でYMOの米進出を手掛けたのもリピューマだ。

 中でも代表的な仕事がジョージ・ベンソンが76年に発売した「ブリージン」だ。

 ジョージ・ベンソンの歌とギターをメインに、ハーヴィー・メイソン、ホルヘ・ダルト、ロニー・フォスター、ラルフ・マクドナルド、スタンリー・バンクス、フィル・アップチャーチら当時腕利きのミュージシャンのリズム隊に加え、ジョビンやジルベルトのオーケストラアレンジで知られるクラウス・オガーマンが奏でる流麗なストリングスアレンジを融合させたのだ。

 そんな歴史的な名盤なのだが、私も所有するCDを聞こうと探したが見つからず、仕方がなくAmazonのデジタル配信版を聞いた。

 いつも聞いてきたお馴染みの6曲が終わり止めようとしたら、まだ続きがあった。

 7曲目にShark Bite (Remastered Version)

 8曲目にDown Here On The Ground

 が収録されていた。

 7曲目は、詳細は不明であるが、多分同じレコーディングメンバーにクラウス・オガーマンの編曲が加わった曲だ。

 8曲目は、その後、このレコーディングメンバーで演奏したライブ盤「メローなロスの週末」の中でも演奏している曲のスタジオ版だ。

 素晴らしいオマケのついたデジタル配信版だ。CDを持っている方もこのボーナストラックは必聴だ。

「門あさ美/Ms.」レビュー

2014-11-16 17:17:04 | 音楽
   写真上初CD盤、写真下08年盤  

 

 門あさ美が83年にリリースしたベスト盤だ。アルバムで言うとファーストアルバム「Fascination」から4枚目「hot Lips」までの選曲に、アルバム未収録の2曲「HOLD MY HEART」、「HONY」を収録したアルバムである。

 当時の目玉はアルバム未収録の2曲であるが、今ではこの2曲も様々なベスト盤に収録されて貴重価値は低くなった。そこで、このアルバムで注目するのは1~3曲目となる「FASCINATION」、「FANCY EVENING」、「BLUE」である。

 79年発売ファーストアルバムに収録された3曲は、オリジナルミックスと違う83年版のリミックスとなってる。オリジナルミックスは当時ブームのフュージョンっぽい、楽器の1音1音が大らかなスタジオセッション風のミックスとなっているが、83年版は全体的にボーカルとパッキング演奏を綺麗なバランスにまとめた感じだ。

 「FASCINATION」はオリジナルのエンディングは、主旋律のハープシコードが1オクターブ上がって終わるのに対して、83年版の主旋律はそのまま終わっている。

 「FANCY EVENING」はオリジナルでは隠れていた、Aメロのフェンダーローズの音が、83年版は前面に出ていてパッキング全体が別印象を受ける。さらにオリジナル版後半ブレイクからのドラムプレイから、派手なフィルインがカットされてフェードアウトされた別バージョンである。

 「BLUE」も全体的にバランス重視のコンパクトなミックスとなり、ラストのフリューゲルホーンのソロがオリジナルと83年版は違う。

 本作は今となっては中途半端なベスト盤となり、その後、02年発売のテイチク盤ベスト門あさ美 TWIN VERY BEST COLLECTION」には新曲「春の日に君を想う」が収録され、更にテイチク版と東芝EMI盤を網羅した「Present Asami Kado ~30th Anniversary~には、門あさ美がテレビ出演した「コッキーポップ」の映像を収めたDVDが付いている。

 オリジナル版の発売から25年の時を経て蘇った「Ms.」。LP盤の付録だった12ページの写真集が縮小された形で復刻されている事が嬉しい。なんだかんだ言ってファンであれば手元に置きたいベスト盤である。