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映画&音楽のレビュー&日々起こる時事に絡めて商品をピックアップしながら論ずるブログです。Twitterとも連動中です。

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映画「Life 天国で君に逢えたら」を鑑賞しました。

2007-08-26 18:41:02 | Weblog
 映画の話
 夏樹(大沢たかお)と寛子(伊東美咲)は、サーフィンを通じて知り合い、お互いに一目で恋に落ちた。意気投合した2人は付き合い始め、やがてハワイで挙式する。プロ・ウィンドサーファーの夫とともに世界中を回っていた寛子も、妊娠後にサーフィンを引退。子宝にも恵まれ、幸せな日々を送っていた彼らだが、ある日、夏樹が肝細胞ガンだと診断され……。

 自在のプロウィンドサーファーの飯島夏樹のエッセイを元に映画化した作品だ。

 映画の感想
 映画全体が綺麗事ばかりに終始していてもどかしい。
 私は原作を読んでいないので映画を元に書きますが、まず構成に難がある。

 映画は起承転結で言う結の部分から始まり、話がさかのぼり時系列に進み、起承転結の起の部分で終わる。この構成の意味している部分は判らないが、時系列通りに描いた方が素直に感動出来たと思う。

 映画は二人の出会いをバッサリとカットして、それまでの経緯を伊藤美咲演じる寛子にセリフで言わせて誤魔化しているのが気に入らない。ちゃんと大事部分なのだから短くてもいいので絵で見せて欲しかった。

 ウィンドサーフィンのシーンも大沢たかおが演じているのか、スタントの人が演じているのかは不明だが、ウィンドサーフィンをする姿を映す引きの絵と、大沢たかおの上半身と顔のアップを多用した絵作りが嘘くさくて駄目だ。

 私が本作で一番気になったのは「お金」の話が映画から見えてこない。映画の始めこそ海外で金も無くホームレス同然の夫婦の生活が描かれているのだが、オーストラリアのワールドカップに優勝した後は、ハワイ在住のリッチな暮らしで、夏樹が病気になり日本に帰国して闘病生活を送るのだが、セリフによると「一年間に大きな手術を2回受けて、入退院を17回繰り返した。」と言っていたが、そのお金のやり繰りが見えてこない。ガン保険に入っていたとか、蓄えがあったとかセリフでもあれば良いのだが、主人が病に倒れたのに相変わらずリッチな生活だし、奥さんが働いている様子も見えてこないし、最後はまたハワイに移住している。

 次にお父さんが難病なのに子供達がヒョウヒョウとしていて、長女の小夏だけが動揺していたが、下の子供達は終始楽しそうだし、葬式でも泣いてなかった。

 それから奥さんの寛子もセリフで「あなたの下の世話も出来て良かった。」みたいなことを言っていたが、ちゃんとそのシーンを作れよ!そのシーンが入る事で映画として奥行きが出るのに汚いことには蓋をする姿勢が駄目だ。伊藤美咲ではセリフで言うのが限界か?

 それでも一つだけいいシーンがあった。夏樹が死の恐怖に耐えられず、町を徘徊して道路に飛び出し大型ダンプにはねられかけられるシーンがあるのだが、大抵このようなシーンはトラックの運転手が高圧的に「バカヤロー!何処見てんだ!」とか怒鳴るパターンが多いのだが、本作の運転手はトラックから降りてきて「おい、大丈夫か?」と相手を気遣うシーンがあったのが唯一の救いか・・・。

 映画は一人の人間の人生の大事な部分だけを汲み取りダイジェスト的になるのは仕方が無いとしても、ちゃんと負の部分も描かないと駄目だ。綺麗事だけ見せて感動しろって言うのもどうかと思う。監督の力量不足をヒシヒシと感じる作品であった。
 
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映画「呪怨 パンデミック」を鑑賞しました。

2007-08-15 14:08:21 | Weblog
 映画の話
 東京。インターナショナルスクールに通うアリソンは、クラスメートのヴァネッサとミユキに連れられ、幽霊屋敷として有名な住宅地の一軒家にやってくる。その家はかつて伽椰子という女性に惨殺され、当時6歳だった伽椰子の息子、俊雄も行方不明のままだった。やがて、少女達の悪ふざけはその家に宿った恐ろしい怨念を呼び覚ましてしまう・・・。

 実は私は本作をマスコミ試写で一度鑑賞済みであったのだが、前回すっかり映画に騙されてしまったので今回は冷静にストーリーを追う事に専念して複雑に入り組んだバラバラの時系列を頭の中で再構築する意味も含めてリベンジする事になった。

 映画はハリウッド版としては2作目に当たるが、日本で製作されたオリジナルビデオ版2作と、劇場版2作あるので通算すると6作目に当たる。
 前作の「THE JUON/呪怨」はどちらかと言うと日本の劇場版一作目のリメイクだったのに対して、本作は完全にアメリカ版のオリジナルストーリーと考えていいだろう。

 同じ映画を6本も作ればネタも尽きたと思ったら大間違いだ。今回は大きく分けて日本とシカゴを舞台に3つの話が時系列をバラバラにして同時進行で進行するので話が一本調子にならずミステリアスに描かれる。

 映画の感想
 面白かった!伽耶子も俊雄(今回は尾関雄哉が成長してしまい田中碧海に変更)も出まくりでチラシによると伽耶子は18回、俊雄は6回も登場したそうだ。そう、この出し惜しみしない姿勢が本作のいい所で、伽耶子と俊雄が出てくると毎回鳥肌が立ってしまうくらいだ。

 今回は多分アメリカ側の要請だと思うのだが、伽耶子の子ども時代のエピソードも描かれ、「リング」の貞子に匹敵する最恐キャラに更新した。

 映画は「呪怨」ファンであればニヤリとするデジャブ的なシーンが多々あり、似ているのに違う展開にしてあり、作り手たちのアイディアと努力を感じさせられる。

 ただ難点は役者に華がない事だ。前作ではビル・プルマン(本作にも出演しているが)サラ・ミシェル・ゲラー、石橋凌という主役級のキャストに比べると本作は新人ばかりで華やかさがない、エディソン・チャンが唯一の救いか。

 それでも清水崇の演出は絶好調!伽耶子の呪怨は海を渡りアメリカにまでパンデミック(爆発的感染)してしまった。日本版とは違うベクトルで動き始めた「呪怨」、シリーズはまだまだ続きそうなので楽しみ。

 P.S. マスコミ試写のときはエンドロールがオーケストラの音楽だったのが、今回は本作に出演している宇野実彩子のウルサイ歌に挿し換わっていました。

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映画「トランスフォーマー」を鑑賞しました。

2007-08-13 23:42:10 | Weblog
 映画の話
 2003年、火星にビークル2号探知機を打ち上げるが、火星に到着後NASAとの交信が途絶えてしまう。その後、アメリカ、パリ、東京、さらにはアメリカ大統領の乗るエアフォース・ワンの機内など、世界中の至るところで同時期に奇妙な現象が起きる。人間たちは、それが地球上のあらゆるテクノロジーをスキャンする知能を持つ“金属生命体”のしわざだとは知らず……。

 製作総指揮のスティーブン・スピルバーグと監督のマイケル・ベイが揃って日本語で挨拶をする予告を見た時に感じた違和感。マイケル・ベイといえばジェリー・ブラッカイマーの申し子的な存在で、スピルバーグとは水と油のような関係と思っていただけに、今回のコラボレーションがどのような化学反応を起こすのか楽しみにしていた作品である。

 出演者は、SFXにお金が掛かってしまったのか若手の新人たちが多く、主演のシャイア・ラブーフは「コンスタンティン」でキアヌ・リーブスの助手をしていた青年で、いつのまにかこんな超大作の主演を勤めるようになったのは正直驚いた。
 その他にジョン・ヴォイトジョン・タトゥーロのベテラン勢がサポートしている。

 映画の感想 ややネタバレあり
 これは正しく日本のアニメが描くロボット対戦ものを実写で描いた娯楽作で、スピルバーク色は弱く、マイケル・ベイらしい力ずくで押し切るロボットアクション大作である。

 幕開けに、謎の生命体による米軍カタール基地への襲撃を描き、観客をショック状態にして、謎の物体に対する対応を時系列で進む話は、スピルバーグの「未知との遭遇」を思わせる展開で期待をするのだが、主人公のサムが登場してから話の雲行きが悪くなってくる。何せサムは高校生なので車が欲しい、ガールフレンドが欲しいやら、今時の高校生そのもので、映画はベイ初の青春物語に変貌してゆく。

 本作は3つの舞台が同時進行で進んで行き、主人公のサムと、カタール基地から生き残った兵士たちと、ペンタゴンに集められたハッキングのプロたちの活躍が描かれ、そこにアメリカ政府、米軍、トランスフォーマーを研究する「セクター7」が絡み、大騒動に発展してゆく話で、SFを期待すると裏切られる。マイケル・ベイらしい大味のロボット対戦ものと思ってみた方が良い。

 ドラマは主人公と同じ低年齢の観客を意識したのか、重量級のアクションとコメディ色の強い話で非常にバランスが悪い。ベイの演出も「バッドボーイズ2バッド」辺りからドラマとアクションのバランスの悪さが気になっていたが、本作も何とも居心地の悪いドラマだ、どちらかと言うと「インデイペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒの演出に近い感覚。エメリッヒはもともとスピルバーグを意識した演出をする人物で、いつのまにかご本家がエメリッヒのテイストを吸収してしまったみたいな不思議な作品で、特にエメリッヒっぽいのは、過去に飛来したトランスフォーマーを研究する「セクター7」で、「ID4」で描かれた「エリア51」のエピソードに似ているのは笑った。

 しかし、SFXの出来は素晴らしい。ある物体からロボットにトランスフォームする様はコマ送りで確認したいくらいの出来で、実際にその場所にロボットが居るみたいで、最後のロボット対決は凄い。この映画の凄い所は、ロボット同士の対決の中心に人間たちが居る事で、爆風で人々が吹っ飛び、ロボットの中を逃げ惑う人々がちゃんと描かれていて、日本の怪獣映画で感じられないカタルシスを感じる事が出来る。日本の怪獣ものは、人間は安全な所にいるか、飛行機、車、怪獣型のマシンを操縦して怪獣と戦うのだが、本作では武器を持って生身の人間がロボットと対戦するので見ていて感動さえ覚える。この辺はベイの力の見せ所で演出も冴えまくっている。それにしてもベイは軍隊と車が好きなんだね、ベイのヲタクぶりが画面からにじみ出ている。

 映画全体を見ると明らかにマイケル・ベイ作品そのもので、ベイ作品が好きな人には大歓迎されそうで、ロボット、怪獣、軍隊ものが好きな人にも歓迎されそうな内容。
 まぁ、それにしても子供の玩具からスタートしたキャラクターものが、ココまでの作品を実写で作るアメリカ映画にはアッパレである。

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