e-mono select

映画&音楽のレビュー&日々起こる時事に絡めて商品をピックアップしながら論ずるブログです。Twitterとも連動中です。

おすすめPR

映画『ナイトミュージアム』を鑑賞。

2007-03-10 16:52:55 | Weblog
 ニューヨークで暮らす失業中のラリー(ベン・スティラー)は前妻が(キム・レイヴァー)が再婚すると知り動揺する。愛する息子ニッキー(ジェイク・チェリー)とのきずなを保つために、ラリーは自然史博物館の深夜勤務の夜警員の仕事を引き受け、真夜中に警備を始める。ある夜、展示物が魔法を使ったように生き返り、ローマのグラディエーターやカウボーイたちがジオラマから飛び出して戦いを始め……。

 まずキャストの話から、主演のベン・スティラーがいい。体と表情を柔軟に使い笑いを取る。彼には個人的な見解ではあるが『猿の惑星』をリメイクする時には主役の猿を演じて欲しい、とにかく眼力と体つきが猿っぽい。博物館の前任の警備員トリオを『メリー・ポピンズ』のディック・ヴァン・ダイクと、まだ生きていたミツキー・ルーニーとビル・コップス。展示物の大統領にロビン・ウィリアムス。カメオ出演であの人気スターも大活躍。

 映画の感想
 こういう映画は絵で見る作品なので、気軽に子供と一緒に見るにはピッタリの作品。映画の話的には、無人になると動きだすおもちゃを描いた「トイ・ストーリー」と、ボードゲームの展開に合わせて動物が暴れまわる「ジュマンジ」をミックスした感じで、展開は予定調和的で後半はかなり強引に進み、ご都合主義的な面も多々ある。試写会場はかなり受けていましたが見たあとは何も残らない。
 それでもVFXの出来がいい、恐竜の骨が走り回り、様々な動物が動き回る。
 そして久々に音楽のアラン・シルベストリが元気のいいスコアを書いている。
時に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ばりのオケヒツトに、「ホワット・ライズ・ビニース」の時みたいなバーナード・ハーマン調の音楽で不安をあおる、実に旨い。そして先日見た『パベル』(近日中にレビューを書きます。)に続いて、またEW&Fの「セプテンバー」が流れていたけど、今アメリカ映画界ではEW&Fブーム?
 話はそれましたが、映画は殆どが博物館だけの話なので広がりが無いのが難点ではあるがコメデイ作品としては上々の仕上がりである。
 
 映画『ナイトミュージアム』の関連商品はコチラをクリック。






映画『バッテリー』を鑑賞。

2007-03-10 15:27:39 | Weblog
中学入学を目前に控えた春休み、父の転勤で岡山の県境の街に引っ越してきた巧。ピッチャーとしての自分の才能を信じ、トレーニングに励む巧の前に同級生の豪が現れ、バッテリーを組むが…。

 映画の感想
 監督が滝田洋二郎と言う事で期待をして見たのだが、正直ガッカリである。
 監督の演出にケレンミが無く淡々と物語が進む。私は原作を読んでいないのと、野球は好きではない、だからなのかも知れないが登場人物に感情移入が出来ない。
 特に主人公の巧の気持ちが読み取れない、物語の設定上のキャラで野球一筋で他人に心を開かない人物なのだが、映画の中では他の人たちが何故かそんな巧に引き込まれる。巧は自己中心的で他人に対して横柄な態度で目上だろうが初対面だろうが俺様的態度で相手に接する、私の一番嫌いなタイプの人物だ。巧を演じた林遺都はそんな巧を旨く演じていた、いい目をしているので期待出来る新人。
 巧のバッテリーになる永倉豪を演じた山田健太も良かった。とにかく笑顔がいいのと声がいい、ムードメーカー的な存在で彼も期待出来る新人。

 映画は岡山に引越し転校した中学の野球部の話がメインなのだが、この野球部の顧問の戸村を演じた萩原聖人の気持ちも読み取れない。最初は横柄な態度で生徒に接していたのに巧の投げたボールを打った後から態度がガラリと変わってしまい、まるで別人に変貌してしまう。そして高校の恩師であった巧の祖父と過去の確執を語るシーンがあるのだが、セリフで語って絵で見せないのが難点。

 とにかく出てくる登場人物が皆偽善的である。いつから滝田監督はこんな作品を撮るようになったのだろうか?それでも本作で唯一人間らしいのは風紀委員をしている野球部の3年生のメガネの彼。彼の気持ちはよく判る。突然現れた巧に翻弄してヤッカミ嫉妬する気持ちが伝わる。巧を闇討ちのリンチをする本作で特筆するキャラだが、物語の中盤でフェードアウトしてしまうのが残念に思った。
 巧と母の関係も納得出来ない。巧と母には見えない壁があるのだけれど、ラスト直前に母が巧を受け入れてしまう過程がアッサリとしていて母の気持ちが読み取れない。 

 野球をテーマにした作品は海外や日本でも数多く作られている。人気のあるスポーツである事は判るが、本作の巧のようなワンマンプレーをする選手がいるチームというのは成り立つのだろうか?野球というスポーツはチームプレイでするスポーツと認識していたが、本作を見るとバッテリーだけが良ければ全てOK的に描かれていたのに疑問に思う。そして本作の主人公巧の気持ちを最後まで読み取る事は出来なかった。滝田監督は人物の気持ちを掘り下げて描く必要がある。

 最後に一言、主題歌熊木杏里の『春の風』のサビの一部分が、森高千里の(最近、松浦亜弥もカバーした。)『渡良瀬橋』のサビに似ているのが気になった。

 映画『バッテリー』の関連商品はコチラをクリック。