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映画&音楽のレビュー&日々起こる時事に絡めて商品をピックアップしながら論ずるブログです。Twitterとも連動中です。

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映画『ブラックブック』を鑑賞。

2007-03-23 17:16:45 | Weblog
 この作品は「4番目の男』以来バーホーベンが23年ぶりに祖国オランダで撮られた作品で、前作「インビジブル」から6年ぶりの作品である。

 さて映画の話、第2次大戦中のナチス・ドイツ占領下にあるオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。ラヘルは復讐のために名前・容貌を変え、スパイとしてドイツ諜報部の将校に近づくが、次第に彼を愛するようになる――。

 映画を見る前は宣伝コピーの「スピルバーグの『シンドラーのリストポランスキーの『戦場のピアニスト』そしてバーホーベンの『ブラックブック』遂に登場!」と書いてある文を読んで、「バーホーベンが小難しい戦争を舞台にした文芸作でも撮ってしまったのか。」と落胆をしたが、映画が始まりその不安は一瞬で吹き飛んだ。
 オープニングから爆撃機で家は木っ端微塵になるし、ドイツ軍の容赦ない襲撃、スパイになった主人公の潜入活動、レジスタンスとドイツ軍の戦い、裏切り者の暗殺など、ハラハラドキドキの連続で、本作は戦争を舞台にした娯楽作という事に気づく。

 とにかくバーホーベンの演出が冴えている、気を抜いたところに突然ドイツ軍が現れたりで、ハリウッドで身に着けたドハデなアクションとヒッチコックばりのサスペンスが偉観なく発揮されている。そしてバーホーベンお得意のエロスとヴァイオレンスも健在で6年間のブランクを感じさせない作品。
 映画には、死体から金品を剥ぎ取るドイツ兵、路上の食べ物に群がる子供達、殺人の罪を苛まれるレジスタンス、ドイツからオランダに寝返る将軍と秘書など、実際に少年時代に戦争を体験した醒めた視線で反戦のメッセージも込められている、第一級のサスペンス・エンタテインメント作品。

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映画『ホリデイ』を鑑賞。

2007-03-23 17:06:12 | Weblog
 アイリス(ケイト・ウィンスレット)はロンドン郊外に住む女性記者、アマンダ(キャメロン・ディアス)はハリウッドの映画予告編制作会社の女社長。ハタから見れば充実した毎日を送っている2人。しかし今年のクリスマス、アイリスは恋に破れ、アマンダは同棲生活に終わりを告げて、それぞれ人生最悪のホリデイとなる模様。気分転換が必要な2人はインターネットの“ホーム・エクスチェンジ”(条件の合致するもの同士が、バケーションの間互いの家に住むこと)に申し込み、いつもとは違った環境に身を置くことに…。

 まず魅力的なキャスティング、このメンツを見ただけでヒットの予感。映画はオープニングから粋な始まり方で始まる。舞台はロンドンとハリウッドだが、登場人物の人間関係は極めて狭い、キャメロンとブラックのハリウッド組みと、ロンドンのケイトとジュードの兄妹とでピンポイントで恋愛が交差する。
 本作は、なかなか洒落た映画である。まず、キャメロンの始めの恋人が「彼女は最高」の中でキャメロンの元フィアンセだったエドワード・バーンズだったり、ケイトの役名がケイトの主演作『アイリス』のアイリスだったりと小ネタが随所に散りばめられている。
 それにしても、本作のキーポイントとなる”ホームエクスチェンジ”なる制度が日本では馴染みが無く映画の中でもサラリと描かれて、チョコっとのメールのやり取りで見ず知らずの他人に家を貸してしまうのには疑問を持った。もう少し審査とかしないと相手が盗人かもしれない、なんて猜疑心の強いmasalaとしては、かなりアバウトな展開に唖然となる。
 牧歌的なロンドンのケイトの家と、対照的にハリウッドのキャメロンの豪邸、仕事が予告編製作と言う事で家の中には豪華なAVセットと膨大な数のDVDのコレクション、もちろんAV製品はコロンビアピクチャーの大本のSONY製品なのだが電話だけPanasonicとチグハグな小道具だ。
 そしてお決まりのロンドンっ子のケイトと、ハリウッドから来たキャメロンのカルチャーギャップが一通り描かれ本題の恋愛話に突入する。まぁ、恋の話はかなり安易に展開するので省略します。

 ケイトのサブストーリーにイーライ・ウォラック演じる映画脚本家の話がいい、これだけでも一本の映画が出来そうなエピソードだ。製作者たちが先人の映画製作者に向けて敬意を込めた話のように感じる。
 それから登場シーンは少ないがジャック・ブラックが演じる映画音楽家の話も面白い、車のカーステレオからはエンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』の曲が流れ、ケイトにおススメのDVDをビデオショップで紹介するシーンなど映画ファンならニヤリとさせられるシーンだ。さりげなく本作の音楽を担当したハンス・ジマーの『ドライビング・Miss・デイジー』を褒めてみたり、ジャックのフェイバリットムービーとして再度モリコーネの『ミッション』を取り上げたりで、モリコーネにオマージュを捧げまくりの状態にまたニヤリ。このシーンでは、あの大物俳優もカメオ出演しています。
 そしてハンス・ジマーの音楽がまた良い、普段のアクション映画で聞かせるゴリ押しのスコアと違い、ゆったりとした美しいスコア。(エンドクレジットにはソロリストとしてトランペット奏者でA&Mの社長ハーブ・アルバートの名前も発見。)

 映画の感想
 面白かった。二つの映画を一本にしてしまったボリューム感で、恋愛映画としては安易ではあるが、サブストーリーが活き活きと描かれ脚本も細かい所まで目が行き届いている。映画ファンをニヤリとさせる小ネタも満載で演出も旨い。監督のナンシー・メイヤーズの前作の『恋愛適齢期』も面白かったけど本作も面白い。
ラブコメ初挑戦のケイト・ウィンスレットも楽しそうに演じていた。ラブコメとしては上出来、デートムービーとして最適な作品である。

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「銀河鉄道999盗作騒動で提訴」について。

2007-03-23 16:44:11 | Weblog
 槇原敬之が『銀河鉄道999』の盗作の疑惑を訴えた松本零士を提訴したそうだ。
 この問題はまだ終結していなかったんだね。って言うか蒸し返す必要があるのか?
 私は個人的に槇原にとってマイナスになると思うのだけれど。
 いくら裁判で勝ったとしても槇原のイメージが悪くなるのは必至だ。

 この問題は、はじめから素直に槇原が松本に対して謝罪して幾らかの和解金で済んだ話だったのに、槇原側が強行に相手の主張を突っぱねたのが問題をこじらせてしまったのではないか?
 
 槇原のプロフィールを調べた所1969年生まれで私と同世代であり、小学生時代に『銀河鉄道999』が大ブームとなり、劇場版の公開初日には映画館に徹夜で並んで映画を見たくらい大フィーバーで、原作本やTVアニメに熱中した世代である。そんな時代を生きていた槇原が『銀河鉄道999』を読んだ事が無いとの主張自体に違和感を感じる。
 
 人間の記憶とは凄いもので、昔、読んだり聞いたことが頭に刷り込まれていて、その見聞きした元を忘れてしまい、ある一部分だけを鮮烈に覚えていると言う事は良くある事だ。
 今回の一件も、そんな人間の曖昧な記憶が起こした騒動ではないだろうか?
 とにかく提訴をしても裁判前の和解も出来るのだから、お互い深い傷がつく前に妥協点を見つけて和解する事が先決だと思う。

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