音次郎の夏炉冬扇

思ふこと考えること感じることを、徒然なるままに綴ります。

またまた交通機関でおかしな人が・・・

2007-04-11 01:22:52 | 身辺雑記
先日のエントリーから日を置かずして、またもや、けったいな人に遭遇してしまいました。何も神様がブログネタを配剤してくれているわけではないでしょうが、今度は電車です。今日は不愉快というよりも、社会の劣化をより痛感させられるとともに、ちょっと自分のこれからが不安になってきました。

22時過ぎに会社を出たのですが、今日はヘトヘトだったので、乗り込んだ電車の2駅目で自分の前の席が空いたときはホッとしました。さあ寝ようと思った矢先、その次の駅で就学前と小学校低学年と思しき小さな子供二人を連れたご婦人が、私の目の前に立ちました。少女二人は見るからに不安定で、母親は「手すりにつかまっていなさい」としきりに声をかけているので、当然のことながら席を譲りました。反対側の正面の吊り棚に鞄を置いて立っていると、目の前に座っているおぢさんが、しきりに私が後にした正面の列と私の顔を交互に見遣りながら、何やらつぶやいています。譲った跡を振り返らなかったのですが、車窓に映る光景を見て、少女のうち一人が、私がいた席に座っているのを確認できました。

と、ここまでは何でもないことなのですが、私の前に座っている作曲家の三枝成章を貧相にした印象の推定50歳前後のおやじが、「あ~あ、可哀相になあ」と聞こえよがしに言うのですね。てっきり、まだもう一人の子供が立っているので、それを指してのことだと思いました。そんなに余裕があって気になるのなら、自分が譲ればいいじゃないのという感じなのですが、なんか私に向かって言っているようです。

「なあ、あんた良かれと思ってやったことだろうが、仇になったな」

「は」

「あんたのせいで隣に座ってた人が、今いたたまれなくなって電車降りちゃったよ」

「・・・・」(いたたまれなくて「降りた」って何故わかる???)

降りたかどうかは知りませんが、私の両側に座っていたのは同年代のサラリーマンですよ。

てっきり酔っぱらいかと思いました。でも顔にうっすらと朱みがさしているものの、べろべろというわけでなく、その内容はともかくとして話すこと自体はしっかりしています。電車の走行音で声が聞き取りにくかったので、再三かがんで耳を傾けましたが、その際もそれほど酒臭くはなかったのですが・・・。

「それにしても独りよがりの典型的なパターンだよな」

「自分はいいことしたつもりで気持ちいいだろうが、周りが見えてないってことなんだな」

この人は何のために、自分は足を広げて座りながら、したり顔でこのような嫌みな解説をして、悦に入っているのでしょうか??

論争するのもバカバカしいのですが、さすがに一言発せずにはいられなくて

「まあ結果座れたんだからいいじゃないの」と返したら、

「いや、全ての事象は結果で判断されなきゃいけないんだよ、うん」

「はあ・・・・?」

ちょっとデンジャラスかも。

善意の押し売りをしているつもりはないし、自分がやったことと同様なことを周囲に強要するつもりはさらさらないのですよ。超満員ではなくとも電車は揺れるので子供は不安定で危ないし、同じような学齢の子を持つ者として座らせてあげたいと思うのが人情じゃありませんか。例えばエレベーターのない地下鉄駅の地上に出る長い階段で、一人でベビーカーと荷物を持ちながら子供を連れているお母さんとか、自分も途方に暮れた経験があるだけに、そういうときは手伝うのですが、別に評価してほしいとか感謝してほしいということ以前に、当たり前の行為であり、そういう相互扶助は別に大袈裟なことでもなんでもないと考えています。自分一人の出来ることは限られていて、全てを変えることはできません。でも、たとえ根本的な解決にならなくても、目の前に直面したことに自分ができることをしていくしかないじゃありませんか。それをくさしたり、ケチつけたりする意味がよくわからないのです。

「あんた新入社員なの?」

「は?」

質問の意味がまるでわからないので、思わず聞き返したら、しつこく繰り返すので、

「何故そんなことに答えなきゃならないの?」と返すと

「言いたくなきゃ言わなくてもいいよ、見りゃわかるから、ふふふ」

明らかにせせら笑っているようなので、本来はこの辺でボコボコにしても、法律で免罪してほしいと思うのですが・・・。まあニュアンスから想像するに、

「いい歳して、新入社員みたいな青臭いことしてんじゃないよ、バ~カ!」と言いたかったのかもしれません。

電車で席を譲っただけで、何故こんな不愉快な思いをしなければならないのでしょう?

酒の匂いが充満する日曜夕刻の武蔵野線にいっぱいいる、明らかに酩酊しているジャンパー姿のおっさんではないのですよ。普通のサラリーマン風なんです。

なんだかうすら寒くなってきました。

あまりに腹立だしいので、場所を移動してもよかったのですが、そのおやじにしたら、私が正面に立っていることが不快なのでしょうから、意地でもここにいようと、そのまま吊革につかまって目を閉じてシカトしていました。

「なあ、どこで降りるの?」

(無視)

おやじの隣が空きましたが、私が立ったままでいるのでそこに座ったご婦人にも、「どこで降りるの?」とかしきりに訊いてましたから、やっぱり只の酔っぱらいだったんでしょうかね。


電車を降りてから、つらつら考えてちょっと不安になったのですが、もしかしたら、己から発散する妖気というか殺気が、失われているのではないかと。諸々のことで知らず知らずのうちに守りに入っていて、ある種の迫力をなくしているのではないだろうか。こういう風に数日間のうちに続けて人に絡まれるというのは、今までの人生の中でなかったものですから、もしや、これは何かとてつもない災厄に見舞われる予兆なのかと思ってしまったのです。

本来の私は、ここ2年くらいの間に限っても、こんな感じです。

ラーメン屋で食べ終わって、レジで会計しようとしたら、注文間違えて打ち込んでいたらしく、

「おい、それ違うやろが」

と一言つぶやいただけで、さほど強いクレームではなかったのにもかかわらず、レジの女の子が「ひーっ」とばかりに奥に引っ込み、店長と相談したらしく

「お代は結構ですから」

おいおい、誰もタダにしろとまで言ってないでしょうが!

または、同僚とパートナーの方と3人でお客さんのところに訪問した帰り、喫茶店で打ち合わせしていた時に、店員がトレイを滑らせて粗相をして、コーヒーをこぼしてしまったことがありました。

被害状況は私の靴の爪先に、ちょっとコーヒーの飛沫が飛んだだけなので、恐縮するウエイターを黙って見ていただけなのに、またすかさず店長がすっとんで来て、

「ここは全てうちで持たせていただきますから」

ってせめてコーヒーサービスくらいが適当じゃん。何もカツサンドやワッフルなど3人で飲み食いした総額3千円近くまで無料にしなくたって・・・。なんにも脅したりしてないんですよ。この時は「音次郎さん、ありがとうございます」と一緒にいた人に感謝されたのですが・・・


俺はヤクザじゃないっつーの。


私に対する評価がことのほか低い妻も、唯一魔除けとしての存在価値だけは認めていて、上の子のとき、慣れるまではよく私を幼稚園に引っぱり出していました。

「私と子供がいじめられないように」

周囲へのプレッシャーに使っていたことを、後になって仲の良い他のママから聞きました。

「○○君のパパって、話してみると意外とソフトなんですね」

俺は何者なんだよ!

幼稚園ママの間でも、うるさいので内心では忌避しながらも皆が従っているような、友近をもう少し崩したような顔をしたボス格の人がいるのですが、私は彼女にあまり悪い印象を持っていなかったのです。なぜなら私に対しては礼儀正しく、会うと必ず挨拶してくるから、

「悪い人には見えないけど」と妻に言うと、

「あんた怖いからビビってんねん、他の誰にも挨拶なんかしてはらへんよ」


そんなにヤバイのか・・・・たしかに強面かもしれないけど。


そんな私も、ヤキがまわったのでしょうか。もし隙が出来ているのだとしたら、痴漢冤罪ではありませんが、何かに巻き込まれることに注意せねばならないかもしれません。

最近、自分が相当我慢強くなっているのだけは確かですが。




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5 コメント

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公開やめました (マルセル)
2007-05-02 17:32:18
> 誤解されて捕まらないよう気をつけてくださいね。

公開やめました <(__)>。
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なぜか (音次郎)
2007-05-01 22:46:22
マルセルさんの処には、以前から何度コメントしてもうまくいきません。。 大胆な映像ですが、誤解されて捕まらないよう気をつけてくださいね。

>一度お会いしたいモノでございまつw。

私もお目にかかってみたいです。
返信する
災難でしたね (マルセル)
2007-04-30 13:38:42
災難でしたね。
ボクなら直ぐに車両を替えます。

> 就学前と小学校低学年と思しき小さな子供二人を連れたご婦人が、私の目の前に立ちました。

ボクは子供は立ってろという人間です。
今まで席を譲ったことはありません。
フツーに歩けるような子供が席に座って、靴で隣りの人を服を汚していると腹が立ちます。
それより、お年寄り、身障者、妊婦さんに席を譲りたいですね。
まあ妊婦だと思ったのが、便秘がキツイ人だったりするとヒジョーに気まずくなりますが...

> 俺はヤクザじゃないっつーの。

一度お会いしたいモノでございまつw。
何かあったら指詰めますケン(←ウソ)。
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なるほど (音次郎)
2007-04-15 06:53:44
>VEMさん、毎度ありがとうございます。
私も山本甲士はあらかた読み尽くしてしまいました。「花の巻」がお気に召されたそうですが、VEMさんのブログから推察されるお人柄からして、頷ける気がします。
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眉の巻のようですね (VEM)
2007-04-14 12:10:23
先月紹介されたわらの人を昨日やっと読み終えました。このエントリを読ませていただいてわらの人と同じようなことを実経験されているのだと感じました。

きっかけは何にせよ気持ちが印象となっているのでしょうから、確かに大変ですね。私も気をつけたいと本とエントリのセットで思いました。

とはいっても、小説はおとぎばなしですから、私は音次郎三お勧めの犬の巻よりも悪人が一人も登場しない花の巻が一番気に入りました。気持ちが相当に弱いかも知れません。
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