ガチの受験生ではなく、愉快犯チームの仕業という気がするんですが・・・。だって、京大はじめ件の有名大学に合格しようと本気で願うのならば、仮にモバイルカンニングの手口を実行するにしても、あれほどおおっぴらにやらなくてもよい。あえて公開しているんでしょう。
タイムリーに回答を書き込んでいるのは、もちろん善意の第三者ではない。でも協力者(というよりチームメンバー)がクイックレスを返すのであれば、別にどんなWEBサイトでもいいわけです。たとえば、このブログだってコメント欄を管理者が承認するまで反映されない設定にしていないのだから利用は可能です。また、ちきりんさんがツイッターで呟いていたように、英語や中国語を使ってマイナーなサイト経由でやれば、こんなに目立つこともないわけです。それをこともあろうに、国民的ポータルサイトの質問箱を使っているというのは、話題性を狙ったものとしか思えない。決して広く回答を募っているわけじゃないのだから、ポピュラリティーの高い舞台装置を選んだ以上の意味はありません。京大に通報したのさえ「犯人」じゃないかとも思えてきます。
貴志祐介の教員サイコホラー小説『悪の教典』でも、生徒のモバイルカンニングが出てきます。生活指導担当教諭でもある主人公は、アマチュア無線部顧問の力を借り、妨害電波によってこれに対抗します。この伏線は後半の学園内大殺戮を可能にするために、通信環境を遮断して陸の孤島にしておくことが設定上必要だったからですが、重要なのは、携帯メールで答案を級友に流していたのは秀才の優等生であり、このカンニングは、自分が正解にたどり着くためのさもしい行為ではなく、テストを事実上無効化して学校へ挑戦するというレジスタンスだったことです。
それじゃあ今回の件は誰がやったのか? 大学関係者の内部流出の可能性はゼロではないかもしれませんが、全く無意味なので外して考えてもよいかと。私の推測では「犯人」は複数で分業していると思います。一人で全部やるのは不可能だし、投稿数分後に都合よく回答が寄せられるほど「YAHOO!知恵袋」をチェックする奇特な人が大勢いるとも思えないからです。会場にいて試験を受けていた「受験生」の役割は入力・送信のみですが、投稿内容の正確さと速さから、問題用紙を写メで画像をメール送信した説を唱えるムキがあります。でもプロであるコチラ様が書いているように、入試の会場でカメラを取り出して撮影するのは、たとえ消音したとしても無理です。
でも、物心ついたときからケータイがあって、10年以上肌身離さず身体(と精神)の一部と化している「携帯の申し子」の入力能力たるや凄まじいものがあり、基本操作もおぼつかない中高年の発想は通用しません。携帯ネイティブの彼らにしてみれば、手元見ないで秒速で打てて、主に親指の第一関節より先だけを動かせばいいのだから、ごにょごにょとカメラ使うより、打ち込んだ方が余程確実だしリスクが少ない。ケータイさえ持ち込めればこっちのものなんです。あくまでも、入試の現行制度の穴をついて世間を騒がすことが目的だから、会場に潜入した「受験生」は回答サイトを閲覧する必要はないし、してないでしょう。彼の役割はパンチャー兼伝送担当でしかない。ただし、誰でも受けられる私立大学はともかく、京大の二次試験までコマを進められる程度の知能と、受験生を偽装できるだけの属性を有する者であることはたしかですが。
サイトを閲覧するのは最もリスキーです。リストバンド型、眼鏡内蔵、メールを見れる腕時計など色んなツールが取り沙汰されていますが、試験官バイトをした経験からすると、前方から受験者を眺めていると、机上の問題用紙以外に長い時間視線がいっている人は、すごく目立つんです。いくらボンクラ試験官でも気がつかないはずはない。百歩譲って、これが高校や大学の定期テストみたいに試験官=教師が特定できる場合は、傾向がわかっているから対策をたてられるというのはありますが・・・。
「数学の山本は序盤に教室を一回りした後は、まず巡回しない」
「国語の高橋は、寝てるかずーっと本読んでるから楽勝」とかね。
大学入試の場合、前年の経験があれば、その学校でどのレベルの体制を組んでいるかわかるでしょうが、当日の会場(教室)や試験官については未知です。偶然1回成功したとしても、複数の大学で実行することは、相当にハードルが高いし、そもそも立教や同志社でまでやる必要もない。
私は素人なので、ヤフー知恵袋へ実際に書き込まれた回答の精度についてはわかりませんが、もし本格的に犯行チームを組んだのであれば、回答班には受験関係者も絡んでいるような気もしています。単なる翻訳ならネイティブや語学の得意な人でもいいんですが、短時間で、かつ入試問題の求める意図やメソッド・お作法を踏まえたうえで、場合によってはどんなツールをひもといて適切な解を出せばよいのかを知悉する人となると、やはりプロの存在を考えてしまう。塾講師バイトの院生とかね。
ウィキリークスのジュリアン・アサンジがある種のヒーローになり、尖閣流出ビデオのsengoku38こと一色正春氏の本も発売されて話題になっているご時世です。いわばダダ漏れがトレンドともいえる「リークの時代」に、誰もが通った道という意味では、世の中の多くの人が最も身近に感じる「入試」で事に及べば、相当のインパクトを与えることができると考えたのでしょう。そして今のところその目論見は成功しています。
個人的には、「犯人」に東大を避けた理由を訊いてみたい。
タイムリーに回答を書き込んでいるのは、もちろん善意の第三者ではない。でも協力者(というよりチームメンバー)がクイックレスを返すのであれば、別にどんなWEBサイトでもいいわけです。たとえば、このブログだってコメント欄を管理者が承認するまで反映されない設定にしていないのだから利用は可能です。また、ちきりんさんがツイッターで呟いていたように、英語や中国語を使ってマイナーなサイト経由でやれば、こんなに目立つこともないわけです。それをこともあろうに、国民的ポータルサイトの質問箱を使っているというのは、話題性を狙ったものとしか思えない。決して広く回答を募っているわけじゃないのだから、ポピュラリティーの高い舞台装置を選んだ以上の意味はありません。京大に通報したのさえ「犯人」じゃないかとも思えてきます。
貴志祐介の教員サイコホラー小説『悪の教典』でも、生徒のモバイルカンニングが出てきます。生活指導担当教諭でもある主人公は、アマチュア無線部顧問の力を借り、妨害電波によってこれに対抗します。この伏線は後半の学園内大殺戮を可能にするために、通信環境を遮断して陸の孤島にしておくことが設定上必要だったからですが、重要なのは、携帯メールで答案を級友に流していたのは秀才の優等生であり、このカンニングは、自分が正解にたどり着くためのさもしい行為ではなく、テストを事実上無効化して学校へ挑戦するというレジスタンスだったことです。
それじゃあ今回の件は誰がやったのか? 大学関係者の内部流出の可能性はゼロではないかもしれませんが、全く無意味なので外して考えてもよいかと。私の推測では「犯人」は複数で分業していると思います。一人で全部やるのは不可能だし、投稿数分後に都合よく回答が寄せられるほど「YAHOO!知恵袋」をチェックする奇特な人が大勢いるとも思えないからです。会場にいて試験を受けていた「受験生」の役割は入力・送信のみですが、投稿内容の正確さと速さから、問題用紙を写メで画像をメール送信した説を唱えるムキがあります。でもプロであるコチラ様が書いているように、入試の会場でカメラを取り出して撮影するのは、たとえ消音したとしても無理です。
でも、物心ついたときからケータイがあって、10年以上肌身離さず身体(と精神)の一部と化している「携帯の申し子」の入力能力たるや凄まじいものがあり、基本操作もおぼつかない中高年の発想は通用しません。携帯ネイティブの彼らにしてみれば、手元見ないで秒速で打てて、主に親指の第一関節より先だけを動かせばいいのだから、ごにょごにょとカメラ使うより、打ち込んだ方が余程確実だしリスクが少ない。ケータイさえ持ち込めればこっちのものなんです。あくまでも、入試の現行制度の穴をついて世間を騒がすことが目的だから、会場に潜入した「受験生」は回答サイトを閲覧する必要はないし、してないでしょう。彼の役割はパンチャー兼伝送担当でしかない。ただし、誰でも受けられる私立大学はともかく、京大の二次試験までコマを進められる程度の知能と、受験生を偽装できるだけの属性を有する者であることはたしかですが。
サイトを閲覧するのは最もリスキーです。リストバンド型、眼鏡内蔵、メールを見れる腕時計など色んなツールが取り沙汰されていますが、試験官バイトをした経験からすると、前方から受験者を眺めていると、机上の問題用紙以外に長い時間視線がいっている人は、すごく目立つんです。いくらボンクラ試験官でも気がつかないはずはない。百歩譲って、これが高校や大学の定期テストみたいに試験官=教師が特定できる場合は、傾向がわかっているから対策をたてられるというのはありますが・・・。
「数学の山本は序盤に教室を一回りした後は、まず巡回しない」
「国語の高橋は、寝てるかずーっと本読んでるから楽勝」とかね。
大学入試の場合、前年の経験があれば、その学校でどのレベルの体制を組んでいるかわかるでしょうが、当日の会場(教室)や試験官については未知です。偶然1回成功したとしても、複数の大学で実行することは、相当にハードルが高いし、そもそも立教や同志社でまでやる必要もない。
私は素人なので、ヤフー知恵袋へ実際に書き込まれた回答の精度についてはわかりませんが、もし本格的に犯行チームを組んだのであれば、回答班には受験関係者も絡んでいるような気もしています。単なる翻訳ならネイティブや語学の得意な人でもいいんですが、短時間で、かつ入試問題の求める意図やメソッド・お作法を踏まえたうえで、場合によってはどんなツールをひもといて適切な解を出せばよいのかを知悉する人となると、やはりプロの存在を考えてしまう。塾講師バイトの院生とかね。
ウィキリークスのジュリアン・アサンジがある種のヒーローになり、尖閣流出ビデオのsengoku38こと一色正春氏の本も発売されて話題になっているご時世です。いわばダダ漏れがトレンドともいえる「リークの時代」に、誰もが通った道という意味では、世の中の多くの人が最も身近に感じる「入試」で事に及べば、相当のインパクトを与えることができると考えたのでしょう。そして今のところその目論見は成功しています。
個人的には、「犯人」に東大を避けた理由を訊いてみたい。
ヤフー知恵袋の精度は決して高いとは言えませんよね~。今回のこの愉快犯チームの目的(まぁ、世間を騒がせたかったんでしょうが…)を知りたいです。そして東大を避けた理由、自分も知りたいです。