土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

公共建設工事の書類簡素化考(その6)本質観取すると・・・

2019-02-19 09:59:58 | 建設経営
 前回(2019.2.7)で、書類の簡素化は、手続き論や形式論では減ることはないだろう。本質的な議論をしなければ解決できないと書いた。

 本質的とは何かが薄かったので、現時点での理解を書いてみたい。

 公共建設工事の書類とは、人の命に直結する社会資本を高品質で築造するため、その築造プロセス(品質)を証明するためのものである。また、このことが、もし事故(環境問題も含めて)等が起こったり、瑕疵担保責任を問われるようなことが発生した場合に、どこにどのような欠陥や手抜かりがあったのか、なかったのかも証明するものである。同時にこの書類は発・受注者双方の立場や責任を明確にするものでもある。

 したがって、書類としては上記のものがあればいいのであって、新たに制度化された工事成績のためだけのものや、第三者からの本質的でない苦情等に対処しようとするものなどの書類を外していけば、簡素化は実現するだろう。

 だろうと言うのは、これ以上の明確な道筋を示す能力が現時点では私にないからだ。手がかりとしては、竹田青嗣「現象学は思考の原理である」ちくま新書、2004.1.10に書かれている「本質観取」を行えばいいのだが、これが私の能力を超えている。なにせ、この「本質観取」の方法は、「世界平和」や「資源の有限性」、「環境問題」、「資本主義・民主主義の限界」を解決できる方法であるのだろうと思っており、ゆえに、おいそれと使いこなすというまでに至っていないのが私の限界である。

 日本人の三分の一は日本語が読めないという調査結果があるとも言われているが、私もこの中に入るのだろう。ただ、逆に言えば、読みこなす人もいるということであるので、建設業界の理解度の高い人に、是非書類簡素化についての「本質観取」をお願いしたい。


コメントを投稿