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土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

バイデン大統領3つの躓き

2021-03-25 15:17:15 | リーダーシップ
その1
バイデン大統領が2021年3月19日金曜日、大統領専用機エアフォースワンに乗り込む際にタラップでつまずいた。FOXニュースの司会者、ショーン・ハニティは、バイデンがつまずいた映像について、バイデンの健康や精神的能力に疑問を呈したとのこと。

映像を見ると、タラップを登りはじめて数段上った後、左足を踏み外し手をつく、再び数歩登ってまた左足を踏み外し、立ち上がったものの左足を持ち上げて曲がったままであるのに左足に体重を載せようとして左膝をタラップに打ち付けている。政権側での説明は、風の影響だと言うが、映像からは、右脳の判断指令と運動神経に問題があるように見受けられる。心配である。

4カ月前の2020年11月7日、デラウェア州での勝利宣言演説の際には、小走りで5秒間16歩くらいを走り、3歩あるいてコーナーで再び数歩小走りをした。マスクを付けてだ。手と足の動きが揃っていない。77歳だから無理もないが、米国大統領に軽快さを装う軽率なパフォーマンスはまったく必要ない。

3月19日のタラップを登るときも小走りに近かった。なにも慌てる必要はない。もう少し落ち着いてもらいたものだ。

その2
エアフォースワンと言えば、バイデン大統領の就任日の1月20日に、『トランプ大統領は米大統領専用機エアフォースワンを使ってフライト2時間足らずのフロリダ州に向かっていた。トランプが大統領でいられるのは、残りわずか180分。ジョー・バイデン氏が第46代米大統領に就任する正午になれば、トランプ氏は多くの特権を失う。その一つが、この飛行機だった。トランプ氏は全旅程に大統領専用機を使用したかったのだという。ホワイトハウスからアンドルーズ空軍基地までは大統領専用ヘリの「マリーンワン」で、そこからフロリダまでは大統領専用機「エアフォースワン」で、そして、パームビーチで自らが所有する高級リゾート施設「マーアーラゴ」クラブまでは大統領専用リムジンに乗って。最後までずっと、自分が大統領だというイメージを打ち出したがっていた。だが大統領版のシンデレラのように、12時までに到着しなければ、トランプ氏は大統領という魔法が解けたカボチャに座っていることになる(ネットから引用)』

ところで、整備点検を行った後、帰りの半分の1時間以上は、すでにバイデン大統領の時代だ。エアフォースワンは、大統領の危機時にも使用する大事な機体である。前大統領のトランプのために、現大統領が機体を使えなくなっているのは問題だった。バイデン政権は、危機時に対応するためには、トランプが嫌がったとしても、別の機体を用意するか、就任時間には帰還できるように時間調整をすべきであった。他国のことながら、日本とは同盟国である。危機管理の見直しを求めておきたい。

その3
バイデン米大統領は2021年3月17日放送のABCテレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領について「人殺しだと思うか」と問われ、「そう思う」と答えた。ロシアの民主派野党指導者ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件を念頭に置いたやりとりとみられる。

バイデン大統領は、議員時代にも失言があったという。「世間ではそう言われているようだが、確たる証拠がない現段階では、私にはわからないとしか答えようがない」とでも言うべきだっただろう。もし付け加えるとしたら、ケネディに次ぐ2人目のカトリックの大統領でもあるから、「神はウソか本当かを知っているだろう」くらいではないか。タラップに躓く2日前に、失言で躓いてしまっていた。米ソ間には世界の平和と安定がかかっている。立て直しを祈っている。

安倍晋三総理の経済政策能力と危機管理能力

2020-09-03 09:35:12 | リーダーシップ
 アベノミクスと高らかに宣言していたが、確かに政権発足当初の経済政策は功を奏したと言っていい。

 IQが高く、国会での野党クラスへの答弁では、得意分野においては記憶したことを並べて原稿を見ずに答弁することができる能力を持っている。外交においては、IQを駆使して成功してきた自信が、ロシアのプーチンやアメリカのトランプとの交渉でも、ある意味で一定の成果をあげることができたと言えるだろう。

 ただし、北方領土の変換や拉致問題の解決には至らなかったは危機管理能力の低さ故、期待すること自体幻想であったと言える。さらに、危機管理能力の低さが露呈したのは新型コロナへの対応でも明らかであり、もともと、モリカケ問題や桜を見る会、河合議員夫妻の問題、10人ものお粗末な大臣の辞任など、あきれかえるようなガードの甘さが指摘されるが、これらはすべて危機意識の低さが根源になっている。

 どうやら菅氏に政権が引き継がれる様相であるが、菅氏は調整型であり、危機管理に期待することはできないと思われる。新型コロナへの対応などの危機管理は、日常とは異なる思考と行動が必要であり、世界の指導者でも合格点を与えられるのはドイツのメルケル首相や台湾の蔡英文総統など数少ない。日本の派閥に担ぎ上げられた調整型のリーダーの下では、残念ながら危機対応にとまどう状況が、しばらくは続かざるを得ないだろう。

リーダーシップとフォロワーシップ

2015-11-03 09:55:04 | リーダーシップ
 ある会社の仕事をするには、資格が必要である。専門教育を受け、一定の年数の経験がないと、その資格は取れない。専門教育を受けていない場合は、専門教育を受けた者より、さらに経験年数が数年余計に必要となる。近年、専門教育を受けた者が足りないので、その会社はやむを得ず専門教育を受けていない者を採用した。そこで人材育成担当者は、資格取得の意向についてメールによるアンケートを取ったが、回答してきたのは三分の一の人数であった。回答してきた者とそうでない者の入社動機は明らかに違いがあると思われるのだが、ここでは本論から離れるので述べないことにする。

 さて、人材育成担当者は、回答がないので戸惑い、意向調査の継続を半分諦めかけていたのだが、トム・デマルコ「ゆとりの法則―誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解」日経BP,2001.11.26,P150の「リーダーシップとはなにか」に、「リーダーシップとは、1)方向性を明示する 2)短期的には痛みがともなうことを率直に認める 3)フォローアップする 4)フォローアップする 5)フォローアップする このうち1番だけを示し、ほかの要素がなければ、それはリーダーシップとは言えない。それは単なるポーズにすぎない。」と、書かれてあった。これを読んで担当者は、自分にはリーダーシップが無かったことを痛感すると同時に、気を取り直して3)、4)、5)と続く「フォローアップ」に取り組むことにした。エジソンと同じで成功するまで遣り切ることが大切なのだと気がついたのだった。

 ある職場で、「私には権限がないから、それはできない(のが悔しい)。」と言っていた人がいた。この人が権限を持つと、部下は大変なことになるのではないかと心配になったことを覚えている。同書のPP152-153には「企業を健全にするリーダーシップの基本とは、正式な権力を与えられなくても、人々が上司を導き、同僚を導き、取引先の人びとを導き、交渉し、仲介し、影響を与えることである。本物のリーダーシップとは、権力の届かない範囲にいる人たちを参加させることである。」と、書いてあるではないか。その人に教えてあげられなかったことが残念である。「私には権限がない」と言っていた人は、とうとう望んでいた組織の長にはなれずに定年を迎えてしまったので、幸か不幸か私の仮説も実証されずに終わった。

 また、同書のP157には、フォロワーシップについて、「私が知るかぎり、活気のある企業にはフォロワーシップの倫理はまったく存在しない。リーダーシップは全員の任務であり、名案を思いついた人に従うのも全員の任務である。リーダーシップは交替で担うものだ。その結果として、当面最も影響力のある人に従う場合もある。」と、書かれている。

 なお、リーダーシップの項の前には、リーダーシップの前提となる「ビジョン」について書かれている。また、同書の本旨は、ゴールドラットの「制約理論」とも、着眼点を同じくするものだと思うが、この点については別の機会に譲りたい。

パウエル将軍のリーダーシップ

2015-09-09 10:10:47 | リーダーシップ
 米国元国務長官コリン・パウエル「リーダーを目指す人の心得」飛鳥新社、2012.10.13のPP106-107に、陸軍入隊時の士官基礎訓練終了後に、軍曹から「部下の兵隊が信頼してついてきてくれれば、あなたはいいリーダーということになります」と言われたらしい。パウエルの解釈は「部下はリーダーを信頼するが故についてくるのだ。だからリーダーは、常に、チーム内に信頼関係を築くことを念頭に動かなければならない。リーダー同士の信頼、部下同士の信頼、そして、リーダーと部下のあいだの信頼を築かなければならない。そのような信頼は、他人を信頼する無私のリーダーからしか生まれない」と書いている。書いただけでなく、それを忠実に実践している。この信頼の解釈は、かなり包括的であり、哲学的であり、人間的である。

 なぜ「信頼」を取り上げたかと言うと、工事成績で80点を連発している優良工事表彰技術者への質問で「相性が悪い監督職員だった場合、どうしますか?」の回答が「とにかく信頼を得るようにしている」だったからである。「信頼」というのは、「責任」を越えて、無限責任的な領域に入ると考えられるので、高い意識を持つ必要があると思い、気にかかっていたからである。

 また、PP38-39には「部下には優しい一言をかける、背中をぽんとたたく、「よくやった」とほめるといったことを一対一でしなければならない。物事がうまくいかなかったとき、それはリーダーの責任であって部下の責任ではない」とも書かれている。

「背中をぽんとたたく」のくだりでは、カエサルが寒い冬の野宿で、兵士の肩を抱いてはげました場面を思いだした。「一対一」というのは、リーダーは部下の一人ひとりを見ている、気にかけているということであり、なかなか困難なことではあるが、しかし、これこそがリーダーたるべき者の基本中の基本だと思う。

 そして、責任については、パウエルは単に結果責任を引きうけるだけでなく、戦闘の時はともかく平時においては、できうる限り事前に部下には必要な情報を与えると共に、十分でない時があるにしても、一定の準備のための時間を与えている。このように、こまやかな配慮をして、部下が成功するように導いているのである。

 後に大統領選出馬へ期待の声もあがったが、冷静に分析して断念している。しかし、黒人で米国の国防と安全保障の最高指揮官となったパウエルが先鞭をつけたからこそ、ライス氏やオバマ氏の活躍の道を拓いたと言えるのではないだろうか。

 パウエル氏の冷静沈着さは、どこで培われたものなのであろうか。そして、リー・クアンユーと同じような分析能力はどのようにして獲得したものであろうか。

場におけるリーダーシップとは?

2015-08-09 10:36:36 | リーダーシップ
量子力学を検索していると「場」が出てきた。そうか、リーダーシップというのは、「場におけるエネルギーの出し方」なのだろうとひらめいた。

場とは環境条件であり、課題、問題、危機の程度、組織文化風土(ビジョン、給与、愛(心)、フォロワーのレベル、情報、対話の質)だと思う。