学校図書館勉強会(神戸)では、今年度のテーマを「探究的な学びと学校図書館の活用」に設定して学校図書館自主講座を展開していますが、このたび日仏図書館情報学会のご協力をいただいて、フランスからお二人のドキュマンタリスト教員(学校図書館担当教員)をお招きして下記のとおり東京でセミナーを開催する運びとなりました。
開催要項は下記のとおりです。少人数の勉強会で会議室の利用可能人数が限られていますので、関心のある方はお早めにお申し込みください。
セミナーのお知らせ
フランスにおける探究学習と学校図書館:現状と課題
日時
2015年7月20日(月・祝)
13時30分〜 受付
13時50分〜16時30分
場所
日仏会館 会議室509
〒150-0013 渋谷区恵比寿3-9-25
講師
ローゼン・ブリオ(ドキュマンタリスト教員、サン= テグジュペリ中学校)
ジュリー・カラティ(ドキュマンタリスト教員、ルイ•ジラール職業高校)
通訳
青山 比呂乃(関西学院千里国際中等部・高等部 司書教諭)
今春話題となったフランスのコレージュ(中学)教育改革により、2016年度から EPI(学際的実践教育)がコレージュで実施されることになり、学校図書館関係者の注目を集めています。
セミナーでは、フランスから来日中の中学校と高校のドキュマンタリスト教員それぞれから現地の探究学習と学校図書館の最新の状況についてお話を伺い、その後参加者との自由なディスカッションを行います。
参加費
1,000円(当日受付にてお支払い下さい)
定員
20名(先着順)
お申し込みとお問い合わせ
お名前、ご所属、ご連絡先、懇親会(17時~)のご出欠の有無を明記の上、下記までご連絡ください。
日仏図書館情報学会 mail: sfjbibdoc@yahoo.co.jp
主催
学校図書館自主講座 (呼びかけ人:足立正治/松田ユリ子)
後援
日仏図書館情報学会
フランスの学校教育をめぐる歴史的・文化的背景は日本とはずいぶん異なってはいますが、その一方で、急速にグローバル化が進む現代社会にあって、従来の教育観や公教育の在り方が問いなおされ、学力低下や格差拡大といった共通の課題を抱えていることも事実です。
いまフランスでは、来年度(2016)から実施されることになったコレージュ(中学)教育改革をめぐって、今、賛否さまざまな議論が起きています。コレージュとは、11歳から15歳(日本の学年でいえば6年生から中学3年生)までの生徒を対象とする前期中等教育を担う学校で、15歳から18歳の(日本の高校生にあたる)生徒を対象とする後期中等教育を担う学校はリセと呼びます。
今回の改革で注目されている試みのひとつとつに、EPI (Enseignements Pratiques Interdisciplinaires)が積極的に導入されることになったことがあります。日本語に直訳すれば「学際的実践教育」となるEPIとはどんな教育なのか、それは学校図書館の教育活動とどのように関わるのか、今回のセミナーでは、コレージュとリセの現場で学校図書館を担当しておられるお二人のドキュマンタリスト教員をお招きして、フランスにおける探究学習と学校図書館の関わりについてご自身の実践などを語っていただきます。
フランスで中学改革をめぐる議論が起こったのは今回が初めてではなく、これまでに何度か実施されてきましたが、いずれも中途半端に終わっていたという反省から、現在のナジャット・ウヴァロ=ベルカセム国民教育・高等教育・研究大臣があらたな改革を打ち出したといえます。
そんな中学校改革と日本の「総合的な学習」にあたる「学際的な学習」「教科横断的な学習」の2000年あたりまでの経緯を簡潔にまとめた「フランスにおける“総合的な学習”に関する動向」(岩崎香代)が『諸外国の「総合的学習」に関する研究』(国立教育政策研究所、平成13(2001)年3月)に掲載されていて、今回のセミナーの背景を知るうえで参考になります。
私たちが企画したささやかなセミナーが、フランスの教育改革と学校図書館の実践をとおして、これからの我が国の学校教育と学校図書館のあり方を考える手がかりになれば幸いです。
なお、フランスの学校制度と職業教育については下記のサイトが参考になります。
また、今回のコレージュ(中学)教育改革をめぐる争点などについては、下記の記事があります。
[Ulala]【仏、中学教育改革で議論沸騰】~学力低下と格差拡大対策~
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