弁当で大騒ぎ

弁当消失事件は去年の10月のことであったが、今回は事件にもならなかった話。

会社の食堂は２Fにあり、みんなが弁当持参で食うだけの休憩室。
電子レンジなどハイカラなものは備え付けておらず、午前中に事務員さんが準備する
ポットに入れたお湯だけ。
かろうじてガスコンロはあるんでカップラーメンのお湯を沸かすことができる程度。
弁当をもって来れない独身貴族や、奥さんに愛されてない恐妻家（？）は通勤途中で
コンビニ弁当買ってくるか、朝まとめて注文する弁当屋の日替わり弁当。

会社は建物が工場用にスレートという安い作りなんで、夏は非常に暑く、冬はストーブ
炊いても凍るくらい寒い。
持ってきた弁当は朝は２Fの食堂まで持っていくのが面倒なんで、１Fのテーブルなどに
置いている。
冬は弁当が凍るくらい冷たくなるので、ランチジャーを持ってくるやつも多い。
ランチジャーだと、味噌汁を入れてくるとぬるくなっちゃうんで、お湯を保温用に
入れてきて、昼にインスタント味噌汁に熱いお湯を注いでっていうのが定番。

先日、昼飯用にとポットからお茶を入れてると、社長がなにやら騒ぎ出した。

「ネギ・・・ネギ・・・ネギかよ～～！！」

ネギがどうしたのかと思ったら、ポットのところにやって来て、味噌汁用の
ランチジャーのお椀にお湯を注いでいる。

「ネギ・ネギ・」とぶつぶつ言いながら。

「なしたすか？」

って聞くと、

「かがーのやつ、味噌汁入れねがった」

よく見ると、お椀の中にはネギしか入ってない。
どうやら味噌汁を忘れて、ネギだけ入れてたようだ。

忘れた奥様もやっちゃった～だろうが、

そのネギだけお湯に浮かべて飲む社長っていったい・・・