イスラムのサウジアラビアで生きる少女の姿を通して未来への希望を描き出したドラマ。
お転婆な女の子・ワジダは、自転車を手に入れるために必死にアルバイトをする。
そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり、彼女は賞金を目当てに立候補する。
とても清々しい映画だった。
またイスラム社会のサウジの現状を知ることができた。
いろんな制約があるイスラム社会の中で、女性が自転車に乗ることは、タブーに等しい。
でもそんな言葉を物ともせずに、欲しくて欲しくてたまらない自転車を手に入れる為に頑張る少女。
厳しい戒律を恨むわけでもない。
現状で自分がやれることをやっただけなのだ。
それが、母(一夫多妻制に振り回されている)を、前向きにもした。
子どもゆえに、まだ現実の厳しさを知らないともいえるかもしれない。
けれど、きっと彼女は大人になっても、制約の中でも心の自由は失わないで生きるだろう、生きて欲しい。
「分るわ、私もあなたのように反抗的だったの・・・」と言いつつ、戒律で締め付けようとする校長先生のような大人にはなって欲しくない。