MARINKA日々の記録

2019年4月男児出産しました。
主に育児記録になったけど時々読書、毎日のごはんも。

2018年2月度の読書

2018年02月28日 | 読書・映画





白痴 上巻/ドストエフスキー


初めて読んだのは4、5年前だったかな??

その時も「面白い」て感じたけど2巡目の方が圧倒的に面白い

ドスト作品はどれも凄い…
読み返すごとに面白さが増す。



先月まで読んでいた「未成年」が良い意味で地味だったせいか
「白痴」の個性的な面々が妙に際立っています



「白痴」の主人公・ムイシュキン公爵

いわゆる「生まれつきちょっと頭のネジが緩い」みたいな意味合いでの白痴ですが
読み進めていくとむしろ頭は良いように思うし、とてもあけすけ・素直な人物


初対面では皆自然と格下に見ちゃうけど
いつの間にか好きになっていて公爵の周囲に人は絶えません



人物描写は「カラマーゾフの兄弟」3男・アリョーシャに若干似ていますが、
彼の様にまるで聖人君子かのごとくあまりにも人ができすぎていて、
腹の奥底では何を考えているのか分からない…といった類の不安を掻き立てられる要素もなく


頭の中で人の事をチラッとでも悪い疑いをかけてしまうとその途端に
「あぁなんて自分は嫌な奴なんだこの中の誰よりも下衆で最低な人間だ
なんて猛反省したり、良い人でありながらとっても人間的で好ましい主人公です




この作品にたびたび出てくる「気が違った人認定

登場人物結構皆ぶっ飛んだ面々なので「あいつついに気が違ったんじゃないのか
なんてセリフが出てくることしばしばです。

ここら辺がこのタイトル「白痴」にかかっているのでしょうか。
ムイシュキン公爵だけの話ではなく、物語の登場人物全員…

というより、実はムイシュキン公爵だけが狂っていないのかもしれません








なんと!
ドスト作品で日本の描写が出てきました
第一編終わり頃


「日本じゃ恥辱を受けた者が恥辱を与えた者のところへ行って『きさまはおれに恥をかかした、
だからおれはきさまの眼の前で腹を切ってみせる』と言うそうじゃありませんか。
そして、ほんとに相手の目の前で自分の腹を切って、それで実際に仇討ができたような気分になって、
すっかり満足するらしいんですがね。世の中には奇妙な性質もあるもんですねぇ――」





最初、新渡戸稲造の「武士道」読んだの??とチラッと思ったけど
調べたら全然年代が違いますね(笑)



1868年 白痴発行
1900年 武士道発行




お恥ずかしながら武士道はよく知らないのですが…
ドストの描く切腹についてはちょっと聞いたことがないので、多分間違った伝わり方の切腹観だと思いますがどうでしょう



近辺の歴史を大雑把に切り抜いた


1853年頃 露船が開国迫って日本周辺をウロウロ
1870年代 ジャポニスムの流行
1904年  日露戦争
1914年  第一次世界大戦



これを見ると「白痴」は極東の覇権を~!って年代に書かれているものだから
ロシア国内でも日本について話題に出ている時期でしょうか







因みに1913年以降発行の「失われた時を求めて」(プルースト(仏))には
既に日本の描写がちょくちょく~出てきました







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最近観た映画

2018年02月17日 | 読書・映画







二十四時間の情事/1959年/フランス


日本語タイトル違和感あるけど
「ヒロシマ・モナムール」


戦後数年の広島を舞台に撮影されたフランス・日本合作映画です

反戦映画を撮るために広島へ来たフランス女優が広島男と恋愛する映画

単純に恋愛映画ではなく、反戦、哲学…色々なジャンル織り交ぜた芸術映画です。




戦時中、敵国ドイツ兵と恋に落ちたフランス女は
恋人を殺され自身も「非国民」として迫害された過去を持ちます。


広島男も原爆投下で家族や何もかもをなくした過去があります。

自分の故郷と殺された恋人を広島と広島男に重ね合わせて色々回顧するフランス女


冒頭で「私はヒロシマの全てを見たわ」「君はヒロシマの何も見ていない」
というやり取りが繰り返されるんだけど

原爆体験した人にしか広島は分からんぞ、見た気になるなってことかしら




小難しく描かれているので正直1度観るだけではあまり理解できませんが
2度目3度目観る程の気力もなく

つまらないことはないんだけど面白いこともない映画です。





でも、広島人には良かった


50年代当時の広島の街並みが出てきてうおおーと大興奮

昔の原爆資料館ってこんな展示の仕方だったのかー


福屋って月曜定休だったんだー



とか楽しめました。






トッツィー/1982年/アメリカ


すっごく久しぶりに面白いハリウッド映画に出会えた(笑)


ダスティン・ホフマン演じる俳優が女装して全く別人の女優さんとして売れていっちゃう映画

ダスティン・ホフマンが女装~?と思って観たけど
女装に全く違和感なし

こんな女の人いるいるー


演技がすっごく良かったな~









あん/2015年/日本



この映画観るまで「ハンセン病」について、全く知りませんでした。
ハンセン病にかかった方やその周囲の人たちがどんな扱いを受けるか…



売れない二重焼屋営む元受刑者の男性の元に手の不自由な女性(樹木希林さん)が
「働かせてくれ」とやってきます。

最初はあしらっていたんだけど、女性がつくるあんこがとっても美味しくて
流れで働いてもらうことになると、次第に大繁盛



でもどこからかあの女性はハンセン病患者だという噂が流れ
次第に店から客足が遠のく…




重苦しいテーマですが、映画自体は重く描かれておらず、人情味あふれる優しい作品です。

ハンセン病が一体何なのか、感染するのか、そういうことが全く分かっていなかった時代は
とても不当な扱いを受けていたんですね


この流れでこっちも観てみました。







砂の器/1974年/日本



こちらもハンセン病が土台になっている作品です。











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2018年度1月の読書

2018年02月06日 | 読書・映画

2018年初の読書記録







ウィルヘルムマイスターの修業時代/ゲーテ


12月に読んだ若きヴェルテルの悩みと抱き合わせ収録されていたので、ついでに~


と思ったら若きヴェルテルよりこちらの方が好きかもしれない。



ドイツ文学らしく、教養的要素の地をいくような小説です
一人の青年の人生をずっと追って行って成長を共に味わう様なお話。

周りの個性ある登場人物たちも皆魅力的で面白いです



えっ これで終わり!?

と思ったらやっぱり続きがあるのね…




ゲーテがいかに「ハムレット」に感銘を受けたかがこの作品に出ているのですが
私は読んだことが無いっ

外国の古典小説読んでいると次々こういう派生があるので
じゃあついでにこれも読むか~なんてやっていると終わりなし



ゲーテは難しいイメージで今まで手をつけてこなかったんだけど
今回2作品読んで改めてあの「ファウスト」を読んでみようかしら~?なんて…


思ってみたけどまた今度にしよっ











未成年 下巻/ドストエフスキー


未成年 二巡目読了


上巻で結構ヴェルシーロフ良い人では??なんて思ったけど
やっぱり父親としてはアルカージィにとっては…害な気がする

結構父親面してアルカージィと過ごしているからちょっと錯覚してた。



他のドスト長編と比べると山場になるような事件があるわけではないけれど
未成年・貴族と農民の間の子 としての心の葛藤や周囲からの扱いなんかが濃厚でとても良かった。


ドスト作品によく登場する博愛的な女性やなんだかんだ言いながら世話焼いてくれる女性もちゃんといてくれて、
むしろいなかったら結構救いが無くて暗い作品がどん底に暗くなってしまう(笑)










2018年度1月は…2作品で終わりました~



ピッチ上げて色々読みたいなぁ





今年早い段階でまず読んどきたいものメモ

・戦争と平和 トルストイ
・嵐が丘 エミリーブロンテ
・赤と黒 スタンダール
・高慢と偏見 ジェーンオースティン





毎年掲げている「源氏物語」はなかなか読まんのでもう置いとくことにしました
一通り読みたいやつ先に読んでからにしよう。







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