まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

それでよかったと思う

2002年12月06日 18時07分00秒 | 日々雑感
テレビを見ていたら、ネパールのある地方に水道が引かれた様子が映し出された。

「今までは水汲みに3時間もかかっていたから助かりました」 

と言う現地の女性の言葉に「それがいいんだか悪いんだか」と母がつぶやいた。

この人は時折り答えに窮することを問いかけてくる。

娘だからだろうが、普通は思っても口にしにくいような疑問をわたしにぶつける。

実はわたしも「3時間かけての水汲みは大変な労力だろうけど

逆に言えば水汲みに3時間かけても生活はまわっていたんだなぁ」 ・・・なんて、不謹慎な事を考えていたのだ。

「先進国」「文明国」と呼ばれる国に生活するわたしは

この便利さが公害や自然破壊をもたらしたことを知っている。

だから、発展途上と呼ばれる国が便利になることに手放しで喜べない感情がある。

だからと言って自分の便利で安穏とした生活を捨てる気はないくせに。

「浮いた3時間で勉強をするんだよ。識字率を上げたり」

母に言いながら(本読んだからっていいことばっかりじゃないよな。知らなきゃ良かったこともいっぱい書いてあるし)なんて考えていると

「そうそう、近所のXXさんちのおばあちゃんね、倒れてから言葉が不自由なの。

でも昔の人だから字が書けないのよ。思ったことが伝えられなくて大変みたい」

そうだ、そういうことがあるからやっぱり字は読めた方がいいんだわ。

水道が出来て良かった、良かった。

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