わたしみたいにしょっちゅう
靴紐を結び直している人もいない、と思う。
何度結んでも、歩いているうちにほどけてくる。
大体、紐の結び方が合ってるのかどうか自信がない。
エプロンの紐なんか結ぶと、縦結びにならない確率は50%くらい。
いわゆる蝶結びのやり方を、ごまかしながら生きてきたけれど
人が結んでいる様子を見ると、密かに
(わたしのやり方と全然違う!)
と思うことが多く、つまりわたしは間違って覚えているのじゃないかしら。
正しいやり方を覚えようとしたこともあったけれど
人に教えられても、図解を見てもよく分からないのだ。
以前、丸井にちょっとしたプレゼントを買いに行ったとき
包装してくれた人が、鮮やかな手つきで
ものすごくきれいにリボンを結んでくれて
不思議なことにリボンの裏が全く出ていない。
いや、そういう結び方があるのは知っていたけど
目の前で見ると魔法のようだったので
感嘆して、その旨を述べると
包装してくれた人は微笑んで
「もう一度やってみましょうか」と言うやいなや
結んだばかりのリボンをさらさらとほどいて
あっという間に同じように結んで見せた。
そしてまた微笑みながら
「お時間をいただき失礼しました」
と品物を渡してくれた。
顔も素敵だったが、態度もなんてジェントルマンなんだ。
さすが丸井・・・とよく分からない感心をしたのを覚えている。
結局その結び方は覚えられなかったけれど。