福島県内の幼児や児童約6000人を対象に今年4~6月に実施した内部被ばく検査の結果を解析したところ、放射性セシウムが検出されたのは約0.1% だったことが、東京大医科学研究所の調査で分かった。幼児や児童では、取り込んだセシウムが代謝などで体外に出て30~60日程度で半減する。東京電力福 島第1原発事故から1年以上が経過し、現在は事故直後に取り込んだセシウムの影響がほとんど残っていない。
担当の坪倉正治医師は「今回の結果は、事故後もセシウムによる内部被ばくが続いていたチェルノブイリ原発事故の被災地と違い、事故後の日常生活ではセシ ウムの取り込みがほとんどなく、大半の子どもで慢性的な内部被ばくが非常に低いレベルにあることを示している」と説明する。
南相馬市立総合病院やひらた中央病院など福島県内の4病院で実施しているホールボディーカウンターによる内部被ばく検査を、今年4~6月に受けた 4~12歳の幼児と児童計5931人分の結果を坪倉医師が解析。放射性セシウムの検出限界(1人当たり250~300ベクレル)を超えたのは6人(約 0.1%)だけだった。このうち3人は同じ家族で、最高で615ベクレル。野生のキノコを食べたのが原因とみられる。
坪倉医師は「露地栽培の野菜などを控えたことや、国の厳しい食品規制に加え、自給率が低く食品を輸入に頼っていることが影響した」と推測する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120803-00000013-mai-soci
引用 毎日新聞 2012/8/3
日本財団のチェルノブイリ事故のアーカイブにもあったのですが、チェルノブイリ事故後の内部被曝の原因が自家消費用の野菜からの摂取という報告書がありました。
厳しい規制に批判もあったようですが、結果的にはそれが内部被曝を防ぐ唯一の手段であったということです。
環境関係の専門家の書かれた文章を読むと、これから数年は特定の条件を満たす場所で放射線量が高くなる傾向がありますが、その後はそれも拡散してゆくことで放射線量の低下になっていくと文章もあります。
政府も、ここ数年は専門家の意見を十分に反映した情報から規制などに取り組めば、極力、内部被曝を押えることができるのではないかと感じます。
東日本大震災以降、放射線関連の記事を出来る限り拾ってきましたが、この記事の内容が発表されたことは非常に喜ばしいことであります。(引用記事の記事元が気にはなりますが・・・苦笑)
事故が起こってから、比較対象となる(我が国の)過去の放射線量の測定結果がないままに、放射線量だけが記事となり、それが結果的に情報を混乱させていたように感じてはいます。(その点では、記事引用をしていたのは、誤った情報の拡散だったのかもしれません。)
逆に専門家のかかれた文章からもわかるように、今後の”除染”こそが重要になります。この数年間に内部被曝するようなことがあってはいけません。一部、”除染”が原子力ムラの収益源に・・・という記事が掲載されていましたが、作業の内容を均一化し、確実に除染をするためには、統制のとれた作業が求められます。当然、作業員の方の健康面も含めてです。
安心を持ってもらうことは、同時に夢や希望を抱かせます。その第一歩となることを祈るばかりです。
土壌へのセシウム吸着は思った以上に強力みたいで、
セシウムを吸収するなんてふれこみの植物での除染が軒並み成果が出ていないこと、
ホットスポットとしてNHKが扇動した河口域で取れたアサリやハゼなどからほとんど検出されないこと、
などからして、風で飛んだ土壌を吸い込まない限り、
弱いガンマ線の外部被曝源にはなっても内部被曝源にはならなそうだから。
土壌自体よりもヘドロや腐葉土など、がホットスポットになりやすいということも併記されています。
セシウムが人間を含む動物に取り込まれる際には、経口摂取で、体内に取り込まれるのはカルシウムやカリウムの代わりだったと記憶しています。(植物は水と共に吸収)
除染は、地表近くの放射施物質を取り除く事ではなく、”水”に放射性物質が混ざることを防ぐ事を目的としなければなりません。(水道は濾過しますが、農業用水を濾過しては使いません。)