マンゴーの花咲く頃に

ラオスに暮らして数年目、何の縁があってかラオス人と結婚することに。結婚手続き、結婚式準備などのドタバタの備忘録。

「ジャオパープ」を立てる

2012-11-27 22:57:30 | 結婚式
11月(結婚式まで2ヶ月)、お世話になっている日本人、ラオス人に「ジャオパープ」になってくれるようお願いしました。

「ジャオパープ」とは、直訳すると「(パーティーなどの)主催者」という意味です。日本の結婚式の仲人とは異なり、花嫁側・花婿側でそれぞれ5人ずつの「ジャオパープ」を立てる必要があり、結婚式の招待状にも名前が記載されます。おそらく、それぞれの後見人としてこの結婚を見守り、後ろ盾となる、という役割も含まれているようで、基本的には目上の人にお願いする必要があります。

私の場合、まず、日本から来る母、叔母で2人。(ちなみに、夫婦の場合は1人分にしかカウントされないようで、叔父は叔母と一組として扱われます。)それから、ふたりが出会うきっかけを作ってくれた日本人の友人、仕事上でも私が病気になったりしたときにもお世話になっているラオス人にお願いしました。残る1人ですが、周りに気軽に後見人をお願いできそうな目上の知り合いが思い当たらず、しばらく悩んだのですが、結局、相方の義理のお兄さんで、時々お宅に招いてもらったり、婚約式のときにも私の方の証人になってくれたりした人に、花嫁側の「ジャオパープ」として名前を連ねてもらうよう、お願いすることにしました。

相方の方は、お母さん、お兄さんの他、親戚にお願いしていましたが、ラオス人はラオス人で、誰に頼むかで角が立たないように気を使うようです。父親側の親類、母親側の親類、ヴィエンチャンにいる人、実家の周りにいる人などのバランスを考えながら、5人を選んでいました。

日本の仲人が「イエ」同士を仲介する役割だとすれば、ラオスの「ジャオパープ」は、それに加えて、結婚する当人たちを「イエ」の外の「ムラ」社会に対し、新しい家族として紹介し、送り出す、というような役割を持つものなのかもしれません。今は、なんだか馬鹿騒ぎのイベントと化しているヴィエンチャンの結婚式ですが、ラオスの「結婚式」が本来持っていた社会的意義について考えてみるのも面白そうかも、と他人事のように考えたりしています。

一方で、自分自身のこととなると、結婚式の役割を分析している場合ではなく、ここに来て、家族どころか、親戚やら友人やら仕事仲間やらを巻き込んで、話がどんどん大袈裟になっていくことに、少し戸惑いつつあります。とはいうものの、ここまで来たら、後戻りできないので、腹をくくって突き進むしかないのですが。

招待客リストを作る

2012-11-26 18:24:25 | 結婚式
11月(結婚式まで2ヶ月)、結婚式・披露宴の招待客リスト作りと招待状の準備を始めました。

結婚式の準備の中で一番面倒なのが、この招待客リスト作りかもしれません。なんせ、ラオスの結婚式は招待状200枚なんて少ない方で、500枚でも普通。1枚の招待状につき、2人以上で参加するのが普通なので、500枚の招待状を配れば、1,000人が参加することもあり得ます。

「同じ事務所にいて毎日顔を合わせ、仕事上の話はするけど、職場以外では全く交流のない人」は、日本なら普通、招待者リストには載せないと思いますが、ラオス人数人に相談したら「当然、呼ぶでしょ」「呼ばれなかったら、嫌われてると思われる」とのこと。「親しい付き合いがあるけど、地方にいるので、ヴィエンチャンまで来るのは無理そうな人」→呼ぶ。私からしたら、ご祝儀だけ催促しているみたいで気まずいのですが、「招待状を送ることで、招待したいという気持ちを示すことが大事」「招待状をもらわずに、他の人から結婚したと聞いたら、”自分は大事じゃないと思われてる”と受け取られる」とのこと。「結婚式当日が出産予定日で、どう考えても出席できない友人」→呼ぶ。理由は先に同じ。

さらに、○○さんを呼んだら、共通の知り合いである△△さんも呼ばなくては角が立つのでは、と考え出すと、当然、リストはどんどん長くなっていきます。式場の座席数が限られていて、どこかで線引きをしなくてはいけない日本の結婚式も、それはそれでリスト作りは難しいんだとは思いますが。

ちなみに、うっかり冗談で「元カノとかも来たりするんじゃないでしょうね?」と聞いてみたら、「そりゃ、呼ぶよ」。...聞かなきゃ良かった。一応、他のラオス人に聞いてみたら、みんなそろって「普通でしょ」とのこと。「だって、高校の友だちグループとか、元職場の同僚グループのなかで、彼女だけ呼ばなかったら、よっぽど恨んでるか、今も未練があるか、ってみんなに思われちゃうよ」だそうな。私なら、呼ばれたくないけど。ラオス人にとっては、招待状一つとっても、「周りからどう思われるか」が重要なんだなあ、と改めて実感。うーん、面倒だ、ラオス人。

こうして、リストは膨れ上がっていき、「参加する可能性は低いけど、一応、招待状を送る」場合も含めて、私の関係者だけで100枚以上、相方の関係者が200枚近く、さらに花嫁・花婿それぞれの後見人が5名ずついるのですが、その人たちが呼びたい知り合い(新郎新婦は全く知らない人になることも)も含めると、「小規模にやろう」と話していた私たちの結婚式でも、約350枚の招待状を印刷することに。

何はともあれ、招待者をリストアップしたら、まず大変なのが名前の確認。ラオス人はニックネームで呼び合うのが普通なので、本名を知らない人がたくさんいます。友だちならニックネームを書いてもいいそうですが、やはり正式には本名を書いた方がいいとのこと。例えば普段は「ノイお兄さん」とか「ペットちゃん」と呼んでいる知り合いがいるとして、「すみません、本名を教えて下さい」と聞いて回る必要があります。

ラオス人でもこれは面倒な作業のようです。相方は途中で、「もう同年代の友だちはニックネームでいいや」と匙を投げていました。さらに、外国人であり、普段はいい加減なラオス語を話している私にとっては、「ラオス語の名前を正しく綴る」という難題が待ち構えています。ラオス語には、日本語にはない声調や、有気音・無気音の区別があります。とりあえず、名刺やメールアドレスを見ながら、アルファベットでリストを作ってみたものの、アルファベットにも声調は反映されないので、元のラオス語のスペルをアルファベットから復元するのは多くの場合不可能です。

「このKhamlaさんの"la"はどの音?」と聞かれても、いつもなんとなく発音していて通じるけど、私の普段の発音が正しいかどうか自信がない...。というわけで、そのKhamlaさん本人か、その知り合いに電話をして、「招待状をお送りしたいのですが、名前のスペルを教えて下さい。あ、ちょっと待って、ラオス人に代わります」と相方に携帯電話を渡し、スペルを教えてもらうというやり取りを、リスト上の半数近くのラオス人について繰り返すことに。(でも、まだ間違って綴っている名前もあるかも。)

さらに、ラオスの結婚式の招待状の宛名は、「○○さんとご家族」「○○さんと愛するパートナー」という2種類の表記があります。前者は既婚者、後者は未婚者への招待状。既婚なのか未婚なのか知らない場合は、「ねえ、○○さんって結婚してたっけ?」と周りの人に探りを入れる必要があります。さらに、「あの人、最近、奥さんと離婚してなかったっけ?」とか「あの二人、結婚式を挙げずに同居してるけど、結婚はしてるんだっけ?」とか、複雑な事情を抱える人もいて、どちらの表記にするか、頭を悩ませる必要があります。

こうして何とかリストは完成しましたが、ラオスには日本のように、参加の可否を事前に連絡するという習慣はありません。上記のように、出席できない可能性が高い人にも招待状を乱発している一方で、1枚の招待状で一家4人連れで来る人もいるかもしれず、実際の参加者の数は今もって謎です。どうやって会場の座席数や料理の量を決めるのか、未だに分かっていないのですが、また追って成り行きをレポートできればと思います。

ラオス舞踊を習う

2012-11-25 10:24:30 | 結婚式
11月(結婚式まで2ヶ月)、ラムヴォン(ラオスの踊り)の集中レッスンを受けました。

ラオスの披露宴には、数百人の参列者を前に、まず新郎新婦の名前が呼ばれ、スポットライトがあたる中,二人でラムヴォンを踊らされるという余興(?)があります。(一応、頼んでみたけど、これをプログラムから外すのは難しいようです。)とりあえず、二人で一曲踊ったら、あとは参列者も入り乱れて、盆踊り大会が始まります。

ラオスに住んでいると、仕事関連のレセプションなどでも、友だちの結婚式などでも、ラムヴォンを踊る機会は結構たくさんあるのですが、今までは、なんとなく適当に踊っていました。

「まあ、適当でいいか」と思っていたのですが、私の知る限り最もお世辞下手なラオス人である相方に、「君の踊りは格好悪い」と直球で非難されてしまいました。さすがにちょっとムカッとしたので、「そう言うんだったら、踊りの先生を探してきてよ」と返したら、本当に見つけてきました。国立芸術学校の踊りの先生(男性)と、最終学年の学生(女性)のペア。

料金を聞いたら、「マスターするまでで、一人1,000バーツ」という、極めてラオス的、不思議な料金設定です。私がリズム感ゼロで(実際にあまりないけど)、1ヶ月経っても上達しなかったら、どうするつもりだったんだろ。

というわけで、毎日仕事が終わったら、相方と二人で芸術学校の寮に通い、1時間の特訓を受けてきました。女性が外側とか、女性は右足からで男性は左足からとか、4カウント前に進んだら、4カウント内側を向いてその場でステップとか、今まで知らなかったラムヴォンの基本を教えてもらい、目から鱗でした。ちなみに、相方も「へえ~、そうなんだ」と言っていたので、ラオス人なら誰でも基本を知っているというわけではなさそうです。

初日はステップを気にすると手の動きがばらばら、手の動きに集中すると足がもつれる、という情けない状態でしたが、4日目には何とか形になったかなというところまできました。5日目にはラムヴォンの復習と、バサロップ(ラインダンス)の上級者版まで教えてもらい、とりあえずの集中レッスンは終了。式の直前にあと2日ほど復習に付き合ってもらうことになっています。

こういう機会がないと、なかなかラムヴォンを習うことなんてなかったので、楽しい経験でした。1,000バーツでマスターさせてくれるなら、別に結婚式のためでなくても、ラオスに住んでいて興味のある方は、習ってみると面白いかと思います。

ちなみに、ラオスの披露宴は、飲み食いして、盆踊りして、酔っぱらって疲れた人から帰って行く、というだけで、日本の披露宴のように精巧なプログラムが組まれているわけではないのですが、それではわざわざ日本から来てくれる親戚や友だちはつまらないかもと思い、この芸術学校の先生&学生チームに、ちょっとした余興をお願いしました。披露宴に参加してくださる方は、お楽しみに。

結婚資金を管理する

2012-11-24 04:41:13 | その他
お金の管理は、それぞれのカップルの問題だとは思いますが、私はラオス人の友だちのアドバイスが参考になったので、ご紹介まで。

結婚式の準備を始めたばかりの頃、2年前に結婚した友だちに、「結婚式のお金の管理はどうしてるの?」と聞かれました。「うーん、適当」と答えると、「絶対、そんなんじゃだめ!ラオス人同士だって、結婚資金の出し方、使い方、ご祝儀の管理は、大げんかの原因になるのよ。ちゃんと事前に話し合って、きっちり決めておきなさい!」とお叱りを受けました。

彼女のアドバイスは以下の5点;

その1、まず最初にどのくらいの規模の結婚式にするのか、ちゃんと話し合って予算を立てること。

その2、予算がつかめたら、二人の収入などに応じて、それぞれがいくら出すのか、事前に決めておくこと。

その3、資金が確保できたら、それは二人の共有資金として、何にどのくらい使うかは二人の合意で決めること。

その4、結婚式後、ご祝儀は絶対に二人が揃ったところで一緒に開封し、きちんと帳簿をつけること。(そうなんです、実はラオス人はいい加減に見えて、もらったご祝儀は、きっちりチェックしているそう。私、彼女の結婚式のときは、いくら包んだかなあ。)

その5、{(二人で出した結婚資金)ー(掛かった費用)+(ご祝儀)}は、二人の共有資金として、今後のために貯金に回すのが良い。(彼女たちは、共同名義の銀行口座を作り、二人のサインがないと引き出せないようにしているとのこと。素晴らしい!)

最後に、「愛があってもお金のことはきっちりすること。お金の問題は愛が壊れる原因になるんだから!」とのこと。肝に銘じておきます。

彼女のアドバイスがなければ、確かに、「これは私が出すんだから、私の好きにする」とか「それはあなたが払うんだから、自分で決めて」とか言ってしまっていたかも。(勝手に決めた婚礼衣装の仕立てでもケンカになりかけましたが。)

日本で結婚式を挙げた日本人の先輩からも「結婚準備で起こる様々な問題は、それからの人生の縮図よ」と言われたことがありますが、お金のことをきっちり話すきっかけができたことは、結婚式の準備を始めてみて良かったことの一つかもしれません。

婚礼衣装をレンタルする

2012-11-23 18:19:44 | 婚礼衣装
11月(結婚式まで2ヶ月)、写真撮影のついでに写真館で結婚式用の衣装をレンタル。

婚礼衣装を仕立てる」で書いたように、ヴィエンチャンのような都会の結婚式では、同じ日に行う場合でも、儀式の時と披露宴では別の衣装を着るのが「常識」のようです。

私たちの場合、私のラオス衣装一着は注文し、相方のスーツも親戚にもらった生地で仕立てたので、もう一組衣装が必要となります。衣装は写真館でレンタルできます。

これも驚くほどビジネスが出来上がっていて、豪華な金糸が入っているかとか、新しい衣装か、などで値段がどんどん上がっていきます。この写真館では、男性のラオス衣装は上下とパービエン(肩掛け布)などのセットで1,800バーツ/日、女性の衣装はブラウス、シン、パービエンのセットで、2,000~3,000バーツ/日という料金設定でした。思っていたよりも高くてびっくり。

私たちはこの写真館で写真を撮ったことと、ブラウスは自分のを着るからいらない、などと値段交渉をして、少しはまけてもらえました。衣装はレンタルする前日に自分たちで受け取りに来る必要があるとのことです。

また、写真館では当日のメイクアップ、ヘアメイクをお願いすることもできます。もちろん、別料金。この写真館では、2,500バーツ/日、一日で結婚式も披露宴もする場合は4,000バーツ/日と、こちらもびっくりする値段です。料金には、髪飾り、イヤリングのレンタル料も含まれ、担当者が当日花嫁の自宅まで出張してくれるとのこと。あのとぐろヘア(花嫁の髪型「ガオポム」)とおてもやんメイクにこんな値段を取られるとは。町の普通の美容室に頼むなど、もっと安く押さえる方法はあるはずなので、検討しているところです。

さらに、驚いたのが、アクセサリーのレンタル料。金の首飾り、肩からたすきがけにする鎖、ベルト、ブレスレット、指輪のセットで、なんとレンタル料が8,000バーツ/日もします。しかも、元の金の値段の半額を保証金として預ける必要があるそう。いくらなんでもあり得ない!ばかばかしいので、私はレンタルはせずに、手持ちのブレスレット以外は誰かから借りるか、まあなくてもいいかと思っているところです。

もしくは、ラオスでは金のアクセサリーは売却可能なので、元手があれば、いったん自分たちで買い、式が終わってからすぐに売り飛ばすということも考えられます。もちろん、売値は買値より落ちるはずですが、8,000バーツも無駄にせずに済むんじゃないかと思います。その場合は、金を買う時に、「数日後に売りにくるから、いくらで買い取って」という交渉が必要になるとのこと。

他と比較する余裕がなかったので、たまたま紹介された写真館が強気の値段設定だったということがあり得ないわけではないですが、それでもヴィエンチャンで結婚式&(式場での)披露宴をしようと思ったら、なんとか工夫しない限り、ラオスの物価からすると相当な出費を覚悟しないといけないということのようです。(ということに、準備を始めてしまってから気がつきました。)