震災以降、この声はよく聞く。
そして、最近の、内閣不信任案提出のニュースへの感想でも、この言葉はよく聞く。ワイドショーのコメンテーターや道行く人の言葉、、ニュースサイトのコメントでも、よく聞かれる。
確かに、こんな時なのだから、震災復興に向けて、自民党は協力すべきやと僕も思う。
ただ、悲しいかな、タイトルで書いた「自民党は民主党に協力すべき」と、「自民党は震災復興に向けて協力すべき」とは、違うことになっている。
これが、一致していれば問題ないんやけど、実際は一致せず、そして、ある程度多数の国民は、これが一致してるもんだと錯覚している。
例えば、国民の多くは、
とにかく、未曾有の災害を受けた危機なのだから、財源については、とりあえず、子供手当などのいわゆるバラマキ政策はやめておいて、震災復興に回して欲しい。そして、現場のニーズを柔軟に聞き、国会は閉じずに通年で開催して、被災地からの要望に応えて機動的に法案を作成し、二次補正、三次補正の予算もすぐに通して欲しい。
こんな風に思ってるんやないやろうか?そして、そのために、与野党は協力するべきやと。
ところが、これらは、民主党が反対しているために実現していない。民主党が賛成さえすれば、この内容は今すぐ、実現できる。
もしも、自民党が民主党に協力しなければならないなら、子供手当を初めとした何兆単位のお金が震災対策に回せずに消え、国債の残高だけが増えて震災復興の国債発行にもしわ寄せが来、国会は二次補正すら出せずに6月終盤で閉会し、国会議員はゆっくりと夏休みをとって9月頃に始まる臨時国会まで、必要な法案は何一つ通せない状況で、被災地は捨て置かれざるを得なくなる。
自民党は民主党に協力しろと言う人は、こんな状況を望んでいるんやろうか?
そうでないならば、むしろ逆に、民主党は自民党に協力しろと言うべきではないんやろうか?
震災復興の具体案についても、自民党は提言という形で、民主党に伝えている。よく、文句を言うだけでなく具体的な提案をしろと言う人がワイドショーのコメンテーターを初めとして多いけど、そういう人たちは、自民党のホームページを見て、提言を精査した上で言ってるんやろうか?
参考までに、
自民党の第3次提言。第1次、第2次もここから見られる。
政治評論家は、本来ならこういった各党の提言、対策を比較評価した上で視聴者に解説するんが仕事なんやと思うんやけど、彼らがド素人のコメンテーターと同様に、内閣も未熟だが、自民党も何もしてないと〝嘘〟を言うのは、正しいことなんやろうか?
提言の内容をきちんと精査した結果、具体性に欠けていたり、実現不可能やったりして意味がないというのならば、それを踏まえた上で、言及しなければフェアでないんちゃうか?
過去の自民党の政策に間違いが多かったのは事実やろう。官僚にいいようにやられていたのも事実やろう。今回の震災対策についても、魔法のように解決できるような案は、おそらくないやろう。
ただ、だからといって、事実をねじ曲げて誹謗するのはおかしな話やと思う。
拙劣なら、拙劣だという理由を示して、批判するべきやろう。
こんな状況で、今もなお、与党も野党も協力すべきだというのは、言葉自体としては正しいけど、何の役にも立たない意味のない言葉やと思う。
誰が何をしなければならないのか、国民一人一人が責任感を持って注視し、発言していかなければ、日本の政治が良くなることはないと思う。
民主党が悪い時は民主党、自民党が悪い時は自民党、国民がきちんと判断できて意見を言わなければ、日本の政治にとっても、国民にとっても、不幸な時代はまだまだ続くと思う。
政治がダメだと嘆くだけでなく、国民から変わっていきませんか?