映画:フローズン・タイム

2008年05月09日 | 映画・本
フローズン・タイム 2006年 イギリス

監督:ショーン・エリス  出演:ショーン・ビガースタッフ、エミリア・フォックス、ショーン・エヴァンス

 
 観終わって― 
フロベールの才能のない友人として有名なマキシム・デュ・カンの写真を思い出した。

 1800年代後半の写真は露光が8時間ぐらい必要で、その間は身動きできない状態になる
(=だから、肖像写真がほとんどなし)。
こやぶん思うに、瞬間を切り取った写真というより― 空間を記憶した様な絵画のような写真でした。

 本作品の監督も一流のファッション雑誌のフォトグラファーとして活躍していた事から、
1秒間24コマ動画と瞬間の美を切り取った静止画のズレを基軸に話が展開します。 
 写真家といえば、とかく「映像美」や決まった構図の映像づくりに凝っているけれど、
話の展開も荒削りながら「おぉ~っ」と思わせるところもあり、親しみを覚える作品に仕上がっている、
と こやぶんは思う。た だ し、物語はあまりにも普通過ぎるのが、残念!

 失恋した美大生が、美しいもの、愛云うものとは何かを考えながら、探し追い求めるだけ・・・ 

 おかしな仲間達に囲まれて過ごす日常と、
普遍な日常から一瞬の美を切り取るという非日常的な世界を生きる美大男子学生の
主人公を描けたのは、やはり写真家である監督の手腕ではなかろうか?
 一瞬の美を見出す視点があるからそこ、R-15指定であっても… 
まるで美術館のギリシャの彫像のごとく、逆に美しさを感じる仕上がりに(さすが一流写真家!)

 長編の作品が今回が初めてだから― 今後の作品に期待が持てる監督さんだ!


  こやぶん評価(ラストシーンが美しい)





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