昨日の睡眠不足で内山峠からウトウトし始め目が覚めた時はもう麦草峠を走っていた
懸念していた天候も回復し空は見事なまでのスカイブルー
左車窓には南アルプス群が雲の上に輝いていた
標高1784mのピラタスロープウエイ駅から労せず坪庭までの標高差466mを僅か9分
文明の利器のお蔭で日帰り登山が出来るのは有り難いと言うべきだろう
圧倒的に観光客の多い溶岩台地に整備された遊歩道を人混みに揉まれ一人抜き二人抜きしながら
横岳への登山道に入ると、やがて人声が遠ざかると山本来の静けさに包まれた
~(略)~
以前、蓼科山から眺めた時には餅を摘まみあげた様な急峻さに驚いた横岳だったが
坪庭からのルートは、それほど苦も無く1時間弱で山頂に立ってしまった
しかし何時の間にか湧いたガスに遠望はきかず私達はチョコレートを頬張りながら煙る景色を眺めていた
さて、そろそろ降りようかと立ち上がりかけた時、私は石車に乗ってしまい転倒
右腿を強く打ってしまいその痛さと言ったら・・・
それでも他の登山者の手前平静を装って下山したが、その帰り道
「あまりのブザマな倒れ方に他人のふりをした」とげらげら笑う雄さんの薄情さ
何てことと思いながらも私もつられて笑ってしまった
~(略)~
ロープウエイ方面から登山者がゾクゾクと登って来る
途中、三ッ岳の分岐に差し掛かった 当然、左に歩を進めた
足元は溶岩の岩稜帯で岩と岩の間は深く誤って落ちたらチョット抜け出られそうもない個所がイッパイ有る
鎖場をクリアすれば三ッ岳の第三峰だ
第三峰への登り
(この頃の私、随分プクプク太ってます オー、ハズカシ)
三峰から二峰を見やれば岩頭がニョキニョキ乱立している中に猿の顔に似たものが有ったりして
自然の造形の面白さに山頂に居た全員で大笑い(雄さんの右方)
時折りガスが流れて瞬時に横岳が望めたりするがガスの動きは早くその貴重な風景を
なかなかカメラに納める事が出来ない
~(略)~
鎖場で足をブルブル震わせていた奥さんが「笑わないで下さい、本人は真剣なんですから」
と言い残し大岩に這いつくばる様にして下って行った
そうして後の二組が下って行った後は私と雄さんだけ、相変わらずガスの流れは速い
小鳥が一羽、岩の先端に停まりチョット一休みすると再び飛び立っていった
雨池方面から数組の登山者が登って来るのを機に腰を上げた
(雨池山 )
(雨池峠)
第二峰、第一峰の岩稜を穴に落ちない様、慎重に通過し標識が無ければ通り過ぎてしまいそうな
雑木に囲まれた寂峰・雨池山で一休みして雨池峠に下った
空は相変わらずドンヨリしており雨池峠に降り立った時には視界は10m程に落ちた
此処からの縞枯れ模様はその片鱗が伺えるだけで規則正しい縞模様を観る事が出来ない
長居をする様な場所でも無いと坪庭に向かって歩き出す
起伏も無く歩きやすかったが視界は増々落ちて数メートルがやっとだ
立ち込めるガスの中に不意に現れた大きな三角屋根、縞枯山荘だった
ガスが舞うせいか無音の世界だ
林道が一輪、ボーっと浮かんだ それは目に沁みる紫だった
~(略)~
冬の間、思い出に残る山の出番が多くなりそうです
備忘録ですのでコメントはどうぞ無理なさいません様に